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第11幕 王子の憂鬱と無鉄砲な俺
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悠斗は俺の尻たぶに両手を這わせると、モミモミと揉みしだいてくる。そのまま広げ、蕾につぷっと指先を挿入してきた。
「あっ、ばかっ、ナニしてっ!」
「ナニはするつもりないけど、朝から可愛い声は堪えるね」
悠斗の指先がズンズンと俺の内部を擦り上げて、まだ柔らかい粘膜が悲鳴を上げながら指を締め上げてしまう。フルフル震え悠斗の胸に頭を擦りよせ、悶える俺をクスクス笑う悠斗に殺意を覚える。
「ふふっ、瀬菜耳まで真っ赤。本当に可愛いんだから」
「──もっ、抜いてよッ」
「ダメ。ほら、もう一回……」
「ひっ冷たいッ──! やんっ!」
「エロイ声……俺がヤバイ。はい、おしまい♡」
「……あっ、ん? ……おしまい?」
「うん。いっぱい擦っちゃったでしょ? 軟膏一応しないとね」
「……あっそう……あり……がと?」
後孔から抜き取られた指にホッとしながらも、少し昂ってしまった身体をムズムズさせてしまう。もしかして激しくしたあとは、いつもこうやってケアをしてくれていたのかと、悠斗を疑ってしまったことに反省する。
「……期待した?」
「べ、別にっ!」
「クスッ、せーな。ねぇ、俺の元気になっちゃった♡」
「ははっ、そうなんだ……」
「うん。だから……フェラして?」
「……はぁ⁉」
「瀬菜のも元気だし、シックスナインしよ?」
朝から爽やかに呟く悠斗に、先ほどの自分の反省を前言撤回する。腕の中に囲われた俺は逃げることもできず、そのまま導かれるまま、ベッドに押さえ付けられ、悠斗の策略に嵌まっていったのだった。
***
由良りんと出掛けたあと、特に気になることは起きなかった。一応ほかのみんなにも事情を説明し、由良りんが三人の昔の写真を村上や多澤にも見せ警戒するように促していた。
「由良りん、あれから連絡きた?」
「いや、ない……けど、それが返って気持ち悪い」
「嵐の前の静けさか」
「一層こっちからアクション起こすとか?」
「村上君馬鹿なの? 火に油を注いでどうするの」
「おうちの人に協力してもらって探るとか?」
「ガキの揉めごとに、本物ぶつけてどうするよ。それに、兄貴達に頭下げるのもな。……なんだよヤナ。そんな顔すんな」
軽率に家のことを持ち出してしまった俺は、まずったと顔を歪めてしまう。そんな俺に、由良りんは笑い返してくれる。
確かに確定のない不安要素ではあったが、由良りんは家も継がないと言っていたし、頼りたくはないのかもしれない。
あれからすでに二週間だ。きっと何事もなく平穏無事に過ぎて行くのだろう……誰しもがそう思っていた。
***
ゲームセンターでの出来事はすっかり過去のことになっていた。
「あっ、スマホ……」
「忘れたのか?」
「ふふっ、そうみたい……」
「悠斗にしては珍しいな。俺、ここで待ってるから行って来いよ」
「うん……すぐ戻るから待っててよ?」
先に帰らないでねと、悠斗に釘を刺され校門前で待っていた。今日は悠斗と二人で帰宅だ。スマホを弄りながら、学生が引っ切りなしに通り過ぎて行くのを横目に佇んでいた。
人通りが多い構内。まさか白昼堂々と事件が起きるなど思っていなかったのだ。
「あっ、ばかっ、ナニしてっ!」
「ナニはするつもりないけど、朝から可愛い声は堪えるね」
悠斗の指先がズンズンと俺の内部を擦り上げて、まだ柔らかい粘膜が悲鳴を上げながら指を締め上げてしまう。フルフル震え悠斗の胸に頭を擦りよせ、悶える俺をクスクス笑う悠斗に殺意を覚える。
「ふふっ、瀬菜耳まで真っ赤。本当に可愛いんだから」
「──もっ、抜いてよッ」
「ダメ。ほら、もう一回……」
「ひっ冷たいッ──! やんっ!」
「エロイ声……俺がヤバイ。はい、おしまい♡」
「……あっ、ん? ……おしまい?」
「うん。いっぱい擦っちゃったでしょ? 軟膏一応しないとね」
「……あっそう……あり……がと?」
後孔から抜き取られた指にホッとしながらも、少し昂ってしまった身体をムズムズさせてしまう。もしかして激しくしたあとは、いつもこうやってケアをしてくれていたのかと、悠斗を疑ってしまったことに反省する。
「……期待した?」
「べ、別にっ!」
「クスッ、せーな。ねぇ、俺の元気になっちゃった♡」
「ははっ、そうなんだ……」
「うん。だから……フェラして?」
「……はぁ⁉」
「瀬菜のも元気だし、シックスナインしよ?」
朝から爽やかに呟く悠斗に、先ほどの自分の反省を前言撤回する。腕の中に囲われた俺は逃げることもできず、そのまま導かれるまま、ベッドに押さえ付けられ、悠斗の策略に嵌まっていったのだった。
***
由良りんと出掛けたあと、特に気になることは起きなかった。一応ほかのみんなにも事情を説明し、由良りんが三人の昔の写真を村上や多澤にも見せ警戒するように促していた。
「由良りん、あれから連絡きた?」
「いや、ない……けど、それが返って気持ち悪い」
「嵐の前の静けさか」
「一層こっちからアクション起こすとか?」
「村上君馬鹿なの? 火に油を注いでどうするの」
「おうちの人に協力してもらって探るとか?」
「ガキの揉めごとに、本物ぶつけてどうするよ。それに、兄貴達に頭下げるのもな。……なんだよヤナ。そんな顔すんな」
軽率に家のことを持ち出してしまった俺は、まずったと顔を歪めてしまう。そんな俺に、由良りんは笑い返してくれる。
確かに確定のない不安要素ではあったが、由良りんは家も継がないと言っていたし、頼りたくはないのかもしれない。
あれからすでに二週間だ。きっと何事もなく平穏無事に過ぎて行くのだろう……誰しもがそう思っていた。
***
ゲームセンターでの出来事はすっかり過去のことになっていた。
「あっ、スマホ……」
「忘れたのか?」
「ふふっ、そうみたい……」
「悠斗にしては珍しいな。俺、ここで待ってるから行って来いよ」
「うん……すぐ戻るから待っててよ?」
先に帰らないでねと、悠斗に釘を刺され校門前で待っていた。今日は悠斗と二人で帰宅だ。スマホを弄りながら、学生が引っ切りなしに通り過ぎて行くのを横目に佇んでいた。
人通りが多い構内。まさか白昼堂々と事件が起きるなど思っていなかったのだ。
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