セイレーンのガーディアン

桃華

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日常への帰還

9.好きなところ(ユリア)☆

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 「可愛い。声が綺麗。すぐ照れる。優しい。素直。料理上手。いい香りがする。律儀。すぐ泣く。他人に激甘(特にゼル)。鈍感。子供の頃から成長してないところも好き…あと…」

「……ありがと。もう満足です……」

 ベッドの上で、向かい合いながらレイは照れもせずにずっと言ってくれている。
 本当にずっと言ってくるから、覆い隠した顔から手を外せない。

 鈍感とか…成長してないとか…最後の方は、ほぼほぼ悪口だったけれど。

「まだあるけど?…結構欲しがり。毎回…すごい煽られる」

「もう…いいってば!!」

 そんなこと言いながらも、レイは愛おしそうに私を見つめているから…視線に簡単にやられてしまう。

「そうやって顔を覆う仕草も好き」

 そう呟いてレイは私のことを抱き寄せた。切れ長の真紅の瞳が、私を見つめる時だけ甘く優しくなるのを知っている。
 少し長い睫毛も、毛穴ひとつないきめ細やかな肌もその薄い唇も…。まだ見慣れてなくて、綺麗すぎて毎回悶える。
 指の隙間から見つめる私の視線に気付いて、意地悪な笑みを浮かべてる。

「顔隠してるくせに視線合うとか…。俺のことどれだけ好きなんだよ」

 レイを助ける為なら禁止された力だって使う位に好きだけど。今それを言ったら、もっと何か言われそうだから絶対に口にしない。

「もう……そうやってからかってなよ…」

 レイの腕に抱かれながらくるりと背を向けた。顔が真っ赤に染まった顔を見られたら、また揶揄われてしまうから。ちょっとした悪あがき。
 
「ひぁっ…っ!」

 背中を向けたその首筋に、いきなりねっとりと舌を這わせるから…。思わず声を上げて飛び上がった。

「顔真っ赤…。首弱い…そこも好き。可愛い」

 寝転んだまま余裕で笑うレイは、真っ赤になった私の頬に手を伸ばした。 
 可愛いなんて言って、そうやって優しく触れてくれるから。期待して身体の中心がキュンとなる。

(あ…この感じ…久しぶりだ…)

 最後にしたのは病院だった。忙しくて、二人きりで会えるのなんて眠った後だったし。レイが疲れてることを知ってたから我慢してたし。

(……今日は…いいよね?無理してないよね?)

 なんて、思いながらそっと瞳を閉じた。
 まるでそれが合図かのように唇が重なる。頬の手は後頭部にまわり、そのままベッドに崩れ落ちた。
 身を捩りながら脚をからませて、私の頭を抱えこむ。後頭部にまわされたその手は、深いキスへと私を導いていく。
 吸い付きながら舌を甘噛みする。その刺激で、まだ触られてもいないのにじんわり濡れてしまった。

 器用に私の身体に覆い被さると舌を絡ませながら、ルームウェアを捲し上げて胸の膨らみを揉みしだく。

「ん…っ……っ」

 口の端から漏れた声。温かい手の感触だけで「ふっ…」と幸せなため息が漏れる。
 そんな私を盗み見て、レイは蕩けた表情で微笑んだ。

 銀糸を繋げながらその唇を離すと、首筋から舌を這わせて胸の頂きにその唇を落とした。
 乳房を下から掬い上げるように鷲掴みにして、貪るように頂きに吸い付き『ちゅ』と言う音を響かせる。

「ふっ…や…っあっ…だめ…ぁっあぁ…んっ…」

 私は悶えるように背中を反らせて身体を押し付けると、両腕をレイの首に巻きつけて、頭を抱き寄せた。

「ちゅぅっ…はぁ…っ…何…?まだ足りない…?」
「やっ…ちがぅ…っ……まって…」
「またないよ…」

 クスりと笑い、舌先で胸の頂きをチロチロと嬲る。もう片方は勃ち上がったその頂きを指で弾いて弄ぶ。
 止まってくれないから…。喘ぐ声を我慢できない。抱え込んだレイの艶やかな黒い髪は、私の手の中でくしゃっと乱れた。
 絡めた足に力が入る。胸だけなのに、蜜口から愛液が溢れる。

「……いつもより感度いい」

 頂きを嬲りながら胸に吸い付いたままで、レイは満足そうに『フッ』と息を吐いた。

「久しぶりだから?」

 顔を真っ赤にしながらこくりと首を縦に振った。

「っ……素直…ユリアのそういうところが可愛いくて、すごい好き…」

 レイは胸から唇を離すと、半身を起こしてはぁはぁと小刻みな息を吐く私の髪を撫でた。

(私も…そーゆーとこ…好き)

 少し照れて伏目がちになる。その視線が好き。優しく撫でるその手が好き。…まぁ…全部が好きだけど。

「服ぬがせるから腕上げて…?」

 言われるままに腕を上げると、レイはまた「可愛い」と耳元で呟いて微笑む。

 するりと私の身体から服を取り去ると、吸われた方の頂きが熱を帯びて、紅く染まっているのが露わになった。
 その光景がまた煽る。期待して身体がまた熱っていく。身体の上で、レイも同じように服を脱いでいく。
 見上げた顔は高揚していて…。息も荒くて…。見つめたままで微笑んだ。

「何…?」

(バレた…)

 ゴムを着けていたレイは、ボトムスを脱いで怪訝な顔を見せた。

「…顔赤いなって…」
「……うん…だって余裕ないから…」

 耳元で辛そうに囁く声と、太腿にあたる硬いモノの感触。
 人のこと言えないくらいに素直だし。「知ってるよ?」なんて笑いながら、レイの身体に腕を回して引き寄せた。合わさる身体から熱が移る。

 身体を伝って降りていくその手は、下肢へと降りていき筋をなぞると、蜜口に指を差し入れた。

「は…ぁっ…ぅん……っ……」

くちゃくちゃと音を響かせながら、中をかき混ぜる指の感触。身体がビクッと震えて腰が揺れる。その指を止めると、中の一点をぎゅっと押した。

「あぁっーーーっ~~~っ!!!」

 足がガクガクと震えて頭の中が白くなる。腕のチカラが強くなる。しがみついて胸に顔を埋めた。温かい魔力が身体に流れ込んでくる。

「…っ…ゃ…だぁ…」

 荒い呼吸を繰り返す私を抱きしめながら、レイは満足そうに微笑んでいる。

「すご…イッた後…魔力制御早くなってる……」

(そんなこと分かるんだ……)

「じゃあ…もう我慢する必要ないか…」

 指にまとわりついた愛液を舌で絡み取りながらそう呟いた。

「ふ…ぇ…?」

 言葉の意味を考える間もなく足を肩へ担がれて、大きくなった棒を打ち付けた。
 レイはバチュバチュっといやらしい音が激しく響く。嬌声を上げる度に、ナカがキュンと締まる。そのナカを肉棒が抉るように動く。

「あつっ……溶けそ……」

 レイの息遣いが荒くなっていく。昇っていく紅い瞳が、苦しそうに歪んでいく。額から流れる汗と汗ばむ身体。余裕無くしたその表情にまたゾクっとして、身体の芯が熱くなる。

「あっ…あっ…や…っん…あっ…いっ……イっちゃ……」

「ん…っ扱くから…も…いく…」

「ぅっ…いいよっ…いぃ…あっ…あぁ…っ!!」

 声が漏れる。身体からチカラが抜ける。それと同時にレイの身体が震えた。ナカの棒がビクビクしてる。
 荒い息遣いを整えるように、熱い身体でレイが優しく抱きしめてくれる。目が合うと二人で微笑み合う。

(この時間…すごく好き…)

 精を注ぎ込まれた訳じゃ無いけれど。魔力は充分に注ぎ込まれた…。

(最近…私の考え方がやらしい)

なんて考えて一人で悶えた。
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