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第13幕 ひとりぼっち
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うっすらと瞼を開ける。身体が少し火照っているのか、汗ばんでいる。いくら木陰だといえ、夏の暑さは油断してはいけない。けれどどういう訳か、気温だけの火照りかたではないようでならない。
心地のいい大自然の音に合わせて、チャプ、クチュっ、クチャリ……と、不自然な音が耳につく。音のほうへと視線を向けると、ふわふわな毛玉が上下に揺れていた。
「──ゆっ、悠斗ッ! お前なにしてッ!」
「おはよ……美味しそうでつい」
「いやっ、こらっ、やめろッ! 人の寝込み襲うなァ~~ッ!」
悠斗は涼しい顔で俺の股間に蹲り、俺のモノを咥えていた。妙に汗ばんでいたのは、無防備な身体に快感を受けていたからだ。焦る俺に悠斗はお構いなしに「ナマコが気持ち良さそうに射精したから、俺も瀬菜に射精したい」と、卑猥な言葉を口にした。
「……はあ? 意味分からないこと言ってんなっ! ちょっ、ダメだってッああッ」
パクリと口腔に迎えられ、舌先が形に沿って愛撫する。これでは俺が射精してしまう。
悠斗の頭に両手を差し込み抑え込むが、余計深く飲み込まれてしまった。
「あぁッ! 俺イっちゃうからッ」
「誰も見てないし好きなだけイって? それに、ナマコのこれ取るのには必要だから♡」
顔を上げた悠斗は俺にそう言い、笑顔を見せる。
「へっ⁉︎ これって……その、せっ、精液が必要ってことなのか⁇」
「そうだよ? 白いネバネバは、白いネバネバで相殺ってところかな?」
真面目な顔で言われてしまい、マジマジと足首を見る。いまだに白い粘液は貼り付いたままだ。
「……本当に?」
「酷いな。疑うなんて」
ニコリと微笑む悠斗は、陽の光で普段以上にキラキラと輝き、王子スマイルを放った。
こんな神秘的な空間でこんな卑猥なことをしてもいいのだろうか。
ひくんと震える身体は、昨夜の情事の後を引いている。すっかり後孔は解れ、悠斗の怒張を難なく飲み込んでいた。岩に手をついた俺の背後から悠斗が覆い被さり、肉襞を味わうように抽挿を繰り返す。
生まれたての姿で大胆に、泉の水音と重なるちゃぷちゃぷと滑る水音は淫靡で、鼓膜までも犯されている気分だ。つんと尖った乳首を弾き抉り、うなじを唇で啄む悠斗は声でも俺を追い立てる。
「瀬菜……森の妖精みたいに綺麗。透き通った肌が俺に吸いついてくる」
「あぅ……んっ、気持ちい……」
「クスッ……良かった。俺も気持ちいよ。瀬菜の中うねうね……ッ」
「あ、あっ悠斗ッ、俺……っ、もうイっちゃうよッ」
「うん……っ、俺も……ッ」
切先が粘膜をこじ開けるようにぐいぐいと抉り、しこりを重点的にいじめられる。悠斗の手のひらが前に回り、俺の陰茎に被せシコシコ擦り指先が鈴口を抉ると、射精感で頭の中が真っ白になる。
「ああっいっいいッ、イク──ッ」
「ん……ッ」
絶頂にブルッと震えると、悠斗が俺の中から出ていき、尻たぶに熱い飛沫を浴びせらせた。
ぐったりとしながら振り向くと、悠斗は手のひらに放たれた俺の精液を綺麗に舐めとっていた。無駄のない引き締まった肉体が汗でキラキラと輝き、まるで異国の彫刻が佇んでいるようだ。
尻たぶから悠斗の精液が湾曲しながら下へと伝っていく。惚けてその様子を眺めていると、悠斗が俺を呼んだ。
「瀬菜、ほら見て。ちゃんと取れたよ」
視線を辿ると、足首に付着していたはずのナマコのネバネバは綺麗になくなっていた。
一瞬首を傾げるが、朦朧としながらコクリと頷いた。
「大丈夫?」
悠斗を見上げる。
精液が必要だったのなら、なにも裸でセックスしなくても良かったのでは? と疑問を持ったが、それ以上に俺は物足りなくて堪らなかった。潤んだ瞳で見上げていると、悠斗がそっと唇に触れるキスをし、抱きしめ背中やお尻を撫でてくる。
「ホテルに戻ったら、瀬菜の中にも浴びせてあげるね」
その言葉に俺はふるりと震え、悠斗に無言の思いを伝えた。
ナマコの真実を知るのはもう少し後のこと。
そして洞窟の奥深くで、ナマコの粘液に精液など必要なかったということも……。
(*ナマコ──外敵から刺激受けるとキュビエ器官を放出する。白い細い粘液は強い粘着性があり、付着すると容易には取ることができない。付着した際は乾燥させ取るとよい。乾燥させるとパラパラと剥がれ落ちる。水などの液体に漬けると粘着性が復活してしまうので、注意が必要である──)
心地のいい大自然の音に合わせて、チャプ、クチュっ、クチャリ……と、不自然な音が耳につく。音のほうへと視線を向けると、ふわふわな毛玉が上下に揺れていた。
「──ゆっ、悠斗ッ! お前なにしてッ!」
「おはよ……美味しそうでつい」
「いやっ、こらっ、やめろッ! 人の寝込み襲うなァ~~ッ!」
悠斗は涼しい顔で俺の股間に蹲り、俺のモノを咥えていた。妙に汗ばんでいたのは、無防備な身体に快感を受けていたからだ。焦る俺に悠斗はお構いなしに「ナマコが気持ち良さそうに射精したから、俺も瀬菜に射精したい」と、卑猥な言葉を口にした。
「……はあ? 意味分からないこと言ってんなっ! ちょっ、ダメだってッああッ」
パクリと口腔に迎えられ、舌先が形に沿って愛撫する。これでは俺が射精してしまう。
悠斗の頭に両手を差し込み抑え込むが、余計深く飲み込まれてしまった。
「あぁッ! 俺イっちゃうからッ」
「誰も見てないし好きなだけイって? それに、ナマコのこれ取るのには必要だから♡」
顔を上げた悠斗は俺にそう言い、笑顔を見せる。
「へっ⁉︎ これって……その、せっ、精液が必要ってことなのか⁇」
「そうだよ? 白いネバネバは、白いネバネバで相殺ってところかな?」
真面目な顔で言われてしまい、マジマジと足首を見る。いまだに白い粘液は貼り付いたままだ。
「……本当に?」
「酷いな。疑うなんて」
ニコリと微笑む悠斗は、陽の光で普段以上にキラキラと輝き、王子スマイルを放った。
こんな神秘的な空間でこんな卑猥なことをしてもいいのだろうか。
ひくんと震える身体は、昨夜の情事の後を引いている。すっかり後孔は解れ、悠斗の怒張を難なく飲み込んでいた。岩に手をついた俺の背後から悠斗が覆い被さり、肉襞を味わうように抽挿を繰り返す。
生まれたての姿で大胆に、泉の水音と重なるちゃぷちゃぷと滑る水音は淫靡で、鼓膜までも犯されている気分だ。つんと尖った乳首を弾き抉り、うなじを唇で啄む悠斗は声でも俺を追い立てる。
「瀬菜……森の妖精みたいに綺麗。透き通った肌が俺に吸いついてくる」
「あぅ……んっ、気持ちい……」
「クスッ……良かった。俺も気持ちいよ。瀬菜の中うねうね……ッ」
「あ、あっ悠斗ッ、俺……っ、もうイっちゃうよッ」
「うん……っ、俺も……ッ」
切先が粘膜をこじ開けるようにぐいぐいと抉り、しこりを重点的にいじめられる。悠斗の手のひらが前に回り、俺の陰茎に被せシコシコ擦り指先が鈴口を抉ると、射精感で頭の中が真っ白になる。
「ああっいっいいッ、イク──ッ」
「ん……ッ」
絶頂にブルッと震えると、悠斗が俺の中から出ていき、尻たぶに熱い飛沫を浴びせらせた。
ぐったりとしながら振り向くと、悠斗は手のひらに放たれた俺の精液を綺麗に舐めとっていた。無駄のない引き締まった肉体が汗でキラキラと輝き、まるで異国の彫刻が佇んでいるようだ。
尻たぶから悠斗の精液が湾曲しながら下へと伝っていく。惚けてその様子を眺めていると、悠斗が俺を呼んだ。
「瀬菜、ほら見て。ちゃんと取れたよ」
視線を辿ると、足首に付着していたはずのナマコのネバネバは綺麗になくなっていた。
一瞬首を傾げるが、朦朧としながらコクリと頷いた。
「大丈夫?」
悠斗を見上げる。
精液が必要だったのなら、なにも裸でセックスしなくても良かったのでは? と疑問を持ったが、それ以上に俺は物足りなくて堪らなかった。潤んだ瞳で見上げていると、悠斗がそっと唇に触れるキスをし、抱きしめ背中やお尻を撫でてくる。
「ホテルに戻ったら、瀬菜の中にも浴びせてあげるね」
その言葉に俺はふるりと震え、悠斗に無言の思いを伝えた。
ナマコの真実を知るのはもう少し後のこと。
そして洞窟の奥深くで、ナマコの粘液に精液など必要なかったということも……。
(*ナマコ──外敵から刺激受けるとキュビエ器官を放出する。白い細い粘液は強い粘着性があり、付着すると容易には取ることができない。付着した際は乾燥させ取るとよい。乾燥させるとパラパラと剥がれ落ちる。水などの液体に漬けると粘着性が復活してしまうので、注意が必要である──)
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