233 / 716
第6幕 計画は入念に、愛情込めて
39
しおりを挟む
唇を覆い少しずつ水を与えられる。口の中に冷たい液体が流し込まれ、火照った身体に染み渡ってくる。水がなくなると悠斗の舌に吸い付き、もっとちょうだいと舌を絡ませる。そんなことを続けるうちに、今度は眠気が襲ってくる。目を擦ろうとして止められる。
「ダメだよ瀬菜。コンタクト取らないと」
「ん……じゃ……もっろちゅうひて?」
「なんでちゅうなの? ほら、上向いて」
「んーー、ちゅうしらいのら」
上を向いてちゅうの体勢を取ると、悠斗はまぶたを固定しコンタクトを外した。キスをしてくれないことにぷーっと頬を膨らませると、ベッドに押し倒され啄むキスを何度も落とされ満足する。
「もうちゅうはいいの?」
「えへへっ……ゆうたん……すきらょ~~♪ ら~いしゅきぃ♡」
へらへらと笑いそう言うと、悠斗は大きなため息を吐き出し苦笑いを浮かべる。
「なにこの酔っ払い……。ハァ……祐一さんの家ってのが妬ましい……今度二人のときに飲ませよ」
「ゆうろ~♪ ねうぞぉ~~♪」
「はいはい……もう、ホントに……ちんこ痛い……」
「いらいの? いらいのいらいろ、とんれけ~~♪ あはは~~」
悠斗の股間をナデナデし、母親が子供をあやすときのように、何度も痛いの痛いの飛んでけ~とすると、悠斗は勘弁してと俺を胸にギュッと抱きしめ動けないようにした。
体温が心地良くてフワフワした頭に眠気が襲ってくる。背中を優しく撫でられているうちに、知らぬ間に眠りに落ちていた。悠斗は俺を寝かし付けしばらくすると、そっとベッドを下りみんなの元に戻って行った。
「ああ、悠斗君、瀬菜君大丈夫?」
「ええ……寝ていますよ」
「悠斗偉いじゃん。しばらく戻らないと思ったぜ。良く理性持たせたな」
「人をケダモノ扱いしないでくれる? 一応ここ祐一さん家だしね」
「別に僕は構わないけどね?」
「王子王子! ちょっと姫君を撮ってもいい?」
「村上君に撮らせるなんて勿体ない。そのカメラ貸して」
「えーー王子が撮るの? 俺意外とセンスあるよ?」
「お前らそっとしておけよ」
「雅臣が真面目発言なんて珍しい」
「ホント、ホント~! 柳ちゃんに対して愛情を感じた」
「アホか! 酔っ払った瀬菜が面倒なだけだ!」
多澤のひと言で俺のお眠り酔っ払いショットは回避されていた……ことは知らぬところだが、黒歴史を永久保存されずに済んだことには感謝したい。
目をパチッと開けると、薄暗い見慣れない室内で自分がどこにいるのか分からなかった。ギシっとスプリングを鳴らし身体を起こすと辺りを見渡す。ぼんやりと首を傾げ、今までなにをしていたか思い出そとすると、ズキンと頭に痛みを感じる。
頭の痛みに下を向くと、自分の格好にああそうかと納得する。ハロウインパーティを祐一さんの家でしていた。シャンパンが甘くて美味しくて一杯飲んだら、フワフワして……その先が思い出せない。
壁に掛けられたデジタル時計を見ると、自分が覚えている限りの時間から、だいぶ経過しているようだ。扉を開けると眩しい光にくらりとしてしまう。そんな俺を悠斗がそっと支えてくれた。
「大丈夫? 辛いところある?」
「……頭ちょっと痛い。俺どうしちゃったの?」
「ごめん瀬菜君、佐伯が間違えてアルコール提供しちゃったんだ」
「すまない瀬菜君。大人として情けない」
未成年にお酒を振る舞ってしまったことに、佐伯さんはずいぶん罪悪感を感じているようだ。
「……そういうことか。へへっ、佐伯さんでも間違えることあるんだな! 俺大人の仲間入り♪」
「折角のパーティーだったのに、本当に悪かった」
「頭痛いならコーヒーかな?」
「ダメだよ瀬菜。コンタクト取らないと」
「ん……じゃ……もっろちゅうひて?」
「なんでちゅうなの? ほら、上向いて」
「んーー、ちゅうしらいのら」
上を向いてちゅうの体勢を取ると、悠斗はまぶたを固定しコンタクトを外した。キスをしてくれないことにぷーっと頬を膨らませると、ベッドに押し倒され啄むキスを何度も落とされ満足する。
「もうちゅうはいいの?」
「えへへっ……ゆうたん……すきらょ~~♪ ら~いしゅきぃ♡」
へらへらと笑いそう言うと、悠斗は大きなため息を吐き出し苦笑いを浮かべる。
「なにこの酔っ払い……。ハァ……祐一さんの家ってのが妬ましい……今度二人のときに飲ませよ」
「ゆうろ~♪ ねうぞぉ~~♪」
「はいはい……もう、ホントに……ちんこ痛い……」
「いらいの? いらいのいらいろ、とんれけ~~♪ あはは~~」
悠斗の股間をナデナデし、母親が子供をあやすときのように、何度も痛いの痛いの飛んでけ~とすると、悠斗は勘弁してと俺を胸にギュッと抱きしめ動けないようにした。
体温が心地良くてフワフワした頭に眠気が襲ってくる。背中を優しく撫でられているうちに、知らぬ間に眠りに落ちていた。悠斗は俺を寝かし付けしばらくすると、そっとベッドを下りみんなの元に戻って行った。
「ああ、悠斗君、瀬菜君大丈夫?」
「ええ……寝ていますよ」
「悠斗偉いじゃん。しばらく戻らないと思ったぜ。良く理性持たせたな」
「人をケダモノ扱いしないでくれる? 一応ここ祐一さん家だしね」
「別に僕は構わないけどね?」
「王子王子! ちょっと姫君を撮ってもいい?」
「村上君に撮らせるなんて勿体ない。そのカメラ貸して」
「えーー王子が撮るの? 俺意外とセンスあるよ?」
「お前らそっとしておけよ」
「雅臣が真面目発言なんて珍しい」
「ホント、ホント~! 柳ちゃんに対して愛情を感じた」
「アホか! 酔っ払った瀬菜が面倒なだけだ!」
多澤のひと言で俺のお眠り酔っ払いショットは回避されていた……ことは知らぬところだが、黒歴史を永久保存されずに済んだことには感謝したい。
目をパチッと開けると、薄暗い見慣れない室内で自分がどこにいるのか分からなかった。ギシっとスプリングを鳴らし身体を起こすと辺りを見渡す。ぼんやりと首を傾げ、今までなにをしていたか思い出そとすると、ズキンと頭に痛みを感じる。
頭の痛みに下を向くと、自分の格好にああそうかと納得する。ハロウインパーティを祐一さんの家でしていた。シャンパンが甘くて美味しくて一杯飲んだら、フワフワして……その先が思い出せない。
壁に掛けられたデジタル時計を見ると、自分が覚えている限りの時間から、だいぶ経過しているようだ。扉を開けると眩しい光にくらりとしてしまう。そんな俺を悠斗がそっと支えてくれた。
「大丈夫? 辛いところある?」
「……頭ちょっと痛い。俺どうしちゃったの?」
「ごめん瀬菜君、佐伯が間違えてアルコール提供しちゃったんだ」
「すまない瀬菜君。大人として情けない」
未成年にお酒を振る舞ってしまったことに、佐伯さんはずいぶん罪悪感を感じているようだ。
「……そういうことか。へへっ、佐伯さんでも間違えることあるんだな! 俺大人の仲間入り♪」
「折角のパーティーだったのに、本当に悪かった」
「頭痛いならコーヒーかな?」
0
お気に入りに追加
237
あなたにおすすめの小説
いとしの生徒会長さま
もりひろ
BL
大好きな親友と楽しい高校生活を送るため、急きょアメリカから帰国した俺だけど、編入した学園は、とんでもなく変わっていた……!
しかも、生徒会長になれとか言われるし。冗談じゃねえっつの!

花婿候補は冴えないαでした
いち
BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。
本番なしなのもたまにはと思って書いてみました!
※pixivに同様の作品を掲載しています

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる