【完結】モフモフたちは見てる〜アリスのぬいぐるみ専門店〜

トト

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ドタバタ大騒動

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「「呪い?」」

 山崎と圭介の素っ頓狂な声が重なる。

「そんな話聞いてないぞ」

 ギロリと圭介を睨む。

「知りませんよ! 僕はいままで夢以外の実害を、受けたことはありません! 本当です」

 慌てて言い返す。

「じゃあさっきから俺に振るかかっている、これはなんだというんだよ!」

 山崎も負けじと食って掛かる。

「だからそんなの知りませんって、だいたいさっきから山崎さん一人だけひどい目に合っているじゃないですか。普通こういうのって、依頼人に起こることなんじゃないですか?」

 言われてみれば一理ある。それに畳みかけるように

「僕じゃなく、山崎さんが原因なんじゃないんですか」

 ウッ。と山崎が言葉に詰まる。
 確かに災難にあっているのは三人の中で山崎ただ一人だった。

「僕の事件とは関係ない、山崎さん本人にかけられた呪いかもしれないですよね」

 それは山崎にとってはとても嫌な結論だが、この場ではっきりと否定はできない。
 睨み合う山崎と圭介に割って入ったのはアリスの一言だった。

「いや、この呪いは、今回の件と同じものの行いだ」

 ガーンという顔で圭介がアリスをみる、山崎はなぜか勝ち誇ったような顔をしたが、

「ならどうして俺を狙うんだ、ここの家主は圭介だろ」

 納得いかないとばかりに口を尖らす。

「普通は当事者が被害にあうものだろ」

 先ほど圭介がいったことと同じようなセリフを口走る。

「そんなこと私がわかるわけ無いだろ、今直接聞いてやるからちょっと待ってろ」

 しかしアリスはそんな山崎の言葉に怯むどころか、冷たく言い返す。圭介がおたおた二人を交互に見やる。

「わかったよ、じゃあ早くそいつの居場所を見つけてくれ」

 ここで押し問答していても埒があかないとわかったのか、山崎が頭を掻きながらアリスにお願いする。

「正式な申し込みの契約は結んだのか?」

 この場に来て、いきなりアリスが冷静に事務的なことを言い出した。

「えっ、今日は原因を確かめるだけじゃ……」
「まぁそれでもかまわないが、今原因の説明だけして、圭介はこの状態で契約をしないという選択肢があるのか」

 悪徳契約の常套句のようだが、今いちいち説明して、どうしていくか相談するのが面倒になったのだろう。それにどうやら事は圭介が悩んでいた時よりひどくなっているようだし。

「契約するのか、どうすんだ」

 山崎がいうと本当にただの脅しに聞こえる。

「もう、除霊の契約でいいんじゃないか? これはきっと悪霊だ」

 さんざんひどい目にあわされた山崎は、有無を言わせない顔で睨んでくる。

 圭介もそんないわれ方されなくても、山崎に降りかかった『呪い』を見せられては、除霊の契約をしないわけにはいかない、値段もだいたいさっき聞いているので、払えない金額を吹っ掛けられることもない……と思うし……

「契約します」
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