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 押し倒した後は以外と冷静だった。時間を確認することも忘れなかった。ミーナの迎えが来るまでまだ時間はある。そう思ったことを覚えている。

 ジーナさんにはとても大きな貸しがあった。それを最大限に利用して(脅したと言う方がしっくりくるかな?)今、僕は学校に行っている事にしてある。

(後日、ジーナさんは疲れた顔で「これ以上私を利用しないで」と怒ってた)

 迎えの時間はジーナさんが調べてくれたし、動きがあったら連絡を入れてくれる手筈になっている。

 ベットにもつれ込んだ後…ミーナは僕の予想とは裏腹に、全く抵抗して来なかった。
 何度もキスをしながら、制服のシャツを脱ぐとミーナの服に手をかけた。
 ミーナのブラウスのボタンをはずす手が、少し震えていたかもしれない。今日から会えなくなる寂しさと…緊張と…ほんの少しの罪悪感。

 1つ…2つ…と外していくと、白くて柔らかい胸元が想像していたよりずっと綺麗で…完全に理性が吹っ飛んだ。
 ミーナの背中に手を回して慣れない手つきで、ホックを外すと豊かな胸が露わになった。
 夢中でその頂きに吸い付くと、舌を当てて何度も感触を味わった。もう片方の胸を荒々しく掴むと、指が沈む位柔らかくて…更に僕を煽ってきた。

「…っん…っ…」

 恥ずかしそうに、顔を覆うミーナから、吐息と共に微かな熱い声が漏れた。

ふ…と漏れた今まで聞いたこともない甘い声に、胸が締め付けられる。もっと声が聞きたい…。

 口の中で硬くなる頂きを軽く噛んで、舌先でチロチロと弄ぶと、ミーナの腰が浮いた。腕を僕の首に巻き付けて、『もっと』とでも言うかのように柔らかい胸を押し付けてきた。
 耳元にはぁはぁと荒い吐息がかかる。胸から手をフレアスカートの裾から太ももを撫でた。そのまま手を足の付け根まで這わせると、下着のレースを指でなぞった。
 次に僕がやろうとしていることに気付いたミーナは、閉じようと足に力を入れた。

「イリ…ヤ…待って…」

 顔を上げるとミーナは潤んだ瞳で顔を赤らめながら僕を見つめていた。

「…本当に…待って欲しいの?」

 焦らすように…下着の上からじっとりと濡れている割れ目に指を当てる。ミーナは恥ずかしそうに無言で目を逸らして、ビクっと肩を震わせた。
 
「こんなに濡れてるのに…?」

 唇をキツく結んだまま、僕に見られないよう必死に顔を隠す…。その仕草が可愛くて、思わずフッと笑って意地悪を言ってしまった。強張らせていた足の力が抜けていく。涙目のミーナにキスをすると、そのまま蜜口指を挿れて中を撫でるようにクュチクュチと動かした。

「はっ…あ…ん…」

 重ねた唇の隙間から吐息と共に喘ぎ声が溢れる。
 柔らかい唇を十分に堪能した後、舌を白い首筋へと動かし、もう一度豊満な胸へと顔を埋めた。可愛いピンク色の頂きに舌が触れる度に、「あ…」という声が漏れて、中の指をキュッと締め付けて来る。

ーあぁ、ミーナの良いところはここなんだ。そう、確かめるように何度も舌を這わせた。
…忘れないように、体に刻み込むように何度も。
 静かな病室に僕達の荒い息遣いが響いて大きく聞こえた。
 もう、我慢なんて出来なかった。余裕無くスラックスを脱ぎ捨てると、硬くなった自分のそれを押し挿れた。

「…っはっん…」

 と、さっきよりももっと甘い声を出すミーナに、それだけですごい快感だった。すぐにでも果てそうになるのを、必死で止めた。
 まだミーナの中に居たい。繋がっていたい。もっと奥に挿れたい。

僕を忘れないで欲しい…。

ミーナにも、僕を覚えてて欲しい。

会えない時も僕を思っていて欲しい…。

そんな事を考えながら、片脚を持ち上げると更に深く突き挿れた。それと同時に…ミーナも離れたく無いと言っているように…中がギュッと吸い付くように締め付けられた。

「っっ!…ミーナっ…締め付け…キツっ…」

 何度もミーナに身体を打ち付けると、パチュパチュといやらしい音が響き渡った。
 抱えていた足を下ろすと、今度は細い腰のくびれに手を添えてグッと引き寄せた。
 更に激しく腰を打ちつけると、豊満な胸が、僕の動きに合わせて激しく揺れる…その柔らかい胸に唇を落とすとミーナの腰が跳ね上がった。

「あ…ん…っ…!!」
 
 ミーナは達したのか、震える腕で僕の背中に手を回してきた。僕の肩に顔を埋めたまま、泣いている様だった。

「イリヤが好き…」

 震える小さな声でそう呟いた。僕はミーナの震える肩を強く抱き締めると、ずっと言いたかった言葉を口にした。

「…ミーナ…僕を信じて…必ず迎えに行くから…」

 たくさん言いたい事があったけど、それしかでて来なかった。涙目のミーナはコクリと頷いた。

 ーーミーナが頷くのを確認すると、座位の体制で下から強く突き上げた。

「や…っ…イリヤ…!?」

 このタイミングで?!とでも言いたそうな、ミーナの顔を満足気に眺めた。ミーナが初めて僕の事を好きだと言ってくれた喜びが、今は離れてしまう悲しさを上回った。

 声が漏れない様に必死で指を咥えて堪えているミーナの蕩ける様な顔…。

(すごくエロい)

 この顔も忘れない様に目に焼き付けておく。

「ミーナ…っっ…出す…」

 荒々しく腰を引き寄せると、ミーナの中に精を放出した。ドクドクと出来るだけ奥に届く様に。僕の事を忘れない様に思いを込めて…。


***

 その後…国王は僕を警戒してミーナの居場所を転々とさせていたし、僕への監視の目も厳しかった。

 そんな事どうでも良かった。僕の計画では、この国にとって無くてはならない人物になってからミーナを迎えに行こうと思ていたから。

(というか、国王からも信頼の厚いジーナさんがミーナのお目付け役だったから…居場所は知っていた)

 手始めに、ミーナから渡されたイーターの資料を元に『ガーディアン』を作った。
 ガーディアンは、イーターの国王軍との戦いを想定した傭兵部隊だ。育成から階級の設定など僕が詳細を決めた。ブルームンだけでは無い。他国の分校の設営提案、イーター国王軍との共闘の制約。
その他色々な取り決めは全部僕が中心となって行った。

 実際にイーターに攻め入られた部族や国に助けを求められたら、ガーディアンの隊長として僕も戦いに参加した。
 もちろん、ガイア君やオスカもブルームンの国王軍として、イーター国王軍と最前線で戦ってくれていた。

 外交の上でも僕への信頼は厚く、ブルームンの王として認められて行った。
 全てはミーナの為。認められる為だった。
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