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第三章 告白をもう一度
アップルパイに罪はない
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いつもは三つ編みにされ背中の中程まで垂れている栗色の髪は、耳の上で綺麗な編み込みを少しほどこしただけで、フワリと自然におろされている。
「変ですか?」
そういって頬を赤らめながらメアリーが少し潤んだような若草色の瞳をユアンにちらりと向ける。
「……いや、可愛いです」
普段化粧などしたことないメアリーは今日はうっすらと化粧をしている。
「マリーが……してくれたんです」
そういって恥ずかしそうに俯く。
制服ではなく白いフリルのついたシャツに黄色いロングのふわりとしたスカート。
「本当に可愛いですよ、メアリーさん」
そういうとチークがのった頬がさらにバラ色に色づいた。
「行きましょうか」
ユアンも少し緊張した面持ちで、メアリーに手を差しのべる。
この間の話題にでたアップルパイの店に今日は二人で行くのだ。
ローズマリーにそのことを話したら、『全力で応援しますわ』といって、今日のいでたちにされてしまった。
なんだかいかにも気合を入れてきましたというようで、メアリーは余計恥ずかしくなったが、ユアンの一言でそんなことも頭から飛んでいく。
色々言いたいことや聞きたいことを考えてきたはずなのに、ユアンの顔をまともに見ることさえできない。
「ここですメアリーさん」
白と赤を基調にした可愛らしい店。扉を開けるとふわりと甘いアップルパイの香りが漂ってくる。
「美味しいですね。メアリーさん」
「…………」
しかしメアリーはアップルパイを食べながら別のことを考えていた。
『それで誰ですの? ユアン様の(浮気)相手は?』
ローズマリーの言葉にメアリーは首を振る。
『知らないわ』
でもメアリーには確かな確信があった。
『そうなのですね。ではメアリーはどうしたいのですか?』
『私は……』
そこでハッと我に返った。しかしユアンはいつものようにニコニコとメアリーを見詰めている。
メアリーは食べている途中でたまに使われている調味料や作り方をあれこれ考えてしまい自分の世界に閉じこもってしまう癖がある。
家族にも呆れられるこの癖をはじめてユアンの前でしてしまった時も、呆れるでも急かすでもなく、食べ終わった皿越しにそんなメアリーをただ待っていてくれたのだ。
だから今もきっとメアリーがアップルパイのことを考えていると思っているのだろう。
「……美味しかったです」
よかったと顔を綻ばすユアン。
「少し歩きませんか?」
いつのまにかなくなっているアップルパイの皿をぼんやり眺めているメアリーにユアンが声をかける。
「メアリーさん?」
ユアンとメアリーは港へと続く街道を歩いていた。
「あっ、すみません。ちょっと考え事をしてました」
慌てたようにそう言って笑顔を作るが、ユアンの藍色の瞳がすっとメアリーからそらされる。
「すみません」
「いえ、つまらない話だったから。ハハハ──」
ユアンが乾いた笑いを立てる。
「あっ、メアリーさん、ちょっとこっち来てください」
そういうとメアリーの手を引く。
「ほら、ここどうですか?」
「あっ」
メアリーが口元を抑える。
そこには色々な料理に使う金物が並べられていた。
ユアンを見上げるとユアンは懐かしむような眼差しで店内を見渡して
「メアリーさん料理好きだからきっとこういう店も好きかなって」
そう言った微笑んだ。
「はい、好きです」
メアリーは少し目を伏せると、ニコリと顔を上げそう答えた。そしていくつかの品を手に持って見る。
本当にメアリーがいつか欲しいなと思っていたものが全部揃ってるんじゃないかと思うほど品揃えは充実していた。その上、おたまの持ち手などちょっとしたところに猫の模様が入っていたりして、メアリーの乙女心も鷲掴みにしてくる。
「あっ、私ったらつい夢中になって」
いつしか真剣に品定めを始めていて、ハッと我にかえり慌ててユアンの姿を探す。店の中をぐるりと見渡すと、ユアンも何かを熱心に選んでいるようだった。
「ユアン様も料理作られたりするのですか?」
「簡単なものなら少し」
そういって笑う。メアリーの地方では貴族の令嬢でも料理をするのは普通のことだが、王都で料理を作る貴族の令嬢などほとんどいない、ましてや男性など厨房にすら入らないと聞いていた。
(食べるのが好きなのは知っていたけど、作るのも好きだなんて)
驚きと共にまた心が小さくはねた。
「でも、お菓子だけはいつもうまくいかなくて」
「お菓子はちゃんと計らないと」
メアリーが楽しそうに笑いかける。
「ちゃんと計ってるつもりなんだけどな、一緒に確認してくれた時だって──」
いいかけて、ハッとしてやめる。ユアンがさっきまでニコニコしていたメアリーをチラリと横目で見る。
「私、これ買ってきますね」
しかし聞こえてないのか、メアリーは元気にそういうと道具を持ってその場から立ち去った。
「えーと、ほかにみたい場所ありますか?」
店から出るとどこかぎこちない笑顔でユアンが尋ねる。
「……海が、見たいです」
「……じゃあこのまま、進みましょう」
メアリーがいつもよりゆっくりとした足取りで歩みを進める。ユアンもそれに合わせてゆっくり歩く。
いつもそうだった、それが当たり前のように自然に歩調を合わせて歩いてくれるのだ。初めはわからなかったほどだ、ユアンが自分に合わせて歩いてくれているなんて。そんなにまで自然にやってのけるのだ。海に着くまでの道すがらメアリーはそんなことをぼんやりと思う。
「メアリーさん、着きましたよ」
メアリーが俯いていた顔を上げる。
地平線まで見渡せる広大な海が一望できた。
カモメが気持ちよさそうに空を飛んでいく。
「メアリーさん」
藍色の瞳に先ほどよりさらに強く緊張した色が浮かんでいる、それと同時にメアリーを気遣うような心配気に揺れる色も見える。
ユアンが一生懸命話題をふっていたのに今日はずっと心ここにあらずという態度でここまできてしまったからだろう。
メアリーは大丈夫と答えるように小さく微笑んだ。
ほっとした藍色の瞳がやんわり微笑み返す。
『私は何があってもメアリーの味方ですわ。だからあなたの思うようになさい。でも私は二人は運命の相手だと思っています。そうこれはいわば愛の試練というものですわ』
怒りながらも最後には背中を押してくれたローズマリーの言葉を思い出す。
「メアリーさん、あの……」
何かをいいかけたユアンの言葉を遮るようにメアリーが首を振る。そして何かを決意したようにユアンを真っ直ぐに見据えた。
「ユアン様、私あたなのことが好きみたいです」
「変ですか?」
そういって頬を赤らめながらメアリーが少し潤んだような若草色の瞳をユアンにちらりと向ける。
「……いや、可愛いです」
普段化粧などしたことないメアリーは今日はうっすらと化粧をしている。
「マリーが……してくれたんです」
そういって恥ずかしそうに俯く。
制服ではなく白いフリルのついたシャツに黄色いロングのふわりとしたスカート。
「本当に可愛いですよ、メアリーさん」
そういうとチークがのった頬がさらにバラ色に色づいた。
「行きましょうか」
ユアンも少し緊張した面持ちで、メアリーに手を差しのべる。
この間の話題にでたアップルパイの店に今日は二人で行くのだ。
ローズマリーにそのことを話したら、『全力で応援しますわ』といって、今日のいでたちにされてしまった。
なんだかいかにも気合を入れてきましたというようで、メアリーは余計恥ずかしくなったが、ユアンの一言でそんなことも頭から飛んでいく。
色々言いたいことや聞きたいことを考えてきたはずなのに、ユアンの顔をまともに見ることさえできない。
「ここですメアリーさん」
白と赤を基調にした可愛らしい店。扉を開けるとふわりと甘いアップルパイの香りが漂ってくる。
「美味しいですね。メアリーさん」
「…………」
しかしメアリーはアップルパイを食べながら別のことを考えていた。
『それで誰ですの? ユアン様の(浮気)相手は?』
ローズマリーの言葉にメアリーは首を振る。
『知らないわ』
でもメアリーには確かな確信があった。
『そうなのですね。ではメアリーはどうしたいのですか?』
『私は……』
そこでハッと我に返った。しかしユアンはいつものようにニコニコとメアリーを見詰めている。
メアリーは食べている途中でたまに使われている調味料や作り方をあれこれ考えてしまい自分の世界に閉じこもってしまう癖がある。
家族にも呆れられるこの癖をはじめてユアンの前でしてしまった時も、呆れるでも急かすでもなく、食べ終わった皿越しにそんなメアリーをただ待っていてくれたのだ。
だから今もきっとメアリーがアップルパイのことを考えていると思っているのだろう。
「……美味しかったです」
よかったと顔を綻ばすユアン。
「少し歩きませんか?」
いつのまにかなくなっているアップルパイの皿をぼんやり眺めているメアリーにユアンが声をかける。
「メアリーさん?」
ユアンとメアリーは港へと続く街道を歩いていた。
「あっ、すみません。ちょっと考え事をしてました」
慌てたようにそう言って笑顔を作るが、ユアンの藍色の瞳がすっとメアリーからそらされる。
「すみません」
「いえ、つまらない話だったから。ハハハ──」
ユアンが乾いた笑いを立てる。
「あっ、メアリーさん、ちょっとこっち来てください」
そういうとメアリーの手を引く。
「ほら、ここどうですか?」
「あっ」
メアリーが口元を抑える。
そこには色々な料理に使う金物が並べられていた。
ユアンを見上げるとユアンは懐かしむような眼差しで店内を見渡して
「メアリーさん料理好きだからきっとこういう店も好きかなって」
そう言った微笑んだ。
「はい、好きです」
メアリーは少し目を伏せると、ニコリと顔を上げそう答えた。そしていくつかの品を手に持って見る。
本当にメアリーがいつか欲しいなと思っていたものが全部揃ってるんじゃないかと思うほど品揃えは充実していた。その上、おたまの持ち手などちょっとしたところに猫の模様が入っていたりして、メアリーの乙女心も鷲掴みにしてくる。
「あっ、私ったらつい夢中になって」
いつしか真剣に品定めを始めていて、ハッと我にかえり慌ててユアンの姿を探す。店の中をぐるりと見渡すと、ユアンも何かを熱心に選んでいるようだった。
「ユアン様も料理作られたりするのですか?」
「簡単なものなら少し」
そういって笑う。メアリーの地方では貴族の令嬢でも料理をするのは普通のことだが、王都で料理を作る貴族の令嬢などほとんどいない、ましてや男性など厨房にすら入らないと聞いていた。
(食べるのが好きなのは知っていたけど、作るのも好きだなんて)
驚きと共にまた心が小さくはねた。
「でも、お菓子だけはいつもうまくいかなくて」
「お菓子はちゃんと計らないと」
メアリーが楽しそうに笑いかける。
「ちゃんと計ってるつもりなんだけどな、一緒に確認してくれた時だって──」
いいかけて、ハッとしてやめる。ユアンがさっきまでニコニコしていたメアリーをチラリと横目で見る。
「私、これ買ってきますね」
しかし聞こえてないのか、メアリーは元気にそういうと道具を持ってその場から立ち去った。
「えーと、ほかにみたい場所ありますか?」
店から出るとどこかぎこちない笑顔でユアンが尋ねる。
「……海が、見たいです」
「……じゃあこのまま、進みましょう」
メアリーがいつもよりゆっくりとした足取りで歩みを進める。ユアンもそれに合わせてゆっくり歩く。
いつもそうだった、それが当たり前のように自然に歩調を合わせて歩いてくれるのだ。初めはわからなかったほどだ、ユアンが自分に合わせて歩いてくれているなんて。そんなにまで自然にやってのけるのだ。海に着くまでの道すがらメアリーはそんなことをぼんやりと思う。
「メアリーさん、着きましたよ」
メアリーが俯いていた顔を上げる。
地平線まで見渡せる広大な海が一望できた。
カモメが気持ちよさそうに空を飛んでいく。
「メアリーさん」
藍色の瞳に先ほどよりさらに強く緊張した色が浮かんでいる、それと同時にメアリーを気遣うような心配気に揺れる色も見える。
ユアンが一生懸命話題をふっていたのに今日はずっと心ここにあらずという態度でここまできてしまったからだろう。
メアリーは大丈夫と答えるように小さく微笑んだ。
ほっとした藍色の瞳がやんわり微笑み返す。
『私は何があってもメアリーの味方ですわ。だからあなたの思うようになさい。でも私は二人は運命の相手だと思っています。そうこれはいわば愛の試練というものですわ』
怒りながらも最後には背中を押してくれたローズマリーの言葉を思い出す。
「メアリーさん、あの……」
何かをいいかけたユアンの言葉を遮るようにメアリーが首を振る。そして何かを決意したようにユアンを真っ直ぐに見据えた。
「ユアン様、私あたなのことが好きみたいです」
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