4 / 6
目から鱗の山暮らし
しおりを挟む
どうやら私は人より丈夫らしい、睡眠時間を削って過酷な仕事環境にあっても、結局過労死はできず、無駄に会社を大きくしてしまっただけだった。
会社もいまや世界に恥ずかしくないホワイト企業へと変貌してしまったし。
目標を見失った私は、虚無感を抱えながら久々に本屋に立ち寄った。
そして再びそこで次の目標を経たのだった。
──『スローライフ』
それは山を歩いているだけで、異世界に行ってしまい、そこでスローライフを送るという話だった。
転生、転移はだいたい死ぬことによってだし、召喚は向こうの都合なのでいつどういった条件の下で訪れるかわかならいので対策の立てようがなかったが。
──山に行くだけで異世界に行けるなんて!
目から鱗とはまさにこのことである。
私はさっそくキャンプ用品をそろえると、山へと入っていった。
初めこそ火をおこすのにも苦労したが、一度コツを覚えてしまえば後は楽だった。
サバイバルナイフ一つあれば、たいていのことはやることはできた。
木を切り抜き食器も作れるし、野草の知識もあるから食料に困ることもなかった。
罠を仕掛けて狩っていた小動物も、数か月もする頃には、手製の弓で、鳥やイノシシを狩れるようになっていた。
たまに病気や怪我をすることがあっても、わざわざ町まで降りずとも自分の知識の範囲で処置できた。
そして今日こそは異世界の夜空が広がってるかもしれないと、淡い期待をこめながら星を眺めて眠った。
そんなある日すごい嵐が私の住んでいる山を襲った。
幸い私が住処としていた洞穴にはなんの影響もなかったが、嵐が去った後仕掛けていた罠にとんでもないものがかかっていた。
会社もいまや世界に恥ずかしくないホワイト企業へと変貌してしまったし。
目標を見失った私は、虚無感を抱えながら久々に本屋に立ち寄った。
そして再びそこで次の目標を経たのだった。
──『スローライフ』
それは山を歩いているだけで、異世界に行ってしまい、そこでスローライフを送るという話だった。
転生、転移はだいたい死ぬことによってだし、召喚は向こうの都合なのでいつどういった条件の下で訪れるかわかならいので対策の立てようがなかったが。
──山に行くだけで異世界に行けるなんて!
目から鱗とはまさにこのことである。
私はさっそくキャンプ用品をそろえると、山へと入っていった。
初めこそ火をおこすのにも苦労したが、一度コツを覚えてしまえば後は楽だった。
サバイバルナイフ一つあれば、たいていのことはやることはできた。
木を切り抜き食器も作れるし、野草の知識もあるから食料に困ることもなかった。
罠を仕掛けて狩っていた小動物も、数か月もする頃には、手製の弓で、鳥やイノシシを狩れるようになっていた。
たまに病気や怪我をすることがあっても、わざわざ町まで降りずとも自分の知識の範囲で処置できた。
そして今日こそは異世界の夜空が広がってるかもしれないと、淡い期待をこめながら星を眺めて眠った。
そんなある日すごい嵐が私の住んでいる山を襲った。
幸い私が住処としていた洞穴にはなんの影響もなかったが、嵐が去った後仕掛けていた罠にとんでもないものがかかっていた。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
【完結】月夜のお茶会
佐倉穂波
児童書・童話
数年に一度開催される「太陽と月の式典」。太陽の国のお姫様ルルは、招待状をもらい月の国で開かれる式典に赴きました。
第2回きずな児童書大賞にエントリーしました。宜しくお願いします。
小さな歌姫と大きな騎士さまのねがいごと
石河 翠
児童書・童話
むかしむかしとある国で、戦いに疲れた騎士がいました。政争に敗れた彼は王都を離れ、辺境のとりでを守っています。そこで彼は、心優しい小さな歌姫に出会いました。
歌姫は彼の心を癒し、生きる意味を教えてくれました。彼らはお互いをかけがえのないものとしてみなすようになります。ところがある日、隣の国が攻めこんできたという知らせが届くのです。
大切な歌姫が傷つくことを恐れ、歌姫に急ぎ逃げるように告げる騎士。実は高貴な身分である彼は、ともに逃げることも叶わず、そのまま戦場へ向かいます。一方で、彼のことを諦められない歌姫は騎士の後を追いかけます。しかし、すでに騎士は敵に囲まれ、絶対絶命の危機に陥っていました。
愛するひとを傷つけさせたりはしない。騎士を救うべく、歌姫は命を賭けてある決断を下すのです。戦場に美しい花があふれたそのとき、騎士が目にしたものとは……。
恋した騎士にすべてを捧げた小さな歌姫と、彼女のことを最後まで待ちつづけた不器用な騎士の物語。
扉絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
ママは乳がん二年生!
織緒こん
児童書・童話
完結済み、予約投稿12月8日まで。番外編などはありません。
闘病、医療メモではなく、女の子の独り言です。
木村生絹(きむらすずし)、中学一年生。スズのママは二年前、乳がんの宣告を受けて手術をした。がんを打ち明けたママのいちばんの心配事は⋯⋯炊飯器?
おとぼけパパと世間様とちょっぴりずれたママ、しっかり者のスズ、三人家族が元気に過ごす日常です。
ビジュアルイメージ、パパ(サトウジロウさん)、ママ(サカシタチリコさん)、スズ(十年前のミヤマカレンさん)笑笑笑。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
王妃様のりんご
遥彼方
児童書・童話
王妃様は白雪姫に毒りんごを食べさせようとしました。
ところが白雪姫はりんごが大嫌い。
さあ、どうしたら毒りんごを食べさせられるでしょうか。
表紙イラスト提供 星影さきさま
本作は小説になろう、エブリスタにも掲載しております。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる