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異世界チートライフ
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右手は、刃こぼれしたボロボロの剣だろうが、刃が付くものならば強靭な魔物も一刀両断から細かな肉片へと変えてしまう、神に認められた勇者だけが持つという剣スキルを授かり。
左手は、刃が付くものなら全てのものを焼き尽くす炎をまとう魔剣へと変えてしまう、女神が愛した勇者だけが使えるという魔法の力を授かった。
まさに剣と魔剣の二刀流。
「バブー(完全なチートじゃん)」
よくある異世界転生で、前世の記憶を持ったまま新たに生まれ変わったカエデの第一声であった。
それから18年。
剣のスキルを極め、魔剣のコントロールも自由自在になったカエデは、いよいよ生まれ育った村を出て、人々が賑わう王のいる首都へと向かうことにした。
「異世界ライフはこの街からスタートだ」
カエデは行き交う人々を見て意気揚々と腕まくりをした。
ある時は牛の顔を持つミノタウロスと戦い、またある時は大型船と同じ位巨大なダイオウイカと死闘を繰りひろげた。
陸、海だけでなく空高く舞い上がる大鷲に似た怪物グリフィンも、カエデの魔剣から放たれる炎から逃げることなど不可能だった。
まさに快進撃。
向かうところ敵なし。
カエデの噂は街の人々だけでなく王様や他の国々にまで広く知れわたった。
「素晴らしい、是非我が国にもきてください」
カエデはどこに行っても引っ張りだこであった。
「カエデ様の腕はまさに神のみわざだ」
「そんな褒められても、なにも出ませんよ」
「でこれは?」
「ミノタウルスの『レア』、『ミディアム』、『ウェルダン』三種食べ比べです」
「カエデ様、この料理まだ生きてますわ」
違うテーブルで貴婦人が小さな悲鳴をあげる。
「そうです。そちらはダイオウイカの活き造りといって、生きたまま調理したもので、すごく新鮮な証拠です、美味しいですから、食べてみてください」
「あら本当」
1口食べると貴婦人も、うっとりとした表情を浮かべる。
「すみません、グリフォンの焼き鳥10本お願いします」
新しいオーダーが入る。
「はい、少々お待ちください」
鋭い剣技でさばかれた新鮮な食材と、見事は火加減で提供される、料理の数々。
まさに全てが至高一品。
カエデは神々から授かったチートスキルと、前世の職業であった板前の知識を活かし異世界に新たな食文化をもたらした。
えっ、魔王?
そんなものは知りません。
まあ、たまに特別メニューとして元幹部だったものが並ぶことはありますが。
異世界食堂"二刀流"は今日も大繁盛である。
左手は、刃が付くものなら全てのものを焼き尽くす炎をまとう魔剣へと変えてしまう、女神が愛した勇者だけが使えるという魔法の力を授かった。
まさに剣と魔剣の二刀流。
「バブー(完全なチートじゃん)」
よくある異世界転生で、前世の記憶を持ったまま新たに生まれ変わったカエデの第一声であった。
それから18年。
剣のスキルを極め、魔剣のコントロールも自由自在になったカエデは、いよいよ生まれ育った村を出て、人々が賑わう王のいる首都へと向かうことにした。
「異世界ライフはこの街からスタートだ」
カエデは行き交う人々を見て意気揚々と腕まくりをした。
ある時は牛の顔を持つミノタウロスと戦い、またある時は大型船と同じ位巨大なダイオウイカと死闘を繰りひろげた。
陸、海だけでなく空高く舞い上がる大鷲に似た怪物グリフィンも、カエデの魔剣から放たれる炎から逃げることなど不可能だった。
まさに快進撃。
向かうところ敵なし。
カエデの噂は街の人々だけでなく王様や他の国々にまで広く知れわたった。
「素晴らしい、是非我が国にもきてください」
カエデはどこに行っても引っ張りだこであった。
「カエデ様の腕はまさに神のみわざだ」
「そんな褒められても、なにも出ませんよ」
「でこれは?」
「ミノタウルスの『レア』、『ミディアム』、『ウェルダン』三種食べ比べです」
「カエデ様、この料理まだ生きてますわ」
違うテーブルで貴婦人が小さな悲鳴をあげる。
「そうです。そちらはダイオウイカの活き造りといって、生きたまま調理したもので、すごく新鮮な証拠です、美味しいですから、食べてみてください」
「あら本当」
1口食べると貴婦人も、うっとりとした表情を浮かべる。
「すみません、グリフォンの焼き鳥10本お願いします」
新しいオーダーが入る。
「はい、少々お待ちください」
鋭い剣技でさばかれた新鮮な食材と、見事は火加減で提供される、料理の数々。
まさに全てが至高一品。
カエデは神々から授かったチートスキルと、前世の職業であった板前の知識を活かし異世界に新たな食文化をもたらした。
えっ、魔王?
そんなものは知りません。
まあ、たまに特別メニューとして元幹部だったものが並ぶことはありますが。
異世界食堂"二刀流"は今日も大繁盛である。
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