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アリナ、ダニー・キリリチェフと会う2
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「そうだ、忘れないうちに言っておかないと」
昨日帰る前にローラがそう切り出した。
「近々キリリチェフ様が来るかもしれないから、話を聞いておいて」
「えっ、なんで、ダニーがローズの屋敷に来るのよ。ダニーとは何でもないっていってたじゃない」
アリナが悲壮な表情を見せる。
「本当に彼とはアリナが考えてるような関係じゃないから。ただ、彼には呪術や魔法のことについて質問しただけよ」
「ダニーに呪いのことを話したの?」
「話せるわけないじゃない。ただ、彼は黒魔法だけじゃなく、魔法全般に詳しいって有名だから、話を聞いたら何かわかるかもと思ったんだけど」
そういうと額を押さえてため息を吐く。
「ちょっと黒魔法や呪術に興味があるって匂わせただけで、いったいどれだけ長い時間話を聞かされたことか」
遠い目で空を眺める。
魔法の種類から始まり、歴史や進化。白と黒に分かれた過程、ダニーの話は尽きない、そしてそれはどんどん脱線していき、誰も彼の話についていけなくなっていっても、彼はそれに気がつかないほど熱く、想いのたけを語るのだ。
「余計頭がこんがらがったわ」
うんざり顔のローラに、複雑な表情で笑いかける。
「で、その時、聖女でも治せないような魔障はあるのかって聞いたら、聞いたことがないけど、調べてみますって」
確かにダニーなら、わからない事知らないことがあったら、納得するまで調べるだろう。
「そうなのね。さすがダニーだわ」
即座にダニーをほめたたえるアリナに、げんなりとした顔を向ける。
アリナはダニーの話を最後まで聞ける数少ない人物だった。それどころか、熱く語れば語るほど、まるで英雄の物語を聞いているように、彼の話にのめり込んだ。そして彼と同等に討論できるようになることがアリナの目標になっていた。
「よく考えたら、似たもの同士ね」
「?」
ローラがぼそりと呟いたが、アリナはうまく聞き取れず小首を傾げた。
「彼がきたら話はアリナに任せるわ。そして、この呪いのヒントになるようなものがあるか話を聞いておいてね。私が聞いても意味がわからないことも、アリナが聞けば色々わかるかもしれないし」
ローラは本当に入れ替わってくれて助かったわと微笑んだ。
昨日帰る前にローラがそう切り出した。
「近々キリリチェフ様が来るかもしれないから、話を聞いておいて」
「えっ、なんで、ダニーがローズの屋敷に来るのよ。ダニーとは何でもないっていってたじゃない」
アリナが悲壮な表情を見せる。
「本当に彼とはアリナが考えてるような関係じゃないから。ただ、彼には呪術や魔法のことについて質問しただけよ」
「ダニーに呪いのことを話したの?」
「話せるわけないじゃない。ただ、彼は黒魔法だけじゃなく、魔法全般に詳しいって有名だから、話を聞いたら何かわかるかもと思ったんだけど」
そういうと額を押さえてため息を吐く。
「ちょっと黒魔法や呪術に興味があるって匂わせただけで、いったいどれだけ長い時間話を聞かされたことか」
遠い目で空を眺める。
魔法の種類から始まり、歴史や進化。白と黒に分かれた過程、ダニーの話は尽きない、そしてそれはどんどん脱線していき、誰も彼の話についていけなくなっていっても、彼はそれに気がつかないほど熱く、想いのたけを語るのだ。
「余計頭がこんがらがったわ」
うんざり顔のローラに、複雑な表情で笑いかける。
「で、その時、聖女でも治せないような魔障はあるのかって聞いたら、聞いたことがないけど、調べてみますって」
確かにダニーなら、わからない事知らないことがあったら、納得するまで調べるだろう。
「そうなのね。さすがダニーだわ」
即座にダニーをほめたたえるアリナに、げんなりとした顔を向ける。
アリナはダニーの話を最後まで聞ける数少ない人物だった。それどころか、熱く語れば語るほど、まるで英雄の物語を聞いているように、彼の話にのめり込んだ。そして彼と同等に討論できるようになることがアリナの目標になっていた。
「よく考えたら、似たもの同士ね」
「?」
ローラがぼそりと呟いたが、アリナはうまく聞き取れず小首を傾げた。
「彼がきたら話はアリナに任せるわ。そして、この呪いのヒントになるようなものがあるか話を聞いておいてね。私が聞いても意味がわからないことも、アリナが聞けば色々わかるかもしれないし」
ローラは本当に入れ替わってくれて助かったわと微笑んだ。
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