17 / 60
ドタバタ大騒動
しおりを挟む
「「呪い?」」
山崎と圭介の素っ頓狂な声が重なる。
「そんな話聞いてないぞ」
ギロリと圭介を睨む。
「知りませんよ! 僕はいままで夢以外の実害を、受けたことはありません! 本当です」
慌てて言い返す。
「じゃあさっきから俺に振るかかっている、これはなんだというんだよ!」
山崎も負けじと食って掛かる。
「だからそんなの知りませんって、だいたいさっきから山崎さん一人だけひどい目に合っているじゃないですか。普通こういうのって、依頼人に起こることなんじゃないですか?」
言われてみれば一理ある。それに畳みかけるように
「僕じゃなく、山崎さんが原因なんじゃないんですか」
ウッ。と山崎が言葉に詰まる。
確かに災難にあっているのは三人の中で山崎ただ一人だった。
「僕の事件とは関係ない、山崎さん本人にかけられた呪いかもしれないですよね」
それは山崎にとってはとても嫌な結論だが、この場ではっきりと否定はできない。
睨み合う山崎と圭介に割って入ったのはアリスの一言だった。
「いや、この呪いは、今回の件と同じものの行いだ」
ガーンという顔で圭介がアリスをみる、山崎はなぜか勝ち誇ったような顔をしたが、
「ならどうして俺を狙うんだ、ここの家主は圭介だろ」
納得いかないとばかりに口を尖らす。
「普通は当事者が被害にあうものだろ」
先ほど圭介がいったことと同じようなセリフを口走る。
「そんなこと私がわかるわけ無いだろ、今直接聞いてやるからちょっと待ってろ」
しかしアリスはそんな山崎の言葉に怯むどころか、冷たく言い返す。圭介がおたおた二人を交互に見やる。
「わかったよ、じゃあ早くそいつの居場所を見つけてくれ」
ここで押し問答していても埒があかないとわかったのか、山崎が頭を掻きながらアリスにお願いする。
「正式な申し込みの契約は結んだのか?」
この場に来て、いきなりアリスが冷静に事務的なことを言い出した。
「えっ、今日は原因を確かめるだけじゃ……」
「まぁそれでもかまわないが、今原因の説明だけして、圭介はこの状態で契約をしないという選択肢があるのか」
悪徳契約の常套句のようだが、今いちいち説明して、どうしていくか相談するのが面倒になったのだろう。それにどうやら事は圭介が悩んでいた時よりひどくなっているようだし。
「契約するのか、どうすんだ」
山崎がいうと本当にただの脅しに聞こえる。
「もう、除霊の契約でいいんじゃないか? これはきっと悪霊だ」
さんざんひどい目にあわされた山崎は、有無を言わせない顔で睨んでくる。
圭介もそんないわれ方されなくても、山崎に降りかかった『呪い』を見せられては、除霊の契約をしないわけにはいかない、値段もだいたいさっき聞いているので、払えない金額を吹っ掛けられることもない……と思うし……
「契約します」
山崎と圭介の素っ頓狂な声が重なる。
「そんな話聞いてないぞ」
ギロリと圭介を睨む。
「知りませんよ! 僕はいままで夢以外の実害を、受けたことはありません! 本当です」
慌てて言い返す。
「じゃあさっきから俺に振るかかっている、これはなんだというんだよ!」
山崎も負けじと食って掛かる。
「だからそんなの知りませんって、だいたいさっきから山崎さん一人だけひどい目に合っているじゃないですか。普通こういうのって、依頼人に起こることなんじゃないですか?」
言われてみれば一理ある。それに畳みかけるように
「僕じゃなく、山崎さんが原因なんじゃないんですか」
ウッ。と山崎が言葉に詰まる。
確かに災難にあっているのは三人の中で山崎ただ一人だった。
「僕の事件とは関係ない、山崎さん本人にかけられた呪いかもしれないですよね」
それは山崎にとってはとても嫌な結論だが、この場ではっきりと否定はできない。
睨み合う山崎と圭介に割って入ったのはアリスの一言だった。
「いや、この呪いは、今回の件と同じものの行いだ」
ガーンという顔で圭介がアリスをみる、山崎はなぜか勝ち誇ったような顔をしたが、
「ならどうして俺を狙うんだ、ここの家主は圭介だろ」
納得いかないとばかりに口を尖らす。
「普通は当事者が被害にあうものだろ」
先ほど圭介がいったことと同じようなセリフを口走る。
「そんなこと私がわかるわけ無いだろ、今直接聞いてやるからちょっと待ってろ」
しかしアリスはそんな山崎の言葉に怯むどころか、冷たく言い返す。圭介がおたおた二人を交互に見やる。
「わかったよ、じゃあ早くそいつの居場所を見つけてくれ」
ここで押し問答していても埒があかないとわかったのか、山崎が頭を掻きながらアリスにお願いする。
「正式な申し込みの契約は結んだのか?」
この場に来て、いきなりアリスが冷静に事務的なことを言い出した。
「えっ、今日は原因を確かめるだけじゃ……」
「まぁそれでもかまわないが、今原因の説明だけして、圭介はこの状態で契約をしないという選択肢があるのか」
悪徳契約の常套句のようだが、今いちいち説明して、どうしていくか相談するのが面倒になったのだろう。それにどうやら事は圭介が悩んでいた時よりひどくなっているようだし。
「契約するのか、どうすんだ」
山崎がいうと本当にただの脅しに聞こえる。
「もう、除霊の契約でいいんじゃないか? これはきっと悪霊だ」
さんざんひどい目にあわされた山崎は、有無を言わせない顔で睨んでくる。
圭介もそんないわれ方されなくても、山崎に降りかかった『呪い』を見せられては、除霊の契約をしないわけにはいかない、値段もだいたいさっき聞いているので、払えない金額を吹っ掛けられることもない……と思うし……
「契約します」
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

お昼寝カフェ【BAKU】へようこそ!~夢喰いバクと社畜は美少女アイドルの悪夢を見る~
保月ミヒル
キャラ文芸
人生諦め気味のアラサー営業マン・遠原昭博は、ある日不思議なお昼寝カフェに迷い混む。
迎えてくれたのは、眼鏡をかけた独特の雰囲気の青年――カフェの店長・夢見獏だった。
ゆるふわおっとりなその青年の正体は、なんと悪夢を食べる妖怪のバクだった。
昭博はひょんなことから夢見とダッグを組むことになり、客として来店した人気アイドルの悪夢の中に入ることに……!?
夢という誰にも見せない空間の中で、人々は悩み、試練に立ち向かい、成長する。
ハートフルサイコダイブコメディです。

後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
おおかみ宿舎の食堂でいただきます
ろいず
キャラ文芸
『おおかみ宿舎』に食堂で住み込みで働くことになった雛姫麻乃(ひなきまの)。麻乃は自分を『透明人間』だと言う。誰にも認識されず、すぐに忘れられてしまうような存在。
そんな麻乃が『おおかみ宿舎』で働くようになり、宿舎の住民達は二癖も三癖もある様な怪しい人々で、麻乃の周りには不思議な人々が集まっていく。
美味しい食事を提供しつつ、麻乃は自分の過去を取り戻していく。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

カラフル*レイヴン♪~アホの相手は面倒ですね~
月白ヤトヒコ
キャラ文芸
黒髪黒瞳の容姿が鴉のようで不吉だと称されているが、中身は能天気でアホなお子様主と、容姿端麗な毒舌従者の二人旅。
そんな二人がやって来たのは、吸血鬼の住むと言われている城で・・・
少しシリアス。ちょっとミステリー風味。でも、多分コメディ。
美形従者はアホを雑に扱います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる