王子×悪戯戯曲

そら汰★

文字の大きさ
上 下
416 / 716
第12幕 修学旅行はお遊びではありません

13

しおりを挟む
 ジャージのズボンを下着ごとずらすと、太ももに濡れた熱い感触を添えられた。目を広げると、足の間から見慣れた頭がちょこんと顔を出す。
 それは俺のモノでもあるが、その下に出ている悠斗のペニスの先端だった。信じられないものを見るように固まっていると、覆い被さる悠斗が耳を甘噛みしてくる。

「……足……しっかり閉じて……声は我慢してね」
「──ッ」

 甘く囁く声でそう言いながら耳を舐められると、膝がガクガク震えてしまう。声を出すなと言うならやめてくれと思うが、悠斗の悪戯にどうにもできず、口を手のひらで覆い、喉を鳴らしてしまう。

「フフフ~ン♪ ……ん~……んん?」

 扉の向こうの鼻歌が止まると、怪訝そうな様子で男がひとり言を呟いた。

「……誰か居るのか?」

 返答を待っているのかひと言だけ呟くと、シーンと静まり返る室内に緊張が走る。
 どこかで聞いたことのあるような声に、俺の勃ち上っていたペニスがキューっと縮こまっていた。

 ……この声……。
 佐上先生⁉
 や、ヤバイ……こんなの見つかったら!

「……気のせいか?」

 や、やっぱり!
 この声佐上先生だ!
 まずい……って、悠斗ちんこ擦るな‼

 すっかり気持ちが佐上のほうへ向かってしまった俺に気付いたのか、悠斗は俺のちんこを揉み出し、鈴口から垂れた先走りを塗りたくるように擦り出す。
 ハフハフとしながら喘ぎを抑えるが、エスカレートする悠斗の指先に「ひぃっ!」っと声を上げそうになると、唇を塞がれ飲み込まれた。バクバクと心臓が鳴り泣きそうになる。
 それでもペニスはまた元気を取り戻し、すっかり悠斗の手のひらに懐いている。この裏切り者と自分の息子に毒づきながら、羞恥心と背徳感と快感がせめぎ合う。

 唇に触れる悠斗の唇がフッと笑ったような気がして、完璧にこの状況を楽しんでいる姿に若干イラっとすると、お返しにギュッと太ももに力を入れてやった。
 唇が離れ眉根を寄せ声を押し殺す悠斗にニヤリとすると、目を細めながら俺を見下ろしている。すぐに余裕を取り戻した悠斗にムッとし、太ももを再度締め上げ腰を前後させてやる。

『そんなことして……いけない子だ……』

 ほとんど聞き取れない声でそう呟かれた気がした。それを合図にTシャツの裾を口に咥えさせられると、お尻を両手で挟んだ悠斗が腰をゆっくりと前後に動かし出した。

 ばっ、馬鹿っ!
 音がっ……聞こえちゃう!

 重なるように蛇口を捻る音とジャーっと水が出る音が響き、ホッとするが擦れる下肢に気持ちが捕らわれていく。

 あぅぅ……こんなっ、やなのにぃっっ!
 気持ちいいっ‼
 せんせっ、早く行ってぇっ!

「ふっ、まさかな……。俺、疲れ過ぎか? はぁーぁ……ガキ供が起き出す前にとっとと温泉行くか。フフフ~~ン♪ フ~~ゥ~ン♪」

 声が届いたのか佐上先生は、鼻歌交じりでその場を出て行った。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

いとしの生徒会長さま

もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……! しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

花婿候補は冴えないαでした

いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。 本番なしなのもたまにはと思って書いてみました! ※pixivに同様の作品を掲載しています

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

Take On Me 2

マン太
BL
 大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。  そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。  岳は仕方なく会うことにするが…。 ※絡みの表現は控え目です。 ※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

処理中です...