415 / 716
第12幕 修学旅行はお遊びではありません
12
しおりを挟む
「はよ……。言っとくけど、俺のせいじゃないからな」
「おはよ。そうみたいだね。カナちゃんと共有したみたいで嫌だったの」
「だからってキスするなよ」
「みんな疲れてグッスリでしょ? 他人に恋人を取られた気分で、最悪の目覚めだった」
「確かに……俺も逆だったらムッとするかも」
「そうでしょ? だから夜布団の位置変えようって言ったのに……」
「分かったって。朝から怒るなよ」
「怒ってない。折角目が覚めたし散策しよ?」
悠斗に誘われ旅館内を散策する。売店などはまだ閉まっているが、ロビーには周辺観光用の模型や、所々にオブジェクトなどが並んでいた。宿泊客はほとんど居らず、浴衣姿のお客さんがタオルを下げて通り過ぎて行くのをソファーに腰掛け眺めていた。
「……温泉入っちゃダメかな?」
「ダメとは書いてなかった気がする。フロントで聞いてみようか?」
「うん! 折角早起きしたし、朝の温泉気持ちいいから行きたい!」
悠斗がフロントで確認すると、旅館の人が笑顔で「大丈夫ですよ」と、タオルまで貸してくれた。
「やった! 早く行こ!」
「その前にトイレ寄りたい」
確かに先にトイレは重要だ。悠斗に導かれるまま大浴場近くのトイレへ行き、俺は後悔した。なにも態々ここのトイレを使用しなくても良かったのだ。大浴場に行けば一つとはいえ、トイレぐらい設置されている。
「……ばっ、なにやってッ‼」
「なにって朝だし。瀬菜とキスしたら元気になったの。ほら暴れない。誰か来るかもしれないよ?」
小便器で済むことなのに、個室へと放り込まれてしまう。
悠斗は俺を見ながら舌なめずりまで仕出す。俺は俺でこれから起こる事態に青い顔で震えると、ニコリと笑う悠斗に縮こまったのだった。
──っ、ウソだろっ……こんなところで……。
ヤバイ……声がっ……。
うしろを向かされ、上着のジャージのチャックを下されると、Tシャツを割って手が忍び込んでくる。撫でるようにソフトに乳輪の上を通り過ぎ、まだ尖りをみせない乳首をつめ先が掠め、ビクッと身体がしなってしまう。
悠斗がこんなことを急にしたのは、きっと怒っているからに違いない。跳ね除ける力が出ないのは、寝起きの身体が敏感に反応を示しているからだ。
「……大丈夫。中には挿れないから……」
「んっ、そういう問題じゃっ……」
うなじにチュッと悠斗の柔らかな唇が落とされる。
「昨日瀬菜が眠ったあと……うなじが色っぽくて我慢するの大変だった」
「ンッ、それっ俺のせいかよっ!」
「瀬菜のせいだよ? カナちゃんも欲情してたもん……牽制する俺の身にもなってよ」
「──っやめっ、首っ吸うなっ」
うなじにちゅぅ~っと激しく吸いつく悠斗に抗議すれば、同時に乳首をクニュッと摘み捏ねられてしまう。逃げを打つと前は壁しかなく、押さえられた腰を突き出すような格好になってしまった。
「うん。いい格好……」
「へっ? こ、こらっ脱がすな!」
ジタバタするとギィーっと扉が開く音でピタリと動きを止めた。足音と鼻歌交じりの声がする。入って来たのはひとりのようだが、他人が居る空間でこんな淫らなことをしていると思うと気が気ではない。早く出て行ってくれと思いながら下を向けば、悠斗は気にせず行為を再開し始めた。
「おはよ。そうみたいだね。カナちゃんと共有したみたいで嫌だったの」
「だからってキスするなよ」
「みんな疲れてグッスリでしょ? 他人に恋人を取られた気分で、最悪の目覚めだった」
「確かに……俺も逆だったらムッとするかも」
「そうでしょ? だから夜布団の位置変えようって言ったのに……」
「分かったって。朝から怒るなよ」
「怒ってない。折角目が覚めたし散策しよ?」
悠斗に誘われ旅館内を散策する。売店などはまだ閉まっているが、ロビーには周辺観光用の模型や、所々にオブジェクトなどが並んでいた。宿泊客はほとんど居らず、浴衣姿のお客さんがタオルを下げて通り過ぎて行くのをソファーに腰掛け眺めていた。
「……温泉入っちゃダメかな?」
「ダメとは書いてなかった気がする。フロントで聞いてみようか?」
「うん! 折角早起きしたし、朝の温泉気持ちいいから行きたい!」
悠斗がフロントで確認すると、旅館の人が笑顔で「大丈夫ですよ」と、タオルまで貸してくれた。
「やった! 早く行こ!」
「その前にトイレ寄りたい」
確かに先にトイレは重要だ。悠斗に導かれるまま大浴場近くのトイレへ行き、俺は後悔した。なにも態々ここのトイレを使用しなくても良かったのだ。大浴場に行けば一つとはいえ、トイレぐらい設置されている。
「……ばっ、なにやってッ‼」
「なにって朝だし。瀬菜とキスしたら元気になったの。ほら暴れない。誰か来るかもしれないよ?」
小便器で済むことなのに、個室へと放り込まれてしまう。
悠斗は俺を見ながら舌なめずりまで仕出す。俺は俺でこれから起こる事態に青い顔で震えると、ニコリと笑う悠斗に縮こまったのだった。
──っ、ウソだろっ……こんなところで……。
ヤバイ……声がっ……。
うしろを向かされ、上着のジャージのチャックを下されると、Tシャツを割って手が忍び込んでくる。撫でるようにソフトに乳輪の上を通り過ぎ、まだ尖りをみせない乳首をつめ先が掠め、ビクッと身体がしなってしまう。
悠斗がこんなことを急にしたのは、きっと怒っているからに違いない。跳ね除ける力が出ないのは、寝起きの身体が敏感に反応を示しているからだ。
「……大丈夫。中には挿れないから……」
「んっ、そういう問題じゃっ……」
うなじにチュッと悠斗の柔らかな唇が落とされる。
「昨日瀬菜が眠ったあと……うなじが色っぽくて我慢するの大変だった」
「ンッ、それっ俺のせいかよっ!」
「瀬菜のせいだよ? カナちゃんも欲情してたもん……牽制する俺の身にもなってよ」
「──っやめっ、首っ吸うなっ」
うなじにちゅぅ~っと激しく吸いつく悠斗に抗議すれば、同時に乳首をクニュッと摘み捏ねられてしまう。逃げを打つと前は壁しかなく、押さえられた腰を突き出すような格好になってしまった。
「うん。いい格好……」
「へっ? こ、こらっ脱がすな!」
ジタバタするとギィーっと扉が開く音でピタリと動きを止めた。足音と鼻歌交じりの声がする。入って来たのはひとりのようだが、他人が居る空間でこんな淫らなことをしていると思うと気が気ではない。早く出て行ってくれと思いながら下を向けば、悠斗は気にせず行為を再開し始めた。
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

花婿候補は冴えないαでした
いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる