王子×悪戯戯曲

そら汰★

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第6幕 計画は入念に、愛情込めて

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 少し冷たいシャワーを浴びながら自分の醜態に恥じていた。別に媚薬を盛られた訳ではない。ただ、自分も悠斗に相当飢えていたということ。悠斗を出禁にしてから触れ合っていなかった。好きだから触りたくなるということが、なんとなく分かったような気がする。
 ガラリと浴室の扉が開き、悠斗が追いかけるように入って来る。身体は冷水を浴びても火照ったままだ。それは悠斗も同じで熱を冷ませていない様子だ。

「悠斗! 俺、淫乱になっちゃったかも!」

 俺の発言にまん丸に目を拡げ悠斗が硬直している。

「俺、悠斗にやり過ぎとか言って、でも俺も変なんだ! 悠斗に触りたくて堪らない!」

 固まったまま動かない悠斗にさらに言葉をスラスラと投げかけていく。

「俺、悠斗よりヤリチンなのかも!」

 そう言うと、やっとこ悠斗は動き出してくれた。

「……瀬菜……ヤリチンって意味分かってる? ヤリチンだと困るんだけど……」
「俺、悠斗のこととやかく言えない。……しばらく悠斗に触れていなかっただけなのに、したくて堪らないんだ。悠斗がエッチだけかもって思ったのに、俺もだなんて……自分勝手過ぎる。あ、でもちゃんと悠斗のことは好きだ。だけど俺、最低人間じゃね? このままじゃ悠斗のこと襲っちゃいそうだよ! だから今はちょっと……その──ッ」

 言い終わる前に悠斗はガバリと抱きついてくる。それから貪るように唇を塞がれ、何度も角度を変えながら歯列をなぞり口腔を愛撫していく。

「ふんッ……はぁ、んんっ……ふぁ」

 激しく唇を奪い合い唾液を絡ませ飲み込むと、またすぐにペニスが上向き始め、冷水を浴びていた意味がなくなってしまう。

「ねぇ、今日はやっぱり我慢しなくていい? 瀬菜にそんなこと言われちゃうと、縛ってでもヤリ潰したくなるんだけど。それ、わざとなの? 自分が煽っているって分かってる?」
「わざとって訳じゃないけど、誘ってはいるかも……しれない。俺、悠斗が愛しいよ」

 溢れる……気持ち……。
 募る……愛おしさ……。
 今この瞬間に肌を重ねたら……きっと……。

 全身が想像しただけで震え出す。怖いからではなく快感を求めて。
 悠斗の瞳がギラギラと雄を覗かせる。それが余計にビリビリと下肢に響くのだ。唇をペロリと舐められ、ニヤッとした悠斗が首筋に噛み付いてくる。強い雄に支配されるような感覚に目眩がする。首筋から乳首に移動して行く悠斗の唇に甘い吐息が漏れる。

「んっ、乳首……っ、きもちぃ……っ」
「クスッ……、ピンクでビンビンに尖ってる……可愛い」
「こっちも……して?」

 右を舌で転がされ、左を指で摘みこねられる。ぷくりと膨らんだ乳輪がテラテラと唾液で濡れ、いやらしく光っている。先端はピンと立ち上がり舐めてと訴えている。悠斗の太ももにペニスを擦り付けて、淫らに腰を振ってしまう。

「エロ過ぎ……」
「んっ……だって……ッ、イイのぉッちんこ……擦っちゃうよッ、あんッ」
「何度も出すとあとが辛いよ? おちんちんはちょっと我慢して?」
「はぅッ!」

 ギュっと乳首を噛まれ動きを止めてしまう。痛みが広がりしばらくすると、ジンジンとした快感に変わる。またペロペロと舐められ指でこねられると、熱が下肢にダイレクトに伝わっていく。イキたい気持ちがどんどん募る。
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