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第11幕 王子の憂鬱と無鉄砲な俺
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「ちげぇよ……てかなに?」
「うわぁ~、なにってこっちがナニだし?」
「久々に会ったってのに、冷てえな」
「誰かさんは、連絡しても音沙汰なしだったのにな」
ケラケラと笑い皮肉交じりに絡んでいる。由良りんは相手にしたくないのか、無言で俺の腕を引きその場を去ろうとした。けれど通り過ぎようとした途端、俺の身体が抵抗する。オレンジ色の髪をした男が、ニヤリとしながら肩を掴んで引き留めたからだ。
振り向いた由良りんは、怒りを露わにしドスの効いた低い声を放った。
「俺のダチに絡むな!」
由良りんは俺を引き寄せる。
男達は呆気にとられ一瞬怯むが、すぐにヘラヘラとしだす。
「へぇー、哉太が特定の友達作るなんて珍しい。昔の哉太はピリピリしてて面白かったのにな」
「よろしく哉太のお友達君」
「最近刺激が足りないし、遊ぼうよ~。人生楽しまないと。ねっ、君もそう思うでしょ」
ズイッと顔を覗き込まれ、俺は俯き視線を逸した。
「おっ! 意外と可愛いじゃん。く──ッ、イテテ……おい! 哉太ッ‼」
大きな手が男の顔面をボールを掴むように覆われ、うしろへ投げられる。
「気安く見てんじゃねぇ」
「哉太……お前ッ‼」
「やめろ」
オレンジ君は投げ飛ばされた男のを宥めると、チラリと俺を見て鼻で笑い由良りんに言った。
「まぁ、また連絡するからよ。ちゃんと返事しろよ」
それ以上は留まらず三人組はケラケラとしながら、お店を出て行った。息を詰めていた俺はホッとすると、腕に痛みを覚えた。
「っ──いッ、由良りん……痛いよ……」
「わっ、悪いッ‼ 平気か?」
「うん。平気……。由良りんこそ大丈夫?」
「あ、ああ……。変なのに巻き込んですまねぇ……」
昔の友達らしい人達のことを気にしているのか、眉根を寄せて辛そうにしていた。元気になって欲しくて、UFOキャッチャーに誘うと笑われてしまう。
六十センチほどある、う◯い棒は中々強敵だったが、二人で苦戦しながら終始笑って居る由良りんに安心した。
「大きなう◯い棒~♪」
「普通に店で買ったほうが安いんじゃね?」
「苦労して取ったから嬉しいんだよ!」
「そっか。帰って開けてびっくりしろよ?」
胸に抱きかかえた大きなう○い棒を見ながら、どんなびっくりがあるのだろうかと、余計に期待が膨らむ。
「うん! あ~楽しかった~♪」
「だな。俺も久々にガキみたいにはしゃいだ」
「そうなの? あっ、そうだ俺帰りにデパ地下行かないと!」
「なら、俺も付き合う。夕飯はどうする?」
「俺のうちで食べない? 悠斗も来ると思うし!」
「そうだな……しっかり送り届けないと、後々面倒だ」
「面倒⁇ 由良りんが良ければ、連絡入れとく」
「ああ、丁度ユウと話したかったんだ」
悠斗にメールを送ると、夕飯の用意をしてくれるらしい。約束のいちご大福を購入し、由良りんと俺の家に向かった。
「うわぁ~、なにってこっちがナニだし?」
「久々に会ったってのに、冷てえな」
「誰かさんは、連絡しても音沙汰なしだったのにな」
ケラケラと笑い皮肉交じりに絡んでいる。由良りんは相手にしたくないのか、無言で俺の腕を引きその場を去ろうとした。けれど通り過ぎようとした途端、俺の身体が抵抗する。オレンジ色の髪をした男が、ニヤリとしながら肩を掴んで引き留めたからだ。
振り向いた由良りんは、怒りを露わにしドスの効いた低い声を放った。
「俺のダチに絡むな!」
由良りんは俺を引き寄せる。
男達は呆気にとられ一瞬怯むが、すぐにヘラヘラとしだす。
「へぇー、哉太が特定の友達作るなんて珍しい。昔の哉太はピリピリしてて面白かったのにな」
「よろしく哉太のお友達君」
「最近刺激が足りないし、遊ぼうよ~。人生楽しまないと。ねっ、君もそう思うでしょ」
ズイッと顔を覗き込まれ、俺は俯き視線を逸した。
「おっ! 意外と可愛いじゃん。く──ッ、イテテ……おい! 哉太ッ‼」
大きな手が男の顔面をボールを掴むように覆われ、うしろへ投げられる。
「気安く見てんじゃねぇ」
「哉太……お前ッ‼」
「やめろ」
オレンジ君は投げ飛ばされた男のを宥めると、チラリと俺を見て鼻で笑い由良りんに言った。
「まぁ、また連絡するからよ。ちゃんと返事しろよ」
それ以上は留まらず三人組はケラケラとしながら、お店を出て行った。息を詰めていた俺はホッとすると、腕に痛みを覚えた。
「っ──いッ、由良りん……痛いよ……」
「わっ、悪いッ‼ 平気か?」
「うん。平気……。由良りんこそ大丈夫?」
「あ、ああ……。変なのに巻き込んですまねぇ……」
昔の友達らしい人達のことを気にしているのか、眉根を寄せて辛そうにしていた。元気になって欲しくて、UFOキャッチャーに誘うと笑われてしまう。
六十センチほどある、う◯い棒は中々強敵だったが、二人で苦戦しながら終始笑って居る由良りんに安心した。
「大きなう◯い棒~♪」
「普通に店で買ったほうが安いんじゃね?」
「苦労して取ったから嬉しいんだよ!」
「そっか。帰って開けてびっくりしろよ?」
胸に抱きかかえた大きなう○い棒を見ながら、どんなびっくりがあるのだろうかと、余計に期待が膨らむ。
「うん! あ~楽しかった~♪」
「だな。俺も久々にガキみたいにはしゃいだ」
「そうなの? あっ、そうだ俺帰りにデパ地下行かないと!」
「なら、俺も付き合う。夕飯はどうする?」
「俺のうちで食べない? 悠斗も来ると思うし!」
「そうだな……しっかり送り届けないと、後々面倒だ」
「面倒⁇ 由良りんが良ければ、連絡入れとく」
「ああ、丁度ユウと話したかったんだ」
悠斗にメールを送ると、夕飯の用意をしてくれるらしい。約束のいちご大福を購入し、由良りんと俺の家に向かった。
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