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歩けなくなった主人公ナオト

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僕の名前は早乙女ナオト。
16歳の男の子だ。
僕は、病気になってしまった。
治らない病気で、歩けなくなった。
悪化すると切断しないといけなくなる病気で、僕は生きる希望を無くしていた。
僕の家はマンションで、お父さんに育てられている。
けして裕福じゃないのに、僕のせいで引っ越ししないといけなくなった。
ごめんなさいお父さん。
生きていてごめんなさい…。
何度も心の中で謝った。
これからどうなるか不安しかない。

ある日、幼なじみのシズクから連絡があった。
シズク『僕のお家にナオトだけきませんか?』
それは、僕をシズクの家で預かりたいという申し出だった。
お父さんは最初は返事に困っていたけど、結果はその申し出を受け入れた。
シズクは両親が海外にいるんだが、高校を理由に日本に残っていた。
シズクの家はちょっと大きめなお家、車椅子も楽々入れるような広さ。
壁は防音で、窓も強化ガラスで、庭もある。
ちょっとしたお金持ちなのだ。
ちなみに、僕の覚えている範囲だけどシズクは賢い。
優しいし、皆に信頼されるような完璧主義者だ。
僕のことも大好きだった記憶がある。
そんなシズクにまで迷惑をかけるなんて、本当に僕はなんで生きてるんだろう?
いっそ自殺したいけど、そしたらもっと迷惑をかける。
僕に逃げ道なんてないんだ。
シズク、ごめんなさい…。

僕はシズクの家に来た。
シズク「ナオト!よく来てくれましたね!歓迎します!」
僕「…よろしくね」
車椅子の僕をぎゅっと抱きしめるシズク。
泣きそうになったけど堪えた。
荷物は必要最低限でいいと言われていたから、あんまり荷物が重くならなかった。
シズクは僕を車椅子から下ろし、お姫様抱っこで2階に運んだ。
住まわせてもらえるだけありがたいけど、なんでわざわざ2階に…?
不思議に思ったけどどうでもいいか。
部屋にはベッド、病院にあるような細長い机、収納スペースなどなど。とてもシンプルだ。
でも、よくみるとおかしい点がある。
窓の上のほうに、南京錠がついている。
それに、カメラも部屋の天井についていて、部屋に入るときにみた鍵は外から閉めるタイプだった。
僕(どういうこと?)
何かがおかしい。
まるでこれから監禁されるみたい。
シズク「足は麻痺とかしてるんですか?」
僕「あ、ううん。たまに痛いけど、薬飲んだら治るよ」
シズクは優しく微笑んでいる。
聞いてもいいのかな?
シズク「ナオト…」
僕「ん?何…?」
シズクが目をキラキラ輝かせて、怪しい光を放っている。
純粋な子供のような笑顔でこう囁いた。
シズク「これでもう、ナオトは逃げられません。この素晴らしい運命に、僕は僕の心も身体も命も捧げます!ナオト、全身全霊で愛してます!幸せにしますよ」

どうやら僕は、シズクの罠にはまってしまったようだ。
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