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キズナとキオク
10.傷痕(ユリア)
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国王と王妃はその日シュウに会えない理由や、イリーナ教官のことを、かいつまんで説明してくれた。
シュウの意識が戻ったのは2日前だということ。シュウはまだ自分の状況を受け止めきれていなくて、話しをできる状況じゃ無いと言うこと。
「…僕自身もあまりシュウと話せていないんだ。だから、これ以上は分からない。何か分かったらすぐに伝えるよ」
国王は頭を下げると力無く笑って話を続けた。よく見ると、国王自身の顔色も良くない。こんなに余裕のない表情を初めて見た気がする。
「シュウに誰にも会えないのは、真相を知る為情報は極力入れたくないから。だから護衛は最小限で、外部との面会を謝絶してる。アスカちゃん…分かってくれるよね?」
まだ腑に落ちてはいないけれど、どうにもならない事を悟ったのか、アスカは小さく頷いた。国王は「ごめんね」と呟いて、近くの椅子に座った。
(やっぱり疲れてる…)
さっきまで黙って見つめていたジーナは、イリヤを庇う気は無いけどと前置きをしたあと、アスカに言い聞かせるように話した。
「…シュウが心配なのは分かるけど、知ってるでしょう?あの画像のことも…国王達が今何て言われているかも」
意識が戻ったばかりの私には何も分からないけれど、アスカはそれを言われると俯いて小さく「分かってる」と返事をした。
「アスカちゃん、いつもシュウのことを気にかけてくれてありがとう。全て解決したら…会いに行ってあげてね?シュウも喜ぶから」
王妃は俯いたままのアスカに、優しく声をかけている。
「…ユリアちゃん…意識が戻ったばかりで、こんな話しをしてしまって…ごめんなさい。何も分からないわよね」
何が何だか分からず、黙り込んでいる私を見かねたのか、王妃が声をかけてくれた。
「体は大丈夫?」
王妃は悲しそうな…疲れたような顔をしている。アスカが黙り込んでしまう程の何かが起きたんだろう。
(そもそも私は、シュウの画像を見ていないから…)
聞きたいことはたくさんあったけれど、自分のことよりもユリアの身体を気遣う王妃達を、これ以上引き止めたくはなかった。
「大丈夫です!逆によく休んだんで、すごく元気です。…なので心配しないで下さい!」
ユリアが気丈に振る舞えば、振る舞うほどに王妃は悲しそうな顔で謝ってくる。そんな王妃を国王は引き寄せて、立ち上がった。
「みんな無理させてしまってごめんね。じゃあ、僕達はこの辺で行くけれど…何かあったら、いつでも遠慮なく連絡してね」
いつも通りに笑顔を見せながら、国王達は部屋を後にした。
ジーナさんはアスカの頭を撫でると、その後レイに大人しくしてるように、キツく言い付けた。そして、部屋を出ようとしたタイミングで思い出したかのように振り返って、ユリアを振り返った。
「そう言えば…ユリアちゃん、ガイアもシュウの護衛には回っているけれど、この病院に居るからね?」
「パパが?」
「ガイア昨日も空き時間は、あなたの病室にずっといたわよ。ただ、さっきも言ったけれど…シュウの護衛だから、シュウの尋問が終わるまでは、外部とのやり取りは禁止されてるの。あなたの意識が戻ったことは国王が伝えると思うから、もう少し待っててね?」
こんな時なのに顔が華やぐ。しばらく会って無かったし、パパは連絡をマメに入れる方じゃ無いから。生きてるかどうかすら怪しかった。「分かりました」と、にっこり笑って返事をすると、ジーナさんは微笑んだ。
「ユリアちゃんも無理しないようにね」
満足そうに言うと、足早に病室を去って行った。
「…行っちゃった…」
嵐のように現れて嵐のように去っていった。
アスカは何かを考え込むように立ち上がり「少し頭を冷やしてくるね」と言って、病院を後にした。
病室で2人きりになってしまった。さっきまでの喧騒が嘘のように静かになった。アスカを見送ると、チラリと視線をレイに移した。
「…左目…見えないの?」
「別に見えなくても困らないし。大したこと無いから」
さっきも『ハンデだ』なんて言ってた。それも心配させないように、言ってることくらい鈍感な私でも分かる。
「大したことあるよ」
天使族の治癒魔法には限界がある。傷を癒すことはできても、失われたものを元に戻すことは出来ない。レイの失われた綺麗な真紅の瞳はもう戻らない。
あの日…初めてレイと出会った時に、思わず見惚れてしまったあの瞳を…。いつも、優しく見つめてくれる眼差しを…私が奪ってしまった。
(あの時…レイは止めてくれてたのに)
涙が頬を伝い落ちる。拭っても拭っても溢れてくる。自分が弱かったせいで、大切なものを守れなかった。
「…ごめん…」
「何でユリアが謝るんだよ?」
レイは流れる涙を拭ってくれた。こんなことになったのに、私を責めることは無い。それは格好付けてとかでは無いことぐらい、まだ半年の付き合いだけれど分かる。
(でもね…時々不安になる…)
出会った頃から優しくて、レイにとって私は特別で…。それは幼い頃に私がレイを助けたからで…私にはその記憶はほぼ無い。
だからこそ、責めてくれた方がまだマシ。私にとっては出会ってまだ半年で…好きになったのは私の方で。それなのに、今の私はレイに何もしてあげられていない。
それどころか足を引っ張ってばかりで、挙げ句の果てに今回レイは私のせいで片眼を失ってしまった。
「見えない訳じゃ無いから…心配ない。何も問題も無いよ」
何か考え込んでいるときにするように、いつものようにレイはうつむく私の頬にそっと手を当てて顔を覗きこんだ。顔を上げると優しく微笑みながらも、いきなり頬をつねってきた。
「なっ…にゃに?(何?)」
両側から必要にムニムニ引っ張られて、普通に喋れないし。結構真面目な話しをしていたのに、強制的に変顔させられるし。
「良かった。全部綺麗に治ってる。そこは国王に感謝だな」
そう言いながら、頬から手を離すと今度は優しく撫でた。
「今ので傷が出来たかも」
わざと頬を膨らませて恨めしく睨んで見せた。
「本当だ。赤くなってる。責任とろうか?」
レイは屈託なく笑って、ごめんと謝ってきた。自分は片眼を失ってるくせに。
「…それはこっちのセリフだよ」
「じゃあ…責任取って、ユリアからキスしてよ。傷も痛みも全部忘れるぐらい濃厚なやつ」
こんな状態でも、そう言う冗談のような事を真剣に言ってみせる。
「…そんなことで許してくれるの?優しいね」
「そう?結構ハードル高いけど?まだ背骨くっついてないから」
いつも私を見透かしたように欲しい言葉をかけてくれる…。今だってそうだ。何も気にしてないように、あどけなく笑って見せるレイの余裕な顔を崩したい。
ベッドの上のレイに跨ると、首筋に腕を回す。見上げる真紅の瞳と目が合うと、微笑んで目を閉じた。
薄い唇を指でなぞって、そっと唇を重ねる。唇を舌でなぞり口内を弄り舌を絡ませると、もっと奥と言うようにレイの手が後頭部に回った。
荒くなる吐息と漏れ聞こえる水音に、クラクラしながらも奥に舌を絡ませて、吸い付いた。
今だけはレイが一生背負う傷も、昔の私のことも今は全て忘れさせたい。忘れて私だけを感じて欲しい。そんなことを思いながら。
「ん…痛くない?大丈夫…?」
乱れた吐息と口の端を伝う唾液を拭い、同じように呼吸を荒くしているレイと額を合わせた。
「…痛みなんて忘れてた…」
いつもよりも艶っぽい顔。頬は高揚してほんのり紅く染まってる。瞳も細めて余韻に浸ってるかのよう。
顔色ひとつ変えないレイが、そんな顔するなんてずるい。照れて固まる私をよそに、レイは背中に腕を回すと胸に顔を埋めた。
触れられたところが熱くなる。
「…本当は今すぐ抱きたいけれど…やめとく。ユリア…起きたばかりだし」
「…え…?」
予想外の言葉に、思わず固まってしまった。
(確かにレイ怪我してるし…動けないけれど、この流れは『する』流れじゃ…?)
「たまには、お預けもいいだろ?」
不敵に笑うレイにまたしても振り回されてしまう。固まる私の額に軽く口付けると、部屋に戻るよう促した。
促されるままに、病室を後にしたけれど…今夜はいろんな意味で眠れそうにない。
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「…僕自身もあまりシュウと話せていないんだ。だから、これ以上は分からない。何か分かったらすぐに伝えるよ」
国王は頭を下げると力無く笑って話を続けた。よく見ると、国王自身の顔色も良くない。こんなに余裕のない表情を初めて見た気がする。
「シュウに誰にも会えないのは、真相を知る為情報は極力入れたくないから。だから護衛は最小限で、外部との面会を謝絶してる。アスカちゃん…分かってくれるよね?」
まだ腑に落ちてはいないけれど、どうにもならない事を悟ったのか、アスカは小さく頷いた。国王は「ごめんね」と呟いて、近くの椅子に座った。
(やっぱり疲れてる…)
さっきまで黙って見つめていたジーナは、イリヤを庇う気は無いけどと前置きをしたあと、アスカに言い聞かせるように話した。
「…シュウが心配なのは分かるけど、知ってるでしょう?あの画像のことも…国王達が今何て言われているかも」
意識が戻ったばかりの私には何も分からないけれど、アスカはそれを言われると俯いて小さく「分かってる」と返事をした。
「アスカちゃん、いつもシュウのことを気にかけてくれてありがとう。全て解決したら…会いに行ってあげてね?シュウも喜ぶから」
王妃は俯いたままのアスカに、優しく声をかけている。
「…ユリアちゃん…意識が戻ったばかりで、こんな話しをしてしまって…ごめんなさい。何も分からないわよね」
何が何だか分からず、黙り込んでいる私を見かねたのか、王妃が声をかけてくれた。
「体は大丈夫?」
王妃は悲しそうな…疲れたような顔をしている。アスカが黙り込んでしまう程の何かが起きたんだろう。
(そもそも私は、シュウの画像を見ていないから…)
聞きたいことはたくさんあったけれど、自分のことよりもユリアの身体を気遣う王妃達を、これ以上引き止めたくはなかった。
「大丈夫です!逆によく休んだんで、すごく元気です。…なので心配しないで下さい!」
ユリアが気丈に振る舞えば、振る舞うほどに王妃は悲しそうな顔で謝ってくる。そんな王妃を国王は引き寄せて、立ち上がった。
「みんな無理させてしまってごめんね。じゃあ、僕達はこの辺で行くけれど…何かあったら、いつでも遠慮なく連絡してね」
いつも通りに笑顔を見せながら、国王達は部屋を後にした。
ジーナさんはアスカの頭を撫でると、その後レイに大人しくしてるように、キツく言い付けた。そして、部屋を出ようとしたタイミングで思い出したかのように振り返って、ユリアを振り返った。
「そう言えば…ユリアちゃん、ガイアもシュウの護衛には回っているけれど、この病院に居るからね?」
「パパが?」
「ガイア昨日も空き時間は、あなたの病室にずっといたわよ。ただ、さっきも言ったけれど…シュウの護衛だから、シュウの尋問が終わるまでは、外部とのやり取りは禁止されてるの。あなたの意識が戻ったことは国王が伝えると思うから、もう少し待っててね?」
こんな時なのに顔が華やぐ。しばらく会って無かったし、パパは連絡をマメに入れる方じゃ無いから。生きてるかどうかすら怪しかった。「分かりました」と、にっこり笑って返事をすると、ジーナさんは微笑んだ。
「ユリアちゃんも無理しないようにね」
満足そうに言うと、足早に病室を去って行った。
「…行っちゃった…」
嵐のように現れて嵐のように去っていった。
アスカは何かを考え込むように立ち上がり「少し頭を冷やしてくるね」と言って、病院を後にした。
病室で2人きりになってしまった。さっきまでの喧騒が嘘のように静かになった。アスカを見送ると、チラリと視線をレイに移した。
「…左目…見えないの?」
「別に見えなくても困らないし。大したこと無いから」
さっきも『ハンデだ』なんて言ってた。それも心配させないように、言ってることくらい鈍感な私でも分かる。
「大したことあるよ」
天使族の治癒魔法には限界がある。傷を癒すことはできても、失われたものを元に戻すことは出来ない。レイの失われた綺麗な真紅の瞳はもう戻らない。
あの日…初めてレイと出会った時に、思わず見惚れてしまったあの瞳を…。いつも、優しく見つめてくれる眼差しを…私が奪ってしまった。
(あの時…レイは止めてくれてたのに)
涙が頬を伝い落ちる。拭っても拭っても溢れてくる。自分が弱かったせいで、大切なものを守れなかった。
「…ごめん…」
「何でユリアが謝るんだよ?」
レイは流れる涙を拭ってくれた。こんなことになったのに、私を責めることは無い。それは格好付けてとかでは無いことぐらい、まだ半年の付き合いだけれど分かる。
(でもね…時々不安になる…)
出会った頃から優しくて、レイにとって私は特別で…。それは幼い頃に私がレイを助けたからで…私にはその記憶はほぼ無い。
だからこそ、責めてくれた方がまだマシ。私にとっては出会ってまだ半年で…好きになったのは私の方で。それなのに、今の私はレイに何もしてあげられていない。
それどころか足を引っ張ってばかりで、挙げ句の果てに今回レイは私のせいで片眼を失ってしまった。
「見えない訳じゃ無いから…心配ない。何も問題も無いよ」
何か考え込んでいるときにするように、いつものようにレイはうつむく私の頬にそっと手を当てて顔を覗きこんだ。顔を上げると優しく微笑みながらも、いきなり頬をつねってきた。
「なっ…にゃに?(何?)」
両側から必要にムニムニ引っ張られて、普通に喋れないし。結構真面目な話しをしていたのに、強制的に変顔させられるし。
「良かった。全部綺麗に治ってる。そこは国王に感謝だな」
そう言いながら、頬から手を離すと今度は優しく撫でた。
「今ので傷が出来たかも」
わざと頬を膨らませて恨めしく睨んで見せた。
「本当だ。赤くなってる。責任とろうか?」
レイは屈託なく笑って、ごめんと謝ってきた。自分は片眼を失ってるくせに。
「…それはこっちのセリフだよ」
「じゃあ…責任取って、ユリアからキスしてよ。傷も痛みも全部忘れるぐらい濃厚なやつ」
こんな状態でも、そう言う冗談のような事を真剣に言ってみせる。
「…そんなことで許してくれるの?優しいね」
「そう?結構ハードル高いけど?まだ背骨くっついてないから」
いつも私を見透かしたように欲しい言葉をかけてくれる…。今だってそうだ。何も気にしてないように、あどけなく笑って見せるレイの余裕な顔を崩したい。
ベッドの上のレイに跨ると、首筋に腕を回す。見上げる真紅の瞳と目が合うと、微笑んで目を閉じた。
薄い唇を指でなぞって、そっと唇を重ねる。唇を舌でなぞり口内を弄り舌を絡ませると、もっと奥と言うようにレイの手が後頭部に回った。
荒くなる吐息と漏れ聞こえる水音に、クラクラしながらも奥に舌を絡ませて、吸い付いた。
今だけはレイが一生背負う傷も、昔の私のことも今は全て忘れさせたい。忘れて私だけを感じて欲しい。そんなことを思いながら。
「ん…痛くない?大丈夫…?」
乱れた吐息と口の端を伝う唾液を拭い、同じように呼吸を荒くしているレイと額を合わせた。
「…痛みなんて忘れてた…」
いつもよりも艶っぽい顔。頬は高揚してほんのり紅く染まってる。瞳も細めて余韻に浸ってるかのよう。
顔色ひとつ変えないレイが、そんな顔するなんてずるい。照れて固まる私をよそに、レイは背中に腕を回すと胸に顔を埋めた。
触れられたところが熱くなる。
「…本当は今すぐ抱きたいけれど…やめとく。ユリア…起きたばかりだし」
「…え…?」
予想外の言葉に、思わず固まってしまった。
(確かにレイ怪我してるし…動けないけれど、この流れは『する』流れじゃ…?)
「たまには、お預けもいいだろ?」
不敵に笑うレイにまたしても振り回されてしまう。固まる私の額に軽く口付けると、部屋に戻るよう促した。
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