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第一章 出会いからもう一度
肉体改造はじめます
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「キール、僕は痩せたい! そして強くなりたい。だから僕を鍛えてくれ!」
開口一番ユアンの申し出にキール思わず「えっ?」と聞き返す。
キール・チェスターとユアン・ハーリングは同じ伯爵家同士で家も近く、また親同士も幼なじみだったため、二人も生まれた時からまるで本当の兄弟のように一緒に成長してきた。
しかしハーリング家は、法官、行政官など王の政務を補佐をするものを多くだしている家系で、そのせいかユアンも体動かすことより、本を読んだり頭を使う遊びの方が好きな子供だった。
一方チェスター家は騎士の家系。
その子供のキールも動いてないと死んでしまうのではないか、と思うほどいつも走り回っている子供だった。
そんな真逆な性格の2人だったが、毎日遊びの誘いに来るキールと、なんだかんだ文句をいいながらそれに付き合うユアンで、その関係はどうにか切れることなく今も続いているのだ。
「別にいいけど、どうしたんだよいきなり」
キールの将来の夢は騎士団に入ることである。そのための体力作りと剣の練習は欠かしたことがない。ユアンにも事あるごとに一緒にやろう誘いをかけているのだが、それは今まで1度も叶ったことはなかった。
なのにユアン自らキールにそんなお願いをしてくるなど、青天の霹靂であった。
「さすがにこのままではいけないと思ってさ」
ユアンは自分の腹回りを触りながら照れた口調でそう言った。
キールはハハーンと何かをさっしたような顔で「まぁ、お前がその気になってくれたのは嬉しいけどさぁ」と言ってニカリと笑った。
「じゃあ早速一緒にランニングでもするか」
「ランニングか」
ユアンは自分で言い出しといて、ランニングという言葉にハァとため息をつく。
「まずは、その贅肉を落としてからじゃないと、話にならないからな」
ちょっと意地悪そうにキールが笑う。
「お手柔らかに、よろしくお願いします」
そう言ってユアンは深々と頭を下げた。
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