王子×悪戯戯曲

そら汰★

文字の大きさ
上 下
530 / 716
第17幕 上級生と下級生 〜高校三年生編〜

14

しおりを挟む
 照れ隠しにそう強がっても、悠斗がいつもしてくれるようにはいかないものだ。ローションで潤わせたつもりだが、足りなかったのかもしれない。
 額に汗を浮かべカクカクとぎこちなく上下に腰を動かすと、その度に悠斗の昂ぶりが反応してくれる。俺の中で悠斗の蜜も手伝ってなのか、粘膜が順応したのか、徐々に滑りがよくなっていく。

「ンッ……瀬菜っ、上手だよ」
「はっ、んんッ……悠斗っ先生ッ? 俺っべんきょッ合格?」
「クスッ……合格点上げたいけどッ……ねっ!」
「──ふあぁっ! はっあッ、ひゃんっ!」

 下から悠斗が突き上げ、前立腺を掠めながら奥を抉られる。頭の中がチカチカとし、自分で得られなかった快感にクラクラしてしまう。

「──はふっ、あんッ……いきなりッ動くなっあうっ」
「ふふっ、見てる分には最高だけど、これじゃお互い中々イケないかな」
「……うるさいっ、余韻を楽しんでるんだッ」
「へぇー、それは勉強になるね」

 俺の動きはまだまだ不合格だとでも言うように、遠回しに悠斗はそう呟く。まぁ、子鹿のように足腰をガクガク震わせ、まどろっこしい動きだったことは認める。
 尻たぶを両手で掬い上げ、また下から腰を突き上げる悠斗がニヤリと笑うと、快感に息を詰めながら挑発するように俺も強気を装い口角を上げる。

「クスッ、なら瀬菜がリードしてくれるの?」
「俺の愛情……舐めんなよ?」

 ベッドヘッドに背を預ける悠斗が俺をギラギラとした瞳で見つめている。まるで待ったを強要された肉食獣のようだ。
 そんな悠斗先生の指導を受けている俺は、調教師の実習生になった気分だ。先生で肉食獣、生徒で美味しいお肉の塊。二つの役割を演じている。
 エロ先生が悪戯を仕出かさないように、指を絡め繋ぎ止める。俺をやんわりと支える手のひらが、バネになり抽挿を助けた。

「はっ、ンッ……ンッ、ンッ……はっ」

 くちゅ……くちゅ……ぱちゅん……とリズミカルな水音が、浅く上下に動く度に奏でられる。シャツに隠れたペニスは見えなくともすっかり蜜を溢し、腹を汚しているはずだ。
 上気した顔で唇を薄く開き喘ぐ姿は、悠斗にどんな風に見えているのだろうか。伏せた目をチラリと上げると、視線が絡まりあちこちにキスを贈ってくれる。
 擽ったくて甘くて……気持ちがいい。奥深くまでぴっちりと埋め込まれる陰茎を、知らずキュウキュウと締め上げてしまう。

「──うっ、ンッ……瀬菜ッ……ストップ」
「……なんだよッ……もうっ、降参かッ」
「ふっ、そんな風に……動いたらッ……ヤバイッから」

 手のひらを離すと、悠斗は強く俺を抱き締め動きを止めた。瞼を閉じ震える長いまつ毛が、色っぽくて自分が引き出したその表情に昂ぶってしまう。
 肩に触れる唇が荒い熱の籠もった息を吐き出し、瞼が開かれると流し目で魅了される。しっとりと濡れる肌や髪、鳶色のキラキラと輝く瞳、綺麗で妖艶で……それでいて男っぽい仕草に俺の心臓は早金を打つのだ。

「悠斗先生、意地悪な顔してる……」
「まぁ、可愛い生徒の頑張りに、溺れそうになったからね。はい、コレ咥えて?」

 シャツの裾を手繰り寄せられ生地を口に含まされる。

「いけない生徒だ。こっちも……こっちもツンツンだね?」
「ふむっーッ」

 肌はすっかり紅く色付き、ツンと尖り切った乳首は濃いピンク色だ。陰茎は上を向き、乳首と同じようにピンクの亀頭からだらしなく汁を溢していた。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

いとしの生徒会長さま

もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……! しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

花婿候補は冴えないαでした

いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。 本番なしなのもたまにはと思って書いてみました! ※pixivに同様の作品を掲載しています

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

Take On Me 2

マン太
BL
 大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。  そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。  岳は仕方なく会うことにするが…。 ※絡みの表現は控え目です。 ※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

処理中です...