51 / 240
交わる過去
10
しおりを挟む
実戦の授業が始まっても、テルとレイは現れ無かった。二人でどこかへ行ってしまって戻ってこない。
「あの二人がサボりなんて珍しい」
イリーナ教官もそう言っているから、連絡もせずに授業に遅れているんだろう。
(何しているんだろ…?)
実戦の授業の場合は見本として、レイとテルが一番に呼ばれることが多いけれど…。今日はいないから、イリーナ教官は困っているようだった。
「仕方ない。今日はゼルからにしよう。課題のモンスターは、パワータイプのミノタウロスだし。得意だろ?」
クラスに入ったばかりだから、実力を見せる意味もあるんだろう。
「はい、得意ですよ」
呼ばれたゼルは、余裕の笑みでガラスルームの中に入った。警告音と共に、中にミノタウロスが投入される。
(まぁ…ゼル君は強いしね…)
始まった途端に攻撃してきたミノタウロスを、避けることもせず真正面から受けている。
すごい衝撃音。なのに全く効いてないようだ。
「痛そう…!」
「私達だったら大ダメージだけど、本人には効かないんだって…。痛く無いらしいよ?」
なんて、アスカが隣で呟いた。さっき、ゼルにあんな告白を受けたのにアスカは以外と冷静だ。
「ゼル君のさっきの告白…受けてあげないの?」
「…ユリア、いきなり…何言いだすの?」
「だって…さっきの『好き』は、多分本気だったよ?」
「……受けないよ。だって、私には好きな人がいるから」
「そうなの!?」
「そう…小さな頃からずっと好き」
そんな雰囲気を見せたことなんてないから、学校にはいない人なのかもしれない。ずっと大人の人かもしれないし…。シュウもパパのことが好きだったみたいだし。
(アスカが年上か…。ゼル君には悪いけど…。それはそれで合うかも)
「……このこと、シュウには内緒にしといてね?」
「え…?シュウは知らないの?」
「知らないよ…。知らない」
そう言うアスカは何故か寂しそうだった。幼い頃からずっと一緒で、一番の親友だけど知らないことだってあるんだ。
(だからこそ言えないこともあるのかも…)
私が小さく頷くと、アスカは咳払いをした。
「…そんなことよりゼルの見本。しっかり見ておかないとね?」
「…見ててもさ…あんなこと私にできると思う?」
「確かに。無理か」
ルーム内のゼルはひたすらに、ミノタウロスの攻撃を受けてる。避けたりしない。私があんなことしたらとっくに死んでる。
「ゼルすごいな。スピードが自分よりも上だって分かってる」
「……!?」
さっきまでいなかったテルがとなりにいる。びっくりして一瞬息が止まった。
「カウンターを狙ってるんだろ。そっちの方がゼルに向いてる」
素知らぬ顔をして、ゼルの戦いを見ているレイが言った。
(…遅刻したくせに!?!?)
その通りゼルはミノタウロスが攻撃してきた腕を取り、簡単に投げ飛ばした。
ミノタウロスが倒れ込んだ所にのしかかり、フルパワーで急所を殴りつける。断末魔が聞こえて終了した。
「ゼル、やっぱりすごいな。ミノタウロスの身体は鋼の身体と言われているのに、素手で一撃か…」
「何、暢気に言ってんの?二人とも遅刻だから。早くイリーナの所に行ってきなよ」
アスカは冷めた声で二人にそう言うと、立ち上がった。
「さぁ、次は私たち。早く行って終わらせようか?ユリア?」
しれっと言うアスカに頷き、私もその後を追った。
***
「今からガーディアン実戦大会に選抜された者を発表するから。呼ばれたら前に出て」
課題モンスターとの実戦が終わった後で、みんなはそう言った。
(大会の選抜…そういえばそんな話しをしていた気がする)
みんな就職に有利になることを知っているからピリついた空気になった。
「まずはAチーム」
みんなの息を呑む声が聞こえてくる。大会に選ばれるのは12人。早めに呼ばれた方が安心するのは分かる。
「テル・フォレスト」
「はい」
「レイ・ミシナ」
「はい」
「シュウ・ブルームーン」
「はい」
「アスカ・ミシナ」
「はい」
「ゼル・ディノ」
「はい」
クラスのみんなはやっぱりと言っている。私にとっても予想通り。
「ユリア・フォレスト」
「あ…はい!」
ここでまさか私が呼ばれるとは思ってはいなかった。慌てて前に出て思わずつまづいて転びかけた所を、レイに抱きとめられた。
ありがとうと言って立ち上がるとテルが、ダサっと言って笑っている。そんな声も届かない程に胸が高鳴った。
(このみんなと一緒に何かを目指せるなんて嬉しくて、顔がニヤける)
そんな気分でいたから…。続けて、Bチームの発表があったが全く頭に入って来なかった。
「ー以上、12名は授業とは別メニューがあるし、放課後に訓練も行うので、そのつもりで。ちなみにAチームの担当教官は私。Bチームはトム教官にしていただきます。詳しいスケジュールはまた後程。メンバーの特性は各々で把握するように。気合い入れて頑張りましょう!授業終わり!解散っ!」
そういうと、イリーナは足早に去って行った。
「みんなよろしくね。一緒に頑張ろう」
シュウがみんなに声をかけた。
「頑張ろう!ユリア?」
このメンバーなら頑張れそうなんて、3人で話をしていると、テルがメンバーの紹介をするとゼルに声をかけた。
(そうだ…ゼル君は私たちのことをよく知らない)
「俺は、テル・フォレスト。近距離が得意で武器は大剣。こっちは妹のユリア。こっちも近距離。双剣使いのスピードタイプだ」
「よろしくね!」
手を差し出すと、少し歯に噛んだ笑顔で握り返してくれた。
「あとは、シュウ・ブルームン。天使族で回復術の能力は学園一」
「知ってます。この国のプリンセスですよね?アスカさんといつも一緒にいるし」
ゼルが手を差し出した手をシュウも、よろしくと握り返す。
「あとはアスカの兄のレイ。こいつのことも知ってるよな?魔力が高い悪魔族…」
レイが無言でゼルを睨んでいる。…何でだろう。さっきから、ゼルに対する雰囲気が冷たい。やっぱりアスカが取られるって気持ちがあったりするんだろうか…?ヤキモチ的な?
「知ってます。よろしくお願いします」
睨まれていることを気にもとめず、ニッコリと笑ってレイにお辞儀をした。
「最後に…」
「あ…。アスカさんのことは多分僕の方が詳しいです。レイさんの妹で、悪魔族。魔力の操作がとても上手くて、武器に『属性』を付けられる器用さの持ち主。更に魔法だけに頼らず、ウィップを使いこなせるという、素晴らしさ。身長173センチ、スリーサイズも分かりますけど…それは言いません!同じチームになれてすごく嬉しいです!」
「…怖っ…。本当になんなの?」
目を輝かせて言うゼルと、それに対比してシラケるアスカが可笑しくて笑ってしまった。
「僕はゼル・ディノです。こう見えて力は強い、近距離タイプです。よく天使族と間違えられますがノーマルです」
「力が強いのは知ってる…。けど、異常だろ?神族か何かの末裔?」
「違います。小さい頃にイーターに襲われて、大怪我をしたんです。それで、痛覚が無くなって…。更に力のリミッターを外せるようになりました。こう見えて、孤児なんです。今も養成校の寮で暮らしています」
にっこりと笑って話すゼルからは、想像が出来なかった。孤児ということは、きっと両親含め、親族はいないんだろう。
そして何故かレイとテルの表情が固まる。目を合わせて2人は頷いている。
それよりもゼル君の言っているリミッターがどういうことかよく分からない…。
「…リミッターを外せるってことは…その分筋繊維も傷だらけになるってことだよね?…攻撃の後は治療が必要?」
そう、問いかけだのはシュウだった。
「治療は必要無いです。何回も損傷修復を繰り返して、更に強くなりました。今は大体何割位の力で戦えばいいかわかるようになりましたので、コントロールしてます」
質問を投げかけたシュウは、分かったよと言っているから、なんだか分からないけど大丈夫なんだろう。
こうしてこの六人で大会を目指すことになった。
「あの二人がサボりなんて珍しい」
イリーナ教官もそう言っているから、連絡もせずに授業に遅れているんだろう。
(何しているんだろ…?)
実戦の授業の場合は見本として、レイとテルが一番に呼ばれることが多いけれど…。今日はいないから、イリーナ教官は困っているようだった。
「仕方ない。今日はゼルからにしよう。課題のモンスターは、パワータイプのミノタウロスだし。得意だろ?」
クラスに入ったばかりだから、実力を見せる意味もあるんだろう。
「はい、得意ですよ」
呼ばれたゼルは、余裕の笑みでガラスルームの中に入った。警告音と共に、中にミノタウロスが投入される。
(まぁ…ゼル君は強いしね…)
始まった途端に攻撃してきたミノタウロスを、避けることもせず真正面から受けている。
すごい衝撃音。なのに全く効いてないようだ。
「痛そう…!」
「私達だったら大ダメージだけど、本人には効かないんだって…。痛く無いらしいよ?」
なんて、アスカが隣で呟いた。さっき、ゼルにあんな告白を受けたのにアスカは以外と冷静だ。
「ゼル君のさっきの告白…受けてあげないの?」
「…ユリア、いきなり…何言いだすの?」
「だって…さっきの『好き』は、多分本気だったよ?」
「……受けないよ。だって、私には好きな人がいるから」
「そうなの!?」
「そう…小さな頃からずっと好き」
そんな雰囲気を見せたことなんてないから、学校にはいない人なのかもしれない。ずっと大人の人かもしれないし…。シュウもパパのことが好きだったみたいだし。
(アスカが年上か…。ゼル君には悪いけど…。それはそれで合うかも)
「……このこと、シュウには内緒にしといてね?」
「え…?シュウは知らないの?」
「知らないよ…。知らない」
そう言うアスカは何故か寂しそうだった。幼い頃からずっと一緒で、一番の親友だけど知らないことだってあるんだ。
(だからこそ言えないこともあるのかも…)
私が小さく頷くと、アスカは咳払いをした。
「…そんなことよりゼルの見本。しっかり見ておかないとね?」
「…見ててもさ…あんなこと私にできると思う?」
「確かに。無理か」
ルーム内のゼルはひたすらに、ミノタウロスの攻撃を受けてる。避けたりしない。私があんなことしたらとっくに死んでる。
「ゼルすごいな。スピードが自分よりも上だって分かってる」
「……!?」
さっきまでいなかったテルがとなりにいる。びっくりして一瞬息が止まった。
「カウンターを狙ってるんだろ。そっちの方がゼルに向いてる」
素知らぬ顔をして、ゼルの戦いを見ているレイが言った。
(…遅刻したくせに!?!?)
その通りゼルはミノタウロスが攻撃してきた腕を取り、簡単に投げ飛ばした。
ミノタウロスが倒れ込んだ所にのしかかり、フルパワーで急所を殴りつける。断末魔が聞こえて終了した。
「ゼル、やっぱりすごいな。ミノタウロスの身体は鋼の身体と言われているのに、素手で一撃か…」
「何、暢気に言ってんの?二人とも遅刻だから。早くイリーナの所に行ってきなよ」
アスカは冷めた声で二人にそう言うと、立ち上がった。
「さぁ、次は私たち。早く行って終わらせようか?ユリア?」
しれっと言うアスカに頷き、私もその後を追った。
***
「今からガーディアン実戦大会に選抜された者を発表するから。呼ばれたら前に出て」
課題モンスターとの実戦が終わった後で、みんなはそう言った。
(大会の選抜…そういえばそんな話しをしていた気がする)
みんな就職に有利になることを知っているからピリついた空気になった。
「まずはAチーム」
みんなの息を呑む声が聞こえてくる。大会に選ばれるのは12人。早めに呼ばれた方が安心するのは分かる。
「テル・フォレスト」
「はい」
「レイ・ミシナ」
「はい」
「シュウ・ブルームーン」
「はい」
「アスカ・ミシナ」
「はい」
「ゼル・ディノ」
「はい」
クラスのみんなはやっぱりと言っている。私にとっても予想通り。
「ユリア・フォレスト」
「あ…はい!」
ここでまさか私が呼ばれるとは思ってはいなかった。慌てて前に出て思わずつまづいて転びかけた所を、レイに抱きとめられた。
ありがとうと言って立ち上がるとテルが、ダサっと言って笑っている。そんな声も届かない程に胸が高鳴った。
(このみんなと一緒に何かを目指せるなんて嬉しくて、顔がニヤける)
そんな気分でいたから…。続けて、Bチームの発表があったが全く頭に入って来なかった。
「ー以上、12名は授業とは別メニューがあるし、放課後に訓練も行うので、そのつもりで。ちなみにAチームの担当教官は私。Bチームはトム教官にしていただきます。詳しいスケジュールはまた後程。メンバーの特性は各々で把握するように。気合い入れて頑張りましょう!授業終わり!解散っ!」
そういうと、イリーナは足早に去って行った。
「みんなよろしくね。一緒に頑張ろう」
シュウがみんなに声をかけた。
「頑張ろう!ユリア?」
このメンバーなら頑張れそうなんて、3人で話をしていると、テルがメンバーの紹介をするとゼルに声をかけた。
(そうだ…ゼル君は私たちのことをよく知らない)
「俺は、テル・フォレスト。近距離が得意で武器は大剣。こっちは妹のユリア。こっちも近距離。双剣使いのスピードタイプだ」
「よろしくね!」
手を差し出すと、少し歯に噛んだ笑顔で握り返してくれた。
「あとは、シュウ・ブルームン。天使族で回復術の能力は学園一」
「知ってます。この国のプリンセスですよね?アスカさんといつも一緒にいるし」
ゼルが手を差し出した手をシュウも、よろしくと握り返す。
「あとはアスカの兄のレイ。こいつのことも知ってるよな?魔力が高い悪魔族…」
レイが無言でゼルを睨んでいる。…何でだろう。さっきから、ゼルに対する雰囲気が冷たい。やっぱりアスカが取られるって気持ちがあったりするんだろうか…?ヤキモチ的な?
「知ってます。よろしくお願いします」
睨まれていることを気にもとめず、ニッコリと笑ってレイにお辞儀をした。
「最後に…」
「あ…。アスカさんのことは多分僕の方が詳しいです。レイさんの妹で、悪魔族。魔力の操作がとても上手くて、武器に『属性』を付けられる器用さの持ち主。更に魔法だけに頼らず、ウィップを使いこなせるという、素晴らしさ。身長173センチ、スリーサイズも分かりますけど…それは言いません!同じチームになれてすごく嬉しいです!」
「…怖っ…。本当になんなの?」
目を輝かせて言うゼルと、それに対比してシラケるアスカが可笑しくて笑ってしまった。
「僕はゼル・ディノです。こう見えて力は強い、近距離タイプです。よく天使族と間違えられますがノーマルです」
「力が強いのは知ってる…。けど、異常だろ?神族か何かの末裔?」
「違います。小さい頃にイーターに襲われて、大怪我をしたんです。それで、痛覚が無くなって…。更に力のリミッターを外せるようになりました。こう見えて、孤児なんです。今も養成校の寮で暮らしています」
にっこりと笑って話すゼルからは、想像が出来なかった。孤児ということは、きっと両親含め、親族はいないんだろう。
そして何故かレイとテルの表情が固まる。目を合わせて2人は頷いている。
それよりもゼル君の言っているリミッターがどういうことかよく分からない…。
「…リミッターを外せるってことは…その分筋繊維も傷だらけになるってことだよね?…攻撃の後は治療が必要?」
そう、問いかけだのはシュウだった。
「治療は必要無いです。何回も損傷修復を繰り返して、更に強くなりました。今は大体何割位の力で戦えばいいかわかるようになりましたので、コントロールしてます」
質問を投げかけたシュウは、分かったよと言っているから、なんだか分からないけど大丈夫なんだろう。
こうしてこの六人で大会を目指すことになった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる