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アリナたち考える

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 体は元通りになったが、犯人捜しはまだ終わっていない。

「命を狙ってたわけではないから許すとは言えないし。それに危うく命を落としかけたこともしっかり知ってもらわないと、、やられ損はいやよ」
「でも、犯人だとわかる証拠もないし、何より、本人が本当にうまくすれば魔力暴走が起きる程度に、いたずら程度でやったことなら、何も起きなかったいま、本人も気にしてなければ、なおさら、探し出すのは難しそうね」
「人にいたずらしといて、失敗したら忘れるって、そんな都合の良い頭、私がかち割ってあげるわよ」

 ローラからしたら危うく死にかけたのだ、そして長い間命の危機にあったのだ、いたずらの一言で済まされる問題ではないだろう。

「でもどうやって、犯人を捜すの」

 一通りめぼしき人物とは接触したが、特に怪しい人物はいなかった。
 口を尖らせながらローラが考え込む。

「そうだ、アリナ一度リズにちょっかい出されて魔力を暴走出せたじゃない。あの時の周りの反応はどうだった」

 リズに口止めしたのに、みんなに知れ渡ってたあれである。

「魔力暴走を起こしたかったのなら、それを起こした私をどういっていた」

 リズは興奮して皆に触れ回っていた。攻撃魔法でないのを残念がっていたが、あれほどの魔力は凄いと素直に尊敬の眼差しをしていたな。それから懐かれて付きまとわれるようになったのだが。

 ライザは、まずローラの心配をして、それから学生たちに被害が出なかったことに安堵し、魔力暴走が聖女であるローズで、それも治癒の魔法の暴走だったからよかったものに、他の魔法だったらいくら白魔術師でも危険な魔法もあると説教された。
 魔力暴走は精神的未熟さからなるものとされているので、そのことをさんざん説かれたような気がする。
 魔力暴走をしたのはローラでなく、本当はアリナだったので、そのせいでローラの精神力が未熟だと思われたのは本当に申し訳ない。
 とりあえず本来もっと小さなころから聖女の力は授かるのに、ローラは成人してからなのでそのせいなのだろうということで話は落ち着いた。

 ディアはローラが魔力暴走を起こしたということに驚いていた。
 ローラは白魔術師の中でも魔術の扱いはうまかったからだ。確かにもともとの魔力量が少なかったのが聖女になって増えたとはいえ、暴走さえるほど、コントロールを失うとはおもっていなかったらしい。
 
「もしもだよ、本当に悪気がなくて、いたずらで魔晶石を飲ませたのだとしたら」
「まさかリズが」

 キラキラとした目で自分を見つめる彼女の顔を思い浮かべながら、まさかと笑い飛ばしたかったが、二人ともそれができなかった。
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