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第二章 青春をもう一度
生徒会のお仕事
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二年生になると、各学部塔から一名づつ代表が選ばれ生徒会が発足される、もちろん前回の人生と同じように魔法学部からは公爵令嬢であるローズマリーが選ばれた。だが、前と違うことは代表が自ら一人補佐として生徒を選んでよいのだが、それが今回メアリーになっているということだろう。
メアリーは周りの人もローズマリーを理解してくれるようになったと話していたし、同学年でローズマリーを権力を笠にする生意気な令嬢だと煙たがる生徒は減った。
(だが全員ではない)
それに新入生からしたら先輩でなおかつ身分が高い人物だ。それだけで、萎縮したり嫉妬する生徒も出てくるだろう。いくら良くなってきたといっても言葉選びが絶望的センスの令嬢だ、なにをどう解釈され誤解を招くかわからない。
ローズマリーが新入生から嫌われることはもう個人だけの問題ではない。もし曲がりなりにも周りから王太子妃にふさわしくないなどのレッテルを張られてしまったら、婚約破棄などという不名誉で学園を去ることになったら、街灯の発明がまた遅れてしまう。
まあすでにそんな問題ではなく、ユアン個人としてローズマリーには幸せになってもらいたいのだが。言い訳は多いほうが良い。なにせ今からユアンははたから見たらストーカー行為と思われてもおかしくない行動をする予定なので、今から色々自分に言い聞かせているのだ。
入学式からしばらくの間、各学部の代表者が順番に一年生塔を訪れ、学園の案内や自分たちの学部の説明など新入生たちの面倒を見る期間がある。
そして今日はローズマリーとメアリーが所属する魔法学部が一年生塔を訪れる日だった。
(せめて、今やっている研究が完成するか、婚約破棄を言い渡されないことを見届けるまでは)
心の中で言い訳をしながら、ユアンは一年生塔に忍び込んだのだった。
メアリーは周りの人もローズマリーを理解してくれるようになったと話していたし、同学年でローズマリーを権力を笠にする生意気な令嬢だと煙たがる生徒は減った。
(だが全員ではない)
それに新入生からしたら先輩でなおかつ身分が高い人物だ。それだけで、萎縮したり嫉妬する生徒も出てくるだろう。いくら良くなってきたといっても言葉選びが絶望的センスの令嬢だ、なにをどう解釈され誤解を招くかわからない。
ローズマリーが新入生から嫌われることはもう個人だけの問題ではない。もし曲がりなりにも周りから王太子妃にふさわしくないなどのレッテルを張られてしまったら、婚約破棄などという不名誉で学園を去ることになったら、街灯の発明がまた遅れてしまう。
まあすでにそんな問題ではなく、ユアン個人としてローズマリーには幸せになってもらいたいのだが。言い訳は多いほうが良い。なにせ今からユアンははたから見たらストーカー行為と思われてもおかしくない行動をする予定なので、今から色々自分に言い聞かせているのだ。
入学式からしばらくの間、各学部の代表者が順番に一年生塔を訪れ、学園の案内や自分たちの学部の説明など新入生たちの面倒を見る期間がある。
そして今日はローズマリーとメアリーが所属する魔法学部が一年生塔を訪れる日だった。
(せめて、今やっている研究が完成するか、婚約破棄を言い渡されないことを見届けるまでは)
心の中で言い訳をしながら、ユアンは一年生塔に忍び込んだのだった。
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