【完結】二度目の人生、君ともう一度!〜彼女を守りたいだけなのに〜

トト

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第四章 誓いをもう一度

研究成果は誰の手に

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 それからしばらくして魔法陣を使うことにより魔法石にためた魔力を他の魔法使いが使えることが新聞で取り上げられた。

 長らく魔法陣は使用を危険視され禁止されていたが、今回スクロールでないこと。他の魔法使いの魔力を使える有効性などがとりあげられ、それは魔法使いたちにも魅力的だったためか問題点は多く挙げられたが、結局その研究を禁止しろという声はあがらなかった。
 ただし魔獣の召喚などの魔法陣は研究してはならないなど、いくつか条件が付いたりはしたが、そんなものはアスタたちの予測範囲内だった。

 その新聞の記事が出た翌日、部室に数人の魔法使いたちとともに、前にユアンに冷たい視線を向けた教授がやってきた。

「なんですか、教授?」

 入り口に立つ教授の前にローズマリーが仁王立ちで立ちはだかる。
 研究の話をしていたメアリーとルナとクリスが、眉をひそめてその様子をうかがう。
 そんな三人を守るようにユアンもそっと立った。

「フローレス嬢、ここで行われている研究は今日からこのフーブル学園の魔法研究学部で引き継ぐことが決まった」

 優しい笑みを浮かべた教授はやんわりとした口調でそう言った。
 要するにいままで魔法道具研究倶楽部でやってきたものを全て自分たちのものにするという話だ。

「教授、この研究はすでにアスタと私の共同名義で特許をとっていますわ。それを私たちになんの相談もなく、共同研究だなんて」
「フローレス嬢も知っているだろう、学生はその研究・論文にいたるまで、その成果は学園に帰属しているということ」
「はい、だから今回の論文や構造上の資料などは、すでに全部学園長にお渡ししましたはずですわ」
「あぁ、見せてもらったよ。そのうえで、この研究はもっと手を入れてやった方がいいという結論になったのだよ」

 言葉では手を貸すようないいかただが、そのくせ全ての権限を奪ってしまおうという感じがユアンにも伝わってくる。

 ローズマリーが話にならないとばかりに、ため息を吐く。

「わかりました。ですが今日までの成果はすでにお渡しした書類のみですわ。せっかく大勢できていただきましたところすみませんが、もうお渡しするようなものはありませんの」
「そうか、まぁ、でもこれから、君たちも共同研究の仲間だから、ここにあるものは新しい研究所に全て移させてもらうよ」
「はぁ?」

 おもわずそう声をだしたのはルナだった。

「いくら何でもそんないきなり無茶苦茶です」

 教授に噛みつこうとするルナをユアンが抑える。

「お兄様」
「ルナちゃん、大丈夫だから」

 メアリーもルナの肩を掴むと、大人しくするように目で訴える。
 ルナは仕方なく椅子に座りなおす。

「では、始めていいかね」
「しかたないですわ」

 ローズマリーが教授を睨みつけながらそう言った。
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