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第五章 ソレイユ地区“ソレイユ城”
17話 ワープ
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「なん……だと?」
ゴーシュの目が大きく開かれた。
「魔術師よ。それは誠か」
「どうして国王陛下に嘘などつけましょうか。これは紛れもない事実。王女様を殺したのはヴィオーラの娘であるミネに間違いはございません」
魔術師のすがるような言葉遣いに押されるように、ゴーシュはミネを冷たい瞳で見据えた。
「この者どもを捕らえよ。…我が娘はこの国の世継ぎである。ペルラを殺しておきながらのうのうと望みを言いおって。この恥知らずが!」
ゴーシュの言葉と共に、控えていた兵士がミネの周りを取り囲んだ。
「ミネ。逃げるわよ」
グノンは低い声で囁くように言った。
「えっ。でも、私は何も…」
「そんな事分かってる。でも、国王陛下の命令は覆されない。このままじゃ捕まるわ」
「同感よ。後のことは逃げてからにしましょう。」
ラピヌは鋭い視線をミネに向けた。
「ミネちゃん。私の傍を離れないで。」
ティーグルはそう言って呪文を唱えた。
「フォティア・トイコス!」
すると、敵からミネ達を隠すように火の壁が現れた。
ティーグルは、その壁を保ったままゆっくりと範囲を広げた。
「ラピヌちゃん。お願い」
「OK。任せて。………アビスモ・ジェルバ!」
ラピヌが地面に手をついて呪文を唱えると、その手から植物が伸び、円状にミネ達を包み込んだ。
それを見たラピヌが反対の手で指を鳴らすと植物が溶け、大きな穴が空いた。
当然植物の上に乗っていたミネ達は、その穴に落ちていった。
「ら、ラピヌ。これ…」
「大丈夫。みんなを城外にワープさせるわ。ミネ、戦う覚悟はしておくのよ。国王のあの目は本気だったもの。そう簡単に分かってもらえるとは思えないわ」
「そんな…」
「さぁミネ。口を閉じておいて。もうすぐ着くわ」
ミネは不安な気持ちのままラピヌに言われた通りに口をつぐんだ。
ワープ先は城から少し離れた路地裏だった。
「ふう…私も魔法の練習しなきゃだめね。ここまでワープするので精一杯だわ」
と言いつつ、ラピヌは満足そうだった。
「初めて成功してよかったわね」
グノンはため息をついて立ち上がった。
ミネはぎょっとした。
「えぇっ? 初めてなの?」
「そうよ。今まで失敗続きだったの。……って、ちょっと、そんな顔しないでよ。緊急事態なんだから仕方ないじゃない」
「そ、そうだけど…」
OK任せてと自信満々に答えたラピヌの姿が思い出された。
スティードは顔をしかめた。
「ちょっと、騒がしいわよ。…うるさいのは嫌いなのよね。いつ敵が来るか分からない状況だってのに。」
「…失礼失礼」
ラピヌは大人しく口を閉じた。
流石に冷静なスティードには逆らえないらしい。
「私が住んでる地区に行きましょう。安全とは限らないけど、ソレイユにいるよりはまだマシだわ」
スティードの意見に反対する者は1人もいなかった。
ティーグルは不安そうに呟いた。
「王様に分かってもらえるといいけど……」
ゴーシュの目が大きく開かれた。
「魔術師よ。それは誠か」
「どうして国王陛下に嘘などつけましょうか。これは紛れもない事実。王女様を殺したのはヴィオーラの娘であるミネに間違いはございません」
魔術師のすがるような言葉遣いに押されるように、ゴーシュはミネを冷たい瞳で見据えた。
「この者どもを捕らえよ。…我が娘はこの国の世継ぎである。ペルラを殺しておきながらのうのうと望みを言いおって。この恥知らずが!」
ゴーシュの言葉と共に、控えていた兵士がミネの周りを取り囲んだ。
「ミネ。逃げるわよ」
グノンは低い声で囁くように言った。
「えっ。でも、私は何も…」
「そんな事分かってる。でも、国王陛下の命令は覆されない。このままじゃ捕まるわ」
「同感よ。後のことは逃げてからにしましょう。」
ラピヌは鋭い視線をミネに向けた。
「ミネちゃん。私の傍を離れないで。」
ティーグルはそう言って呪文を唱えた。
「フォティア・トイコス!」
すると、敵からミネ達を隠すように火の壁が現れた。
ティーグルは、その壁を保ったままゆっくりと範囲を広げた。
「ラピヌちゃん。お願い」
「OK。任せて。………アビスモ・ジェルバ!」
ラピヌが地面に手をついて呪文を唱えると、その手から植物が伸び、円状にミネ達を包み込んだ。
それを見たラピヌが反対の手で指を鳴らすと植物が溶け、大きな穴が空いた。
当然植物の上に乗っていたミネ達は、その穴に落ちていった。
「ら、ラピヌ。これ…」
「大丈夫。みんなを城外にワープさせるわ。ミネ、戦う覚悟はしておくのよ。国王のあの目は本気だったもの。そう簡単に分かってもらえるとは思えないわ」
「そんな…」
「さぁミネ。口を閉じておいて。もうすぐ着くわ」
ミネは不安な気持ちのままラピヌに言われた通りに口をつぐんだ。
ワープ先は城から少し離れた路地裏だった。
「ふう…私も魔法の練習しなきゃだめね。ここまでワープするので精一杯だわ」
と言いつつ、ラピヌは満足そうだった。
「初めて成功してよかったわね」
グノンはため息をついて立ち上がった。
ミネはぎょっとした。
「えぇっ? 初めてなの?」
「そうよ。今まで失敗続きだったの。……って、ちょっと、そんな顔しないでよ。緊急事態なんだから仕方ないじゃない」
「そ、そうだけど…」
OK任せてと自信満々に答えたラピヌの姿が思い出された。
スティードは顔をしかめた。
「ちょっと、騒がしいわよ。…うるさいのは嫌いなのよね。いつ敵が来るか分からない状況だってのに。」
「…失礼失礼」
ラピヌは大人しく口を閉じた。
流石に冷静なスティードには逆らえないらしい。
「私が住んでる地区に行きましょう。安全とは限らないけど、ソレイユにいるよりはまだマシだわ」
スティードの意見に反対する者は1人もいなかった。
ティーグルは不安そうに呟いた。
「王様に分かってもらえるといいけど……」
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