婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~

白井

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絶望と策略

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ステラは自室で伸びをしていた。

「いろんな人に話しかけるのって疲れるわね……」

 毎回毎回こんどこそ、と声をかけてはやんわり断られる。
 最近は婚約者探しが有名になっているのか、ステラの顔を見るだけで逃げる人もいるくらいだ。
 珍しく声をかけられたかと思えば冷やかしがほとんどで、それもすぐに去ってしまう。
 あまりにも手応えがないためハウンドに相談したこともある。

『自然体でいいんですよ。ステラ様はそのままで魅力的ですから。あまり気合を入れたところでそれが理解できる人も少ないですしね』

(それが出来たら苦労しないわよ。素の私なんか、気が強くてこの顔とセットで相手を萎縮させちゃうんだから)
 一人一人に気合を入れて会話をしているステラはすぐに疲弊してしまううえに、無意識に相手を威圧してしまうらしい。

「セシリアもブリジットもあんなの何年もこなしていたなんて尊敬する。私も、もっとがんばらなきゃ」

 婚約活動がうまくいっていない理由の半分以上が毎回背後でにらみを利かせているハウンドのせいだと気づいていないステラは、反省と共に決意を新たにするのだった。

 そのとき階下からブリジットに呼ばれる。
 妙に機嫌の良さそうな声に警戒しながらリビングルームへ向かうと、家族が勢ぞろいしていた。

「ステラ、一応聞いておくがハウンド君をブリジットに紹介するつもりはないんだな」

 父親はそうは聞いているものの、微塵も期待をしていないのは顔を見れば明白だった。

「何度もお伝えしていますが、私とハウンドはただの知りあいです。私は彼の連絡先も素性も知らないので紹介しようがありません」

 顔合わせ程度であればすでにこの家で済ませてあるし、ブリジットは自分で会いに行くタイプなのでステラに出来ることは本当にないのだ。

「はあ……。やはりお前は非協力的だな。姉妹だからといって、自分に姉と同じ権利があると思うのか? お前は婚約者に捨てられいまだに縁談もない不良債権なんだぞ」

「そのようですね。お力になれず申し訳ございません。お話はそれだけですか?」

 ピリ、と奇妙な気配があった。

(……なにかしら)

 父も母もブリジットも、ステラから目をそらさない。
 使用人の位置がいつもと違う。
 ステラは自室に帰ってひとまず安全圏を得ようと本能的に考え、話を切り上げようとした。

「いいえステラ。大事な話は今からなの」

 ブリジットが目線で合図を送ると、使用人たちがステラを取り囲んで無理やりどこかへ連れていこうとする。

「やめ……っ」

 向かう先はあの地下室だとすぐ察しがついた。
 けれどなぜ。
 ハウンドを紹介しないからだとしたら、馬鹿らしいにもほどがある。

「どうして!」
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