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龍人の村編
22 side ソフィア
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人との距離感のおかしい孫をどやし、ドラゴンが目を覚ましたところで二人を狩りに送り出す。二人の気配が森の中に入った事を確認した直後、龍玉に魔力を流してじいさんを呼び出した。
『なんだいばあさん。さっき話したばかりじゃないか』
「ルナから気になる話を聞いたからね。ちっと確認だよ」
『なんじゃ』
じいさんの短い返事の後で、ルナが見つけた細いがしっかりした繋がりがある番がいる可能性を伝えると、じいさんは安堵の表情を浮かべた。
『そうか、そうか。同族に番がいるか。良かった。良かった』
「前の消えたドラゴンの様にならんよう、あんたも探しておくれ」
『それは心配要らん。繋がりがあるのなら相手も気付いておる。互いに気付かんと繋がらないのじゃ』
じいさんの話を聞いて安堵したが、気になる事はコレだけじゃない。あのこの子の指に残る呪具の赤い痕。半年過ぎても消えないなんて何かある可能性が高い。だが、私の力だけで“何か”を解析する事は不可能。じいさんの知恵を借りるしかないね。
「じいさんは呪具が外れた後に痣が残ると聞いた事はあるかい?」
『痣じゃと?知らんのう。何かあったのか?』
「あぁ、ルナの指に赤い痣の様な痕が残っているんだよ。最初は外れた時に熱かったと言ったから軽い火傷と考えたんだがね」
ルナが私の元で修行する事になった経緯と呪具が外れた時の状況を話していると、じいさんの表情が険しくなる。人の器には巨大過ぎる魔力の話になると、怒りの感情を滲ませた。
「じいさん、暴れんでくれ」
『分かっておる。分かっておるが、あやつまだ、復讐を続けておるのか』
「人間の皆が好意的とは限らないからね」
『あやつも気になるが、お嬢ちゃんが先じゃな。その痣は植物の蔦の様に見えるかのう?』
「……蔦?」
『蔦はあやつが得意とする魔法陣じゃ。蔦に絡めて魔力を送り出す。見とらんので判断は難しいが、それだけ小さな陣じゃと追跡か盗聴くらいしか出来んはずじゃ』
じいさんに言われて改めて痣を思い浮かべると、確かに蔦の葉が絡む様に見えなくもない。しかし、細い指に残る赤い線は拡大しなければ細かい事は分からない。下手な返答は先入観を生み誤った判断に繋がりかねない。二人が帰って来てから改めて確認する事を伝え通信を切った。
静かになった室内で、じいさんに言われた言葉を反芻する。赤い痣が追跡か盗聴ならあの娘は、氷の魔女に狙われているのかもしれないね。ケビンとアランに警戒させるか……いや、深追いすれば二人が危ないねぇ。
「暫くはルナについといてやるかね」
こちらでの滞在予定は残り半年。その後私が違和感なく村の外について行く理由を作るかね。
先ずは断れない様に、あの娘と一緒に住む所でも探すかね。今のうちにあの娘の両親から許可を先に貰って外堀を埋めようじゃないか。本当の理由は大っぴらには出来ないから、ドラゴンの安全確保とでも言っとくか。色々やらなきゃいけないが先ずは……
「どれ王様に連絡して学園と城の中間に家を探して貰おうかね」
二人が戻る前に城への連絡を済ませると、あの娘の両親に宛てて手紙を認める途中でフッと孫の言葉が頭に浮かんだ。
『父親とはどうかな』
父親とは上手くいっていないのかもしれないね。何が空回りしているのか……あの娘の涙を思い出し推測されるのは恐らく
“魔法使いになる事を強制してきた”
その一言に限るだろうね。たった一つの事だが、呪具で魔力を奪われていたあの娘には酷な事。事情の知らない周囲から見れば“落ちこぼれ”・“勉強嫌いの怠け者”に見えたかねぇ。
「ちょいとお節介させて貰おうかね」
思わずニヤける口元を手で押さえながら、少しだけ先が楽しみになってきたよ。
さぁて、これから忙しくなるよ。
『なんだいばあさん。さっき話したばかりじゃないか』
「ルナから気になる話を聞いたからね。ちっと確認だよ」
『なんじゃ』
じいさんの短い返事の後で、ルナが見つけた細いがしっかりした繋がりがある番がいる可能性を伝えると、じいさんは安堵の表情を浮かべた。
『そうか、そうか。同族に番がいるか。良かった。良かった』
「前の消えたドラゴンの様にならんよう、あんたも探しておくれ」
『それは心配要らん。繋がりがあるのなら相手も気付いておる。互いに気付かんと繋がらないのじゃ』
じいさんの話を聞いて安堵したが、気になる事はコレだけじゃない。あのこの子の指に残る呪具の赤い痕。半年過ぎても消えないなんて何かある可能性が高い。だが、私の力だけで“何か”を解析する事は不可能。じいさんの知恵を借りるしかないね。
「じいさんは呪具が外れた後に痣が残ると聞いた事はあるかい?」
『痣じゃと?知らんのう。何かあったのか?』
「あぁ、ルナの指に赤い痣の様な痕が残っているんだよ。最初は外れた時に熱かったと言ったから軽い火傷と考えたんだがね」
ルナが私の元で修行する事になった経緯と呪具が外れた時の状況を話していると、じいさんの表情が険しくなる。人の器には巨大過ぎる魔力の話になると、怒りの感情を滲ませた。
「じいさん、暴れんでくれ」
『分かっておる。分かっておるが、あやつまだ、復讐を続けておるのか』
「人間の皆が好意的とは限らないからね」
『あやつも気になるが、お嬢ちゃんが先じゃな。その痣は植物の蔦の様に見えるかのう?』
「……蔦?」
『蔦はあやつが得意とする魔法陣じゃ。蔦に絡めて魔力を送り出す。見とらんので判断は難しいが、それだけ小さな陣じゃと追跡か盗聴くらいしか出来んはずじゃ』
じいさんに言われて改めて痣を思い浮かべると、確かに蔦の葉が絡む様に見えなくもない。しかし、細い指に残る赤い線は拡大しなければ細かい事は分からない。下手な返答は先入観を生み誤った判断に繋がりかねない。二人が帰って来てから改めて確認する事を伝え通信を切った。
静かになった室内で、じいさんに言われた言葉を反芻する。赤い痣が追跡か盗聴ならあの娘は、氷の魔女に狙われているのかもしれないね。ケビンとアランに警戒させるか……いや、深追いすれば二人が危ないねぇ。
「暫くはルナについといてやるかね」
こちらでの滞在予定は残り半年。その後私が違和感なく村の外について行く理由を作るかね。
先ずは断れない様に、あの娘と一緒に住む所でも探すかね。今のうちにあの娘の両親から許可を先に貰って外堀を埋めようじゃないか。本当の理由は大っぴらには出来ないから、ドラゴンの安全確保とでも言っとくか。色々やらなきゃいけないが先ずは……
「どれ王様に連絡して学園と城の中間に家を探して貰おうかね」
二人が戻る前に城への連絡を済ませると、あの娘の両親に宛てて手紙を認める途中でフッと孫の言葉が頭に浮かんだ。
『父親とはどうかな』
父親とは上手くいっていないのかもしれないね。何が空回りしているのか……あの娘の涙を思い出し推測されるのは恐らく
“魔法使いになる事を強制してきた”
その一言に限るだろうね。たった一つの事だが、呪具で魔力を奪われていたあの娘には酷な事。事情の知らない周囲から見れば“落ちこぼれ”・“勉強嫌いの怠け者”に見えたかねぇ。
「ちょいとお節介させて貰おうかね」
思わずニヤける口元を手で押さえながら、少しだけ先が楽しみになってきたよ。
さぁて、これから忙しくなるよ。
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