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文化祭の準備
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月曜日の授業はロングホームルームから始まった。
この時期のロングホームルームなので、今回の授業ではなにをするのか生徒のほとんどは予想がついている。
そろそろ文化祭について話し合う時期だ。
私たちの花鳥中学校の文化祭は市内でもけっこう有名な催しになっている。
ちょっとした出店も出るし、各クラスが劇や合唱・ダンスなど色々なことに取り組むのでちょっとしたお祭りのようになるのだ。地元のケーブルテレビも取材しに来るし、学校をアピールするいい機会なので、先生たちも気合いが入るイベントになっている。
クラスメイト達は早くもそわそわしている。それぞれやりたいこと、やりたくないことがあるから当然だ。
担任の熊谷先生がざわざわしている生徒を咳払いで静かにさせる。
「――ぅおっほん! お前らも気づいているとは思うが、もうすぐ文化祭だ。今日はうちのクラスの出し物をどうするか決める。アイディアのあるやつはどんどん言ってくれー」
「たこ焼きは?」
「出店はクラスでは無理でしょー。毎年大人しか出してないはずだよ」
「去年先輩がバンドしてたけど」
「それは個人で申請するやつ」
「やっぱり今はあのダンスグループのやつがいいと思う」
「絵やイラストの展示もよくない?」
アイディア出しと意見交換が同時に行われて、全然まとまりがない。
がやがやと騒がしいけれど、熊谷先生はそのなかの言葉をうまく拾い上げて黒板に書いてくれる。
――パンッ。
手を叩いてみんなの注目を浴びたのは、桃ちゃんだった。
「あたしはね、劇がいいと思う!」
熊谷先生は自分の顎を触りながら、興味深そうにしている。
「ほー、兎沢、具体的にいい案があるのか?」
「はい。あたし、すっごく感激した演劇があったんです。もともとは童話なんですけど、みんなも知ってると思います。“美女と野獣”の劇なんてどうですか!?」
「おお、それはいいな! 先生も見たことあるんだけど、あのラストには感動してなぁ」
……先生がこういう反応になれば、たいてい流れはできてくる。ましてやあの桃ちゃんだ。
桃ちゃんは教室をぐるりと見渡すと、にっこり微笑んだ。
「みんなも、美女と野獣いいと思わない?」
その一言で、ほとんどの男子が「うんうん!」と頷いている。
ここまで来たら、出し物は決まったも同然だった。
飛鳥ちゃんの方を見ると。苦笑いしている。桃ちゃん、男子に人気だからね……。
でも、美女と野獣の劇、大変だけどいい思い出になりそう。
そう思っていた私だったけれど、桃ちゃんの次の言葉に耳を疑った。
「それでね、先生……。劇のキャスティングなんですけど、美女のベル役は、もちろんあたしがしてもいいです。ただ……野獣役は鮫嶋くんがいいと思うんですっ」
「さ、鮫嶋が野獣!? いくら鮫嶋が極悪人のような顔をしているからって野獣は言い過ぎだ!」
いや、先生のが言い過ぎでしょ!!
「先生、なに言ってるんですか。鮫嶋くんは野獣……らしさもほんのちょっとはあるかもしれないけれど、王子様役にぴったりなの気づきませんか? 身長もクラスで一番高いです。すらっとした手足やスタイルが、まさに理想の王子様なんです!!」
「そう言われれば、いつもの雰囲気で気づきにくいけどたしかに……」
クラス中の視線が鮫嶋くんに集まる。
「まぁそうだよな……きりっとすらっとしてる」
「鮫嶋くんが野獣役なら、ほかのクラスからの注目も上がるんじゃない?」
「王子姿見たいかも」
悔しそうな顔をしている男子がちらほらといるが、女子の反応はまずまずだった。
鮫嶋くんは真顔で黒板を見たまま動かない。たぶん、反応に困っている気がする。
先生はまた顎を触りながらなにか考えている。
「野獣役、みんなも異論なさそうだし鮫嶋にお願いするか。あとは……」
私も鮫嶋くんの王子姿は興味あるけれど……。このまま決まったらどうなるんだろう。
私は頭のコンピューターが高速で動き出す。
たしか、美女と野獣の物語って――
ある商人がいて、その商人にはとても美しい娘のベルがいた。
ベルはその商人の父親にお土産としてバラの花を頼んだんだけど、仕事に失敗してしまったのよね。
バラを買うお金もなくなるくらいに失敗した商人は、道に迷ったあげくにおそろしい姿の野獣の住む城に辿り着いた。そこでもてなしを受けたにも関わらず、商人は城にある庭園から美しいバラをとってしまった。
それに気づいた野獣は激怒しちゃって、商人の命を奪おうとする。
商人は死ぬ前にもう一度だけベルに会わせてと野獣にお願いしたら、野獣が「いいだろう」って言う。命を奪おうとする割には優しいよね、野獣。
父親の話を聞いたベルは、自分が野獣の城に残るかわりに、父親を助けるようにお願いする。これも野獣は了承するのよね。やっぱ優しい。
こうしてベルは、野獣とふたりで暮らすことになるの。
一緒に暮らして野獣の優しさを感じていくベル。野獣に好意を持ち始めるの。野獣も、ベルのことを愛してしまう。そして、ベルは野獣からプロポーズをされる。
そのタイミングで、ベルの父親が病床に臥せってしまう。「一週間だけ家に帰してほしい」と野獣にお願いすると「もう帰ってこなくていい」って野獣は言ってくれるの。「ずっと父親のそばにいなさい」って。そこからベルは父親の看病をして、父親の体調も回復させた。でも、ベルの心は晴れないまま。野獣のことを何度も思い出すの。ベルはけっきょく、おそろしい顔の野獣の城に戻ることを選んだ。
城には弱りきった野獣がいた。
ベルは野獣を抱き起こし、力いっぱい抱きしめるの。なんだか、思い出したら涙が……。
ベルはこう言うのよね。「あなたを愛しています」って。すると、野獣にかけられていた呪いが解けて、野獣は本来の美しい若者の姿に戻るの。そしてふたりの真実の愛を確認しあう。ラストは誓いの口づけを……
――誓いの口づけ!?
桃ちゃん、もしかしてこれが狙いなの!? 桃ちゃんを見ると、こちらを見て得意げに笑った。
高速で動かしていた私の脳内のコンピューターはオーバーヒートしそうなくらいの熱をもっている。恥ずかしさ、理性は消え去って、考えるより先に行動してしまう。
――私は席から立ち上がり、その勢いのまま肩から指の先まで、ピンと天井に向かって伸ばした。
「私も、ベル役に立候補します!」
この時期のロングホームルームなので、今回の授業ではなにをするのか生徒のほとんどは予想がついている。
そろそろ文化祭について話し合う時期だ。
私たちの花鳥中学校の文化祭は市内でもけっこう有名な催しになっている。
ちょっとした出店も出るし、各クラスが劇や合唱・ダンスなど色々なことに取り組むのでちょっとしたお祭りのようになるのだ。地元のケーブルテレビも取材しに来るし、学校をアピールするいい機会なので、先生たちも気合いが入るイベントになっている。
クラスメイト達は早くもそわそわしている。それぞれやりたいこと、やりたくないことがあるから当然だ。
担任の熊谷先生がざわざわしている生徒を咳払いで静かにさせる。
「――ぅおっほん! お前らも気づいているとは思うが、もうすぐ文化祭だ。今日はうちのクラスの出し物をどうするか決める。アイディアのあるやつはどんどん言ってくれー」
「たこ焼きは?」
「出店はクラスでは無理でしょー。毎年大人しか出してないはずだよ」
「去年先輩がバンドしてたけど」
「それは個人で申請するやつ」
「やっぱり今はあのダンスグループのやつがいいと思う」
「絵やイラストの展示もよくない?」
アイディア出しと意見交換が同時に行われて、全然まとまりがない。
がやがやと騒がしいけれど、熊谷先生はそのなかの言葉をうまく拾い上げて黒板に書いてくれる。
――パンッ。
手を叩いてみんなの注目を浴びたのは、桃ちゃんだった。
「あたしはね、劇がいいと思う!」
熊谷先生は自分の顎を触りながら、興味深そうにしている。
「ほー、兎沢、具体的にいい案があるのか?」
「はい。あたし、すっごく感激した演劇があったんです。もともとは童話なんですけど、みんなも知ってると思います。“美女と野獣”の劇なんてどうですか!?」
「おお、それはいいな! 先生も見たことあるんだけど、あのラストには感動してなぁ」
……先生がこういう反応になれば、たいてい流れはできてくる。ましてやあの桃ちゃんだ。
桃ちゃんは教室をぐるりと見渡すと、にっこり微笑んだ。
「みんなも、美女と野獣いいと思わない?」
その一言で、ほとんどの男子が「うんうん!」と頷いている。
ここまで来たら、出し物は決まったも同然だった。
飛鳥ちゃんの方を見ると。苦笑いしている。桃ちゃん、男子に人気だからね……。
でも、美女と野獣の劇、大変だけどいい思い出になりそう。
そう思っていた私だったけれど、桃ちゃんの次の言葉に耳を疑った。
「それでね、先生……。劇のキャスティングなんですけど、美女のベル役は、もちろんあたしがしてもいいです。ただ……野獣役は鮫嶋くんがいいと思うんですっ」
「さ、鮫嶋が野獣!? いくら鮫嶋が極悪人のような顔をしているからって野獣は言い過ぎだ!」
いや、先生のが言い過ぎでしょ!!
「先生、なに言ってるんですか。鮫嶋くんは野獣……らしさもほんのちょっとはあるかもしれないけれど、王子様役にぴったりなの気づきませんか? 身長もクラスで一番高いです。すらっとした手足やスタイルが、まさに理想の王子様なんです!!」
「そう言われれば、いつもの雰囲気で気づきにくいけどたしかに……」
クラス中の視線が鮫嶋くんに集まる。
「まぁそうだよな……きりっとすらっとしてる」
「鮫嶋くんが野獣役なら、ほかのクラスからの注目も上がるんじゃない?」
「王子姿見たいかも」
悔しそうな顔をしている男子がちらほらといるが、女子の反応はまずまずだった。
鮫嶋くんは真顔で黒板を見たまま動かない。たぶん、反応に困っている気がする。
先生はまた顎を触りながらなにか考えている。
「野獣役、みんなも異論なさそうだし鮫嶋にお願いするか。あとは……」
私も鮫嶋くんの王子姿は興味あるけれど……。このまま決まったらどうなるんだろう。
私は頭のコンピューターが高速で動き出す。
たしか、美女と野獣の物語って――
ある商人がいて、その商人にはとても美しい娘のベルがいた。
ベルはその商人の父親にお土産としてバラの花を頼んだんだけど、仕事に失敗してしまったのよね。
バラを買うお金もなくなるくらいに失敗した商人は、道に迷ったあげくにおそろしい姿の野獣の住む城に辿り着いた。そこでもてなしを受けたにも関わらず、商人は城にある庭園から美しいバラをとってしまった。
それに気づいた野獣は激怒しちゃって、商人の命を奪おうとする。
商人は死ぬ前にもう一度だけベルに会わせてと野獣にお願いしたら、野獣が「いいだろう」って言う。命を奪おうとする割には優しいよね、野獣。
父親の話を聞いたベルは、自分が野獣の城に残るかわりに、父親を助けるようにお願いする。これも野獣は了承するのよね。やっぱ優しい。
こうしてベルは、野獣とふたりで暮らすことになるの。
一緒に暮らして野獣の優しさを感じていくベル。野獣に好意を持ち始めるの。野獣も、ベルのことを愛してしまう。そして、ベルは野獣からプロポーズをされる。
そのタイミングで、ベルの父親が病床に臥せってしまう。「一週間だけ家に帰してほしい」と野獣にお願いすると「もう帰ってこなくていい」って野獣は言ってくれるの。「ずっと父親のそばにいなさい」って。そこからベルは父親の看病をして、父親の体調も回復させた。でも、ベルの心は晴れないまま。野獣のことを何度も思い出すの。ベルはけっきょく、おそろしい顔の野獣の城に戻ることを選んだ。
城には弱りきった野獣がいた。
ベルは野獣を抱き起こし、力いっぱい抱きしめるの。なんだか、思い出したら涙が……。
ベルはこう言うのよね。「あなたを愛しています」って。すると、野獣にかけられていた呪いが解けて、野獣は本来の美しい若者の姿に戻るの。そしてふたりの真実の愛を確認しあう。ラストは誓いの口づけを……
――誓いの口づけ!?
桃ちゃん、もしかしてこれが狙いなの!? 桃ちゃんを見ると、こちらを見て得意げに笑った。
高速で動かしていた私の脳内のコンピューターはオーバーヒートしそうなくらいの熱をもっている。恥ずかしさ、理性は消え去って、考えるより先に行動してしまう。
――私は席から立ち上がり、その勢いのまま肩から指の先まで、ピンと天井に向かって伸ばした。
「私も、ベル役に立候補します!」
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