王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第19幕 鏡に映る心の奥底

08

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 悠斗はウイッグなど被らずに、髪を黒く染め、頭に大きめな赤いリボンを施している。髪を真っ黒にしただけで、ずいぶんイメージが変わるものだ。アーモンド色の虹彩は、黒いコンタクトでカバーされていた。
 だからなのだろうか。いつもの爽やかな雰囲気と異なり、黒い印象を受けてしまうのは……。それとも俺の言動のせいなのだろうか。

「ンッ……やぁッ……」
「ん? イヤなの? ここはもうトロトロだけど?」
「こんなッ……とこで……バカぁっ~!」

 はい、絶賛襲われ中です……。

「ヒッ! な、舐めるな~ッ、汗臭いだろ!」
「そんなことないよ? うん、いい匂い。さっと拭くだけにして正解。また汗かいちゃうしね?」

 この学校は至れり尽くせりだ。小ぶりではあるが、控室にはしっかりシャワーブースまで用意されている。そこから持って来たのであろうボディーソープを、蕾にまぶされ丁寧に解されると、悠斗は一気に大きく張り出した陰茎を挿入した。

「瀬菜の小人さんがあんまりにも可愛くて……家まで我慢は無理だった。本当はちょっと触って、終わりにしようとしてたのにな……」
「あぅッッ! 結局するつもりだったのかよっ……こんなッ、あっうぅぅ~!」

 長い化粧台に手をつく俺の背後から、長いドレスを託しあげ悠斗が覆い被さる。ドレスがお尻を覆い、カサカサと背中を擽るように、前後する律動に合わせて愛撫していく。
 女性が男の子を襲っている構図にも見えなくないが、どう見ても男は男だ。二人きりになった時点で警戒すべきだった。

「うっクソッ──! もっ……早く、イけよッ!」
「うわぁーその言い方。傷つくなッ!」

 がぶりとうなじに噛みつかれ、グリグリと内部を抉られる。誰が来るとも予想できない空間で、快感を逃がすための声を上げられないのがシンドイ。
 突き上げられる度に、声の代わりに内部を締め上げてしまう。悠斗も粘膜の伸縮に堪えられないのか、抽挿を激しいものに変えてきた。

「はっ、やぁッ! イキたくッないッ」

 シコリをゴリゴリと押し上げられ、射精が込み上げてくる。ブンブンと頭を振りイヤイヤをすると、悠斗は俺の陰茎の根元を締め上げた。内部がうねり、さらに悠斗を追い込んでしまう。背後から詰めた息が聞こえると、ゴム越しでもわかるほどジュワリと飛沫が叩かれる。
 その熱さにブルリと震えると、俺もドライでイッてしまった。射精するよりも倦怠感が半端なく、身体の熱が逃げていかない。グッタリとする俺を悠斗はシャワーブースで簡単に洗い上げると、身支度を整えた。





「いやー大盛況だったね!」
「三浦さんは演出の才能があるよ。よくあんな間際で纏めたね」
「今年ももしかして、もしかするんじゃね?」

 教室に戻るとやり遂げたとクラス中が興奮していた。模擬店などの出し物とは少し違い、一発勝負がそうさせているのかもしれない。

「……ヤナ?」
「……へぇ?」
「お前、顔赤いけど……大丈夫か?」

 頬に手を添える由良りんに、ビクッと身体を軋ませる。

「……へへっ……大丈夫……だよ?」
「──ッ! そっ、そうか?」

 ぽわぽわとする頭でヘラリと笑うと、顔を紅くしながら由良りんはそっぽを向いてしまった。
 フッーと長い息を吐き、ダラリと軟体動物のように机に突っ伏した。そんな俺に追い打ちを掛けるように、実千流が背中に伸し掛かってくる。その衝撃にグッと唇を噛み締めた。
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