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美女と2人で

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俺は美女聖騎士のアリアさんと冒険者ギルドを後にした。

『主、美女とデートを楽しんできてくださいね』

あれ、グリムが喋り始めた。
まだシャットダウンしてなかったのか?

「おう! 行ってくるぜ!」

グリムにも良い顔をしておこう。
こんな綺麗なアリアさんと一緒に歩けるなんて幸せだ。

『主、私は今からスリープモードに入ります。私のことは気にせず、ゆっくり休んで下さい。私はずっと起きていますから、何かあれば声をかけて下さいね』

また話しかけてきた。
早く2人きりにさせてくれ。
あと、シャットダウンじゃなくてスリープモードにしたのね。
俺の魔力を吸いとらないよね? 大丈夫?

「わかったよ。ありがとう」

グリムが眠ってしまったようだ。
眠ったら眠ったで寂しいけど。
さて、何を話そうかな。

「あの、その前にギルドでは何があったんですか?」

アリアさんが話題を提供してくれた。

「ああ、実は……」

俺はゴルディオンとゴウセルのことを説明した。

「なるほど……それは災難でしたね」
「そうなんですよ。それで、この剣を直す件ですが……」
「いいですよ。私の宿屋の部屋に行きましょう」

やった!
ラッキーだな。

「助かります!」
「いえ、いいのです。それにしても、貴方は強いですね」
「そうですね……そうですかね……ははっ」

本当はグリムのおかげなんだけどな。

「では、こちらへ」

俺は案内されて、アリアさんの泊まる部屋に通された。

「ここが私の部屋です」
「ありがとうございます」
『主、私は寝ているので、あとは美女に任せて楽しんできて下さい』

まだ起きていたか。
わかったよ、グリム。
なんでスリープモードに入らないんだ。
もうシャットダウンしておいてくれ。

「わかった。わかったよ、グリム……」

俺は部屋の中に入る。

「お邪魔しまーす!」

綺麗な部屋だな。女の子らしい可愛い小物が多い。

「ふぅ……」

俺はベッドに腰掛けた。

「さて……」

これからどうするか。
問題は、この魔剣を直すことだ。
アリアさんは時間がかかると言っていた。
どれくらいかかるのだろうか。
その間、ゴウセルの親分みたいなやつが俺を殺しに来てもおかしくはない。
でも、今はそんなことを考える必要はない。
俺は今、アリアさんと2人きりなのだ! 
これは、チャンスだ! こんなにかわいい子とお近づきになれる機会なんて、もう2度とないだろう。
この好機を逃すわけにはいかない!

「あの、アリアさん」
「はい?」
「アリアさんは、恋人いるんですか?」
「はい?」
「い、いや、だから、その、彼氏いますか?」
「いないですけど」
「じゃあ、好きな人は?」
「いませんけど」
「じゃあ、俺と結婚を前提に付き合ってください」
「は?」

アリアさんが真顔になった。

「い、いや、冗談ですよ!」

焦ったな……。
いきなり結婚とか言ってしまった。
彼女なんていたことないから、拗らせてしまっている。
グリムが聞いてなくってよかった……。

「本当に冗談……ですよね?」
「はい! もちろんです!」
「で、本題のほうは……」
「この魔剣を直して欲しいんです!」
「そうですよね。わかりました。魔剣を預かります」
「お願いします」

よかった。これで一安心だ。

「ハヤトさん、私、ちょっと用事があるので出かけてきますね」
「はい! 行ってらっしゃい! 気をつけて下さいね」
「行ってきまーす!」

アリアさんが元気よく出ていった。
俺はしばらくゴロゴロしていた。
帰って来ないな……。
あれ、騙された?
まさかね。
え、もしかして……本当に騙された!?
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