婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~

白井

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レイクガーデンの攻防3

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「あら? ブリジットも来ていたのね」

 ステラの印象では彼女は夜会にばかり参加していたはずだが、ここは家から近いのでいてもおかしくはない。

(ブリジット……私がハウンドからもらったドレスを着てるのね)

 遠目で分からないものの昼用のドレスというのもあり、普段の雰囲気と違って色合いもかなり大人しめのものを着ているようだ。
 そしてオレンジ色の髪をなびかせて人込みに突入していった。

「わっ、すごいわね! 他国で見たことあるわ。闘牛って言って牛同士や牛と人で戦わせるのだけど、あれその時の勢いに引けを取らないわよ」

 セシリアは固唾をのんで遠くの人だかりの様子を見つめている。

(セシリアの例えって独特ね)

 ステラは軽く肩をすくめる。
 どうやらグレアム家での内情を詳しく知っているらしい。
 ステラとブリジットの関係性も察しているのだろう。
 一応ステラの妹であるが悪く言うのにためらいがない。
 ブリジットは人込みをかき分け無事ハウンドの元にたどり着いたようだ。

 これを見ているとバーンズ家の舞踏会はかなり人を厳選していたのだと分かる。
 ブリジットの勢いに押された何人かはハウンドを諦めたのかまためいめい散策を始めたりしている。

「あ……」

 人込みの隙間から、ハウンドの腕に縋りつくようにくっついているブリジットが見えた。
 この距離では二人の表情までは分からないが、ハウンドはバーンズ家の舞踏会の時のように無視を決め込んでいるわけではなさそうだ。

(やっぱり舞踏会のときのあれはポーズだったのね。べつに、私が落ち込む理由なんかないのだけれど……)

 これ以上二人を見ていたくなくて、ステラは思わず俯く。
 ステラがいない場では普通に対応しているのだ。
 その方がいいに決まっているのだが、勝手に失望してしまいなんだか胸のあたりが重い。

(がっかりする筋合いはないし、むしろあの時が異常だったのよ。冷静にならないと。ああでも……)

「やっぱりブリジットみたいな子が好きなのかしら」

 ぼそりと呟いた言葉は誰に聞かせるためでもなく、ステラにとってはただの確認のようなものだった。

「ステラ……」

 しかしセシリアはその声を拾い、なんと声をかけたものかと逡巡していた。
 そんな二人に近づく影があった。
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