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先輩ジャーナリストの歓迎レポート
2-3 広報官オリバー
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「エリシオ、落ち着いて」
トーンを落とした声で注意を促すとともに、違う意味の注意を顎をつかって表現した。
店のエントランス。
肩に房飾りのついた軍服姿の男が二人。店の扉をあけて、背筋を伸ばしてやってくる人物にむかって敬礼している。
その敬礼に応える返礼をして店に立ち入る若い金髪の男。
その様子をつぶさに観察しているエリシオの姿と思わず見比べながら、エルは苦虫を潰したような顔でエリシオに断りをいれる。
「あれ、オリバーでしょ。わたしは呼んでないからね」
腕を組んで思わず目つきも悪くなって、不満をあらわにする。
ぱりぽりと食べていた乾燥パスタを慌てて酒で流し込む。
やがて、軍服姿の身なりのいい金髪の青年はエルの姿に気づき、まっすぐにやってきた。微笑を携えて。
「やだ、オリバーじゃない。久しぶり!」
さっきまで舌打ちしていたとは思えないほど、明るく声をかける。
「やあ、フローラ。それに見習い記者のエリシオくん」
嫌味を含んだ言い方をして、オリバーはエリシオの肩をたたく。
エルはフローラと呼ばれた瞬間から、笑顔が消えた。
真顔で酒を飲む。
二人でなにやら話しているが、どうせオリバーがマウントをとろうとしているだけだろう。
「エリシオ、君は何を知っている。皇太子殿下にあんな口を聞いた以上はネタがあるんだろうな。ああ、酒はグラスでいい、まだ勤務がある。すぐに出ていくよ」
エリシオを問いただしながら、通りがかったエプロン姿の若い売り子の女の子に注文する。
「わざわざそんな話を聞きに? それに、よくこの店わかったね」
どうせこんな店には知り合いは来ないだろうとエルは踏んだのだが。
その選択がよろしくなかったと失敗の腹いせに二杯目をあおる。
「社では一通りの話が済んだ。エリシオから直接話が聞きたいと思ってね」
いきつけを聞いたらここだと教えられという。
「それにフローラに謝らなければいけないことがある」
頬杖をつき、エルはほのかに赤く染まった頬を膨らます。
「いいよ、その話は。あのオヤジ、あたしの居場所を点数稼ぎにしたわね」
オヤジという言葉にエリシオは誰だかわかったようだ。
「まずはフローラ。すまなかった」
オリバーは脱帽し、頭を下げる。
いきなりの行為にエルは目を丸くした。
それでも頬杖をついてそっぽを向く。
「……だから、その話はいいって」
エリシオは話がみえないらしく、頭にクエスチョンがついているようだった。
「なにがあった聞いていいかな」
自信なさげにエリシオが説明を求めるが、エルは露骨に表情をゆがめる。
代わりにオリバーが説明しようと口をあけたとき、エルは魚のフライをつっこんだ。
彼はむぐっと一瞬固まるが、冷静にもぐもぐと咀嚼し、手にしたグラスをあおる。
ふー、と息をつき、なぜか気持ち悪いほど笑顔だ。
「懐かしいよ、この感じ。学生時代を思い出す」
ハンカチで口元を拭きながら、オリバーはつぶやく。
「わたし、学生時代もエルの名前つかってたんだけど、忘れたかな。優等生のオリバーくん」
「ああ、そうだったね。フローラ」
がくっとエルの頬杖が崩れる。
「うちの居候が粗相したってきいたけど、文句があるならわたしがきく」
不機嫌さが増して、ついにケンカを売るように啖呵を切る。
「違うんだ。情報を持っているなら教えてほしいというだけだ。どうなんだ、エリシオ。同窓のよしみで教えてほしい」
エリシオはオリバーに向き直る。
エルとしては何があったか知らないが、オリバーが皇太子付きの広報官に出世したのは知っている。
わざわざここまでやってくるとはそうとう妙なことをエリシオが言ったのだろう。
エリシオは持論を聞いてもらえてうれしいのか、にやっと笑い、胸をおさえて語りだす。
「まずは鉄道強盗事件だ」
エリシオが語るには、新聞のベタ記事になるような小被害の鉄道強盗事件がきっかけだという。
汽車による貨物輸送は帝国陸運が仕切っている。だが、その組織は巨大すぎて末端までいくと、町の労働者と大差ない。貨物鉄道が原野で強盗に襲われ、荷物を奪われることはしばしばあるが、最近では汽車の性能が上がり、馬に拳銃程度では汽車はびくともしないし、乗り移れるほど遅い乗り物ではない。逆にとんでもない加速にはじきとばされるのがオチだ。さらに運ぶ貨物自体が多すぎるのも泥棒からすればでかすぎる獲物となって、鉄道強盗は下火となっていた。
だが、そこに目を付けた連中がいたとエリシオは力説する。
まずは線路上に倒木を置いて、鉄道を停めたのちに、狙いの貨物を奪う。
この事件のポイントは奪われたものが金塊であるとエリシオは目を輝かせて言う。
そんな大層なものを運ぶなら狙われるに決まっているから、穀物を運ぶ列車と書類上は偽装されていた。
強盗団はそれを奪っていった。唯一抵抗した男性一人が死亡。あとは軽傷。
書類上は穀物となっているから、報道は芋泥棒と笑って終わりだった。
真相は、違うとエリシオは得意げだ。
「これは政府の裏金を、没落貴族とレジスタンスが奪った事件なんだ」
この金塊を資金源にレジスタンスは勢力を拡大する。
仕切っていたはずの没落貴族は利用されただけだ。
表沙汰にしたものなら本当の意味で首が飛び、泣き寝入り。事件は表には出ない。
エリシオの話は長く、そこからの経緯が延々と続いたが、エルは一言で省略した。
「ようするに、そのレジスタンスたちが帝都で暗躍するんじゃないかって話?」
にわかに信じられない話だが、どんな反応をしたらよいか。
反応に迷っていると、向かいに座る皇太子付きの広報官、学生時代から秀才とうたわれたオリバーが眉間にしわをよせ、腕を組み、厳しい顔をしている。
切れ長の目がクールと評判でそれこそ目鼻かたち整って美形とも評判で、その美形の顔が台無しだ。
オリバーのこの反応からすると、あながちウソではないとエルは読んだ。
思わず生唾を飲み込んでしまった。エリシオの妄想が現実に近い話だとあまり思いたくない。
「この話に証言者はいるのか」
オリバーが冷静に質問する。
「ああいる。鉄道強盗事件の被害者の息子だ……その計画に……反対……」
「反対?」
だんだんとエリシオとオリバーとの話になってしまった。
今回はオリバーが本気で付き合ってくれているからエリシオも楽しいだろうと、エルはそのやり取りを見て微笑みすら浮かべた。
おおかた、この話を政治部の編集長にぶちまけて、いや、オリバーが出てきてるところをみると、皇太子殿下に失礼なことを言ったに違いない。
命知らずも大概だが、エリシオらしいとも思う。
乾燥パスタをまたつまみ出し、一人でちびちびとビールのおかわりをいただく。
政治部では扱いきれないのもわかる話だが、もしかすると、と別の意味がひらめいた。
「ほう……面白いな。殿下の耳にいれておくかはともかく」
「オリバーは妄想とは言わないんだね」
「妄想……?」
オリバーは怪しく笑う。
「真実は案外妄想みたいなものだ。覚えておくんだな、居候くん。さてそろそろ次の予定に向かうか。邪魔したな」
いつの間にか運ばれていたグラスを飲み干し、彼は同じ金髪頭のエリシオに紙幣を握らせていた。
お代にしては多すぎる。
「高給取りは違うねえ」
と思わずエルがつぶやくも二人はまるで聞いてない。
オリバーはおつきの兵隊を引き連れて店を出ていくのを軽く手を振って見送ると、エルの手振りには珍しく笑顔を見せた。彼が出ていったあとはいつもの店の喧噪が響いた。
「あーあ、興が削がれちゃったな」
エルはため息一つ。
ふふっとエリシオは笑う。
「オリバーはエルに会いたくてここまで来たんじゃないかな」
はあーとエルは呆れるようにのけぞるもまたため息をつく。
「それは妄想だよ、居候くん。どう考えても君のやったことの火消しにまわってるんじゃない」
なにをやったのかは知らないけど。
「エリシオの話をまともに受けられるのはきっと、わたしたちだけだと思うよ」
どこまでが本当なのかはわからないけれど、彼の話をもうちょっと聞いてあげよう。
今夜はなんだか優しくなれる気がした。
トーンを落とした声で注意を促すとともに、違う意味の注意を顎をつかって表現した。
店のエントランス。
肩に房飾りのついた軍服姿の男が二人。店の扉をあけて、背筋を伸ばしてやってくる人物にむかって敬礼している。
その敬礼に応える返礼をして店に立ち入る若い金髪の男。
その様子をつぶさに観察しているエリシオの姿と思わず見比べながら、エルは苦虫を潰したような顔でエリシオに断りをいれる。
「あれ、オリバーでしょ。わたしは呼んでないからね」
腕を組んで思わず目つきも悪くなって、不満をあらわにする。
ぱりぽりと食べていた乾燥パスタを慌てて酒で流し込む。
やがて、軍服姿の身なりのいい金髪の青年はエルの姿に気づき、まっすぐにやってきた。微笑を携えて。
「やだ、オリバーじゃない。久しぶり!」
さっきまで舌打ちしていたとは思えないほど、明るく声をかける。
「やあ、フローラ。それに見習い記者のエリシオくん」
嫌味を含んだ言い方をして、オリバーはエリシオの肩をたたく。
エルはフローラと呼ばれた瞬間から、笑顔が消えた。
真顔で酒を飲む。
二人でなにやら話しているが、どうせオリバーがマウントをとろうとしているだけだろう。
「エリシオ、君は何を知っている。皇太子殿下にあんな口を聞いた以上はネタがあるんだろうな。ああ、酒はグラスでいい、まだ勤務がある。すぐに出ていくよ」
エリシオを問いただしながら、通りがかったエプロン姿の若い売り子の女の子に注文する。
「わざわざそんな話を聞きに? それに、よくこの店わかったね」
どうせこんな店には知り合いは来ないだろうとエルは踏んだのだが。
その選択がよろしくなかったと失敗の腹いせに二杯目をあおる。
「社では一通りの話が済んだ。エリシオから直接話が聞きたいと思ってね」
いきつけを聞いたらここだと教えられという。
「それにフローラに謝らなければいけないことがある」
頬杖をつき、エルはほのかに赤く染まった頬を膨らます。
「いいよ、その話は。あのオヤジ、あたしの居場所を点数稼ぎにしたわね」
オヤジという言葉にエリシオは誰だかわかったようだ。
「まずはフローラ。すまなかった」
オリバーは脱帽し、頭を下げる。
いきなりの行為にエルは目を丸くした。
それでも頬杖をついてそっぽを向く。
「……だから、その話はいいって」
エリシオは話がみえないらしく、頭にクエスチョンがついているようだった。
「なにがあった聞いていいかな」
自信なさげにエリシオが説明を求めるが、エルは露骨に表情をゆがめる。
代わりにオリバーが説明しようと口をあけたとき、エルは魚のフライをつっこんだ。
彼はむぐっと一瞬固まるが、冷静にもぐもぐと咀嚼し、手にしたグラスをあおる。
ふー、と息をつき、なぜか気持ち悪いほど笑顔だ。
「懐かしいよ、この感じ。学生時代を思い出す」
ハンカチで口元を拭きながら、オリバーはつぶやく。
「わたし、学生時代もエルの名前つかってたんだけど、忘れたかな。優等生のオリバーくん」
「ああ、そうだったね。フローラ」
がくっとエルの頬杖が崩れる。
「うちの居候が粗相したってきいたけど、文句があるならわたしがきく」
不機嫌さが増して、ついにケンカを売るように啖呵を切る。
「違うんだ。情報を持っているなら教えてほしいというだけだ。どうなんだ、エリシオ。同窓のよしみで教えてほしい」
エリシオはオリバーに向き直る。
エルとしては何があったか知らないが、オリバーが皇太子付きの広報官に出世したのは知っている。
わざわざここまでやってくるとはそうとう妙なことをエリシオが言ったのだろう。
エリシオは持論を聞いてもらえてうれしいのか、にやっと笑い、胸をおさえて語りだす。
「まずは鉄道強盗事件だ」
エリシオが語るには、新聞のベタ記事になるような小被害の鉄道強盗事件がきっかけだという。
汽車による貨物輸送は帝国陸運が仕切っている。だが、その組織は巨大すぎて末端までいくと、町の労働者と大差ない。貨物鉄道が原野で強盗に襲われ、荷物を奪われることはしばしばあるが、最近では汽車の性能が上がり、馬に拳銃程度では汽車はびくともしないし、乗り移れるほど遅い乗り物ではない。逆にとんでもない加速にはじきとばされるのがオチだ。さらに運ぶ貨物自体が多すぎるのも泥棒からすればでかすぎる獲物となって、鉄道強盗は下火となっていた。
だが、そこに目を付けた連中がいたとエリシオは力説する。
まずは線路上に倒木を置いて、鉄道を停めたのちに、狙いの貨物を奪う。
この事件のポイントは奪われたものが金塊であるとエリシオは目を輝かせて言う。
そんな大層なものを運ぶなら狙われるに決まっているから、穀物を運ぶ列車と書類上は偽装されていた。
強盗団はそれを奪っていった。唯一抵抗した男性一人が死亡。あとは軽傷。
書類上は穀物となっているから、報道は芋泥棒と笑って終わりだった。
真相は、違うとエリシオは得意げだ。
「これは政府の裏金を、没落貴族とレジスタンスが奪った事件なんだ」
この金塊を資金源にレジスタンスは勢力を拡大する。
仕切っていたはずの没落貴族は利用されただけだ。
表沙汰にしたものなら本当の意味で首が飛び、泣き寝入り。事件は表には出ない。
エリシオの話は長く、そこからの経緯が延々と続いたが、エルは一言で省略した。
「ようするに、そのレジスタンスたちが帝都で暗躍するんじゃないかって話?」
にわかに信じられない話だが、どんな反応をしたらよいか。
反応に迷っていると、向かいに座る皇太子付きの広報官、学生時代から秀才とうたわれたオリバーが眉間にしわをよせ、腕を組み、厳しい顔をしている。
切れ長の目がクールと評判でそれこそ目鼻かたち整って美形とも評判で、その美形の顔が台無しだ。
オリバーのこの反応からすると、あながちウソではないとエルは読んだ。
思わず生唾を飲み込んでしまった。エリシオの妄想が現実に近い話だとあまり思いたくない。
「この話に証言者はいるのか」
オリバーが冷静に質問する。
「ああいる。鉄道強盗事件の被害者の息子だ……その計画に……反対……」
「反対?」
だんだんとエリシオとオリバーとの話になってしまった。
今回はオリバーが本気で付き合ってくれているからエリシオも楽しいだろうと、エルはそのやり取りを見て微笑みすら浮かべた。
おおかた、この話を政治部の編集長にぶちまけて、いや、オリバーが出てきてるところをみると、皇太子殿下に失礼なことを言ったに違いない。
命知らずも大概だが、エリシオらしいとも思う。
乾燥パスタをまたつまみ出し、一人でちびちびとビールのおかわりをいただく。
政治部では扱いきれないのもわかる話だが、もしかすると、と別の意味がひらめいた。
「ほう……面白いな。殿下の耳にいれておくかはともかく」
「オリバーは妄想とは言わないんだね」
「妄想……?」
オリバーは怪しく笑う。
「真実は案外妄想みたいなものだ。覚えておくんだな、居候くん。さてそろそろ次の予定に向かうか。邪魔したな」
いつの間にか運ばれていたグラスを飲み干し、彼は同じ金髪頭のエリシオに紙幣を握らせていた。
お代にしては多すぎる。
「高給取りは違うねえ」
と思わずエルがつぶやくも二人はまるで聞いてない。
オリバーはおつきの兵隊を引き連れて店を出ていくのを軽く手を振って見送ると、エルの手振りには珍しく笑顔を見せた。彼が出ていったあとはいつもの店の喧噪が響いた。
「あーあ、興が削がれちゃったな」
エルはため息一つ。
ふふっとエリシオは笑う。
「オリバーはエルに会いたくてここまで来たんじゃないかな」
はあーとエルは呆れるようにのけぞるもまたため息をつく。
「それは妄想だよ、居候くん。どう考えても君のやったことの火消しにまわってるんじゃない」
なにをやったのかは知らないけど。
「エリシオの話をまともに受けられるのはきっと、わたしたちだけだと思うよ」
どこまでが本当なのかはわからないけれど、彼の話をもうちょっと聞いてあげよう。
今夜はなんだか優しくなれる気がした。
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