王子×悪戯戯曲

そら汰★

文字の大きさ
上 下
479 / 716
第14幕 季節外れの天使ちゃん

30

しおりを挟む
「ああ……瀬菜ッ。瀬菜がエロイくて可愛いからみんなを惑わせるんだ」
「ちょっなにしてっ!」

 悠斗はスマホを取り出すと、上からカシャリとシャッターを切った。あられもない姿が収められ、恥ずかしさに全身を真っ赤に染めあげる。

「……最高の瞬間ゲット♡ うん、いい絵だ」
「ば、ばかぁ~! 消せよッ!」
「想い出想い出~♡ ほら、こんな乳首尖らせて恥ずかしいとか言えないよ」
「ひっぃっ、やぁちくびぃッ!」

 悠斗はブラの上からパクリと乳輪を口に含むと、乳首を刺激してきた。レースと唾液でザラリと乳首が擦られ、ジンジンと尖りが熱を孕んで膨れ上がる。

「あっああん、イちゃぅからっ」
「ん? はっンッイイよ……俺もッ一緒に……」

 パチュパチュと下肢から聞こえる水音が激しさを増し、蕾の襞が一層拡がる。お腹の中で熱い悠斗の雄に、粘膜をグイグイと抉り嬲られ、頭の中が快感一色に染まる。
 口に含まれた乳首を愛撫され、イきそうと訴えればガリっとレース越しに噛みつかれた。脳天まで突き刺さる刺激が、ペニスに直撃すると絶頂に背中を反らせた。

「ひッいっ──いくッいくーーッ‼︎」
「──ンックッ‼︎」

 俺が射精するとをあと追うように悠斗が果てる。ジワリと内部が擬似的に濡れたような感覚と、自身のペニスが水中で射精したような錯覚に、肌を粟立て蕩け弛緩する。
 ぐったりと蕩けた俺に悠斗は呼吸を整えながら見下ろすと、唇を覆い優しく舌を絡め余韻を楽しんでいた。

「──ンッ! やらぁ……大きくなって」
「もう一回したい」
「だめっ腰立たなく……なっちゃう」
「んー……残念……」

 家ではないのだ。このあとも俺は店に出なければならない。甘くお願いし、すでに育った陰茎から逃げるように身を捩ると、苦笑いしながら悠斗は渋々腰を引いていった。
 ゴムに溜まった精液が重く垂れ下がり、扱ったことのないゴムの始末に悩んでいると、手際良く抜き取ってくれた。俺が身支度を整えている間、悠斗は鉄棚に置かれた難しそうな本を捲りながら、なにやらブツブツと呟いている。

「……なぁ、なに読んでんの?」
「さぁ……気分転換。お経と同じで煩悩振り払わないとね?」
「ふーん。変なの」
「ふふっ……体は平気?」

 悠斗がしでかしたことだが、心配されるとやはり擽ったい。乱れた髪を梳きながら優しく撫でてくれる手のひらが心地良く、うっとりしてしまう。

「ねぇ、俺……その……エッチな顔じゃない?」
「……うーん。それは難しい質問だね。でも、その格好で出られるのは嫌かも」
「そっか……どの道着替えようとしてたんだ。ほら、ここお前が噛むから透けちゃってるし」
「──うっ……、今すぐ着替えに戻ろう。カナちゃんの気持ちが分かるな……はぁ……」

 口元に手を添えながら悠斗は遠くを見つめ目を泳がせていた。キョトンと首を傾げ、変なヤツと心で呟き、着替えるまでほんの少し悠斗と手を繋ぎながら恋人気分で教室へと向かった。



 着替えのために教室に到着すると、三浦さんと矢田さんが興奮していた。
 二人は翌日の衣装をチェックしているとことだった。

「あっ、姫乃ちゃん! いい宣伝してくれたみたいで盛況だよ!」
「へぇー。三位入賞できればラッキーだ」
「立花君も! 王子が爽やかにイケメン店員さんって噂で持ちきり! 材料足りるかなって感じ!」
「それは良かった。お笑い組はどう?」
「夏子効果結構ウケてるみたい」

 今年も夏子は絶好調のようだ。

「そっか、これも三浦さんと矢田さんの機転のおかげだね。そうそう、この瀬菜の衣装なんだけど」
「ええ! もちろん、王子のために買い取り済みよ♪ それと~これ、今なら特別にセットだから是非試してみて!」
「これは……ありがとう」
「いいのよ王子~♡ それもこれも……ぐふふッ……」
「三浦っち~ご飯何杯も食べれるね~♪ 最強CP万歳~♡」
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

いとしの生徒会長さま

もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……! しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

花婿候補は冴えないαでした

いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。 本番なしなのもたまにはと思って書いてみました! ※pixivに同様の作品を掲載しています

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

Take On Me 2

マン太
BL
 大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。  そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。  岳は仕方なく会うことにするが…。 ※絡みの表現は控え目です。 ※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

処理中です...