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第四章 誓いをもう一度

魔術研究発表会の打合せ

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「今日はみんなに聞いてもらいたい話がある」

 やはり暇なのだろう。今日もアスタがやってきて場を仕切っている。でも今日はアスタだけではない久しぶりにアレクもその隣に立っていた。

「次の魔術研究発表会は他の魔法使いの魔力で使える魔法石を発表しようと思う」

 すでにOBになっているアスタが次の学術祭の魔法研究発表会について仕切っているがそれに関して文句を言うものはここにはいない。だがその宣言に対しては、一瞬ザワリとざわめきが起きた。

「でもそれでは魔法陣が使われていることがわかってしまいますわ」

 ローズマリーが不安げに眉を寄せる。

「そうだ。しかし今回、魔法陣を使ったことをあえて発表して欲しい」

 横からアレクがそう切り出す。アレクがそう言うということは、なにか突破口が見つかったということだろう。

「だたし、今回はあくまで魔法使い限定で使えるものとして発表して欲しい」
「魔法陣のスクロール使用は法律で禁止されているが、魔法陣そのものの研究は厳密には法に定められていない。そして魔法石にそれをとりいれることも」

 アレクが続ける。

「魔法使い限定と言っておけば、魔法師たちの反発もすくなくて済む、むしろより強力に魔法石が使えるようになるのだから、魔法師たちにとっては悪くない話のはずだ」
「そんなことで納得するでしょうか」
「納得してもらうのさ」

 自信ありげにウィンクする。

「これを第一歩として、徐々に魔法陣が便利で危なくないものだと魔法使いたちにまず浸透させる。そうしてなくてはならないものまで意識を持っていく。そこまでいけば偶然に魔力のない人も魔法石を使える方法が見つかっても、もう魔法陣を禁止しようとは思わないだろう」

 ニカリと笑う。

 そんなにうまくいくだろうか?でもなぜだろう同じ顔なのにアレクが言うとすごく安心できる。これがアスタだったらよからぬ悪だくみがばれないか冷や汗ものなのに。

 ユアンはまた一つの道が目の前に開かれていくような気がした。
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