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第四章 マルス地区“寅”
14話 想像力
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ティーグルと共に向かったのは大きなホテルだった。
「最近はこのホテルに滞在しているの。忙しいから家には帰れてなくて。あ、それとねっ。彼女も来てくれるって」
ティーグルは微笑んだ。その友達と確認がとれたらしい。
ティーグルは喜怒哀楽がすぐ顔に出るお人好しだとラピヌが教えてくれた。
「もう着くって?」
ミネが聞くとティーグルは嬉しそうに頷いた。
「用事があって丁度マルス地区に来てたんだって。近くだからすぐ行くって言ってくれたよ」
ミネ達はフロントに近いカフェで待つことにした。
ここは有名人専用に近いホテルだから、一般の人に会う可能性は極めて低い。
ミネは隣にいるグノンに話しかけた。
「グノンやラピヌも知ってる人?」
「ううん。知らないわ。国王と面識があるなんて…すごいことよ」
「だよね」
そんな話をしていると、ティーグルがフロントを指さして言った。
「ねぇ、みんな。来たよ」
ミネがフロントに目をやると、大人っぽく綺麗な人がやってくるのが見えた。
「彼女?」
「うん。スティードっていうの。十二支の一人だよ」
スティードはティーグルの側までやってきた。
「いつも突然呼び出すのね。私も暇じゃないのよ」
「ごめんなさい…」
ティーグルは拗ねながらも謝っている。
「で?私に話があるのは……あんた?」
スティードはミネをじっと見つめた。
「は、はい」
ミネは簡単な自己紹介とこれまでの経緯をスティードに話した。
スティードは表情を変えることなく黙って聞いていた。
「要するに、私が国王に聞けばいいのね。」
「……うん。」
「そう。でもその前にあんたはすることがある」
「すること?」
「大して強くもないくせに冒険が出来ると思ってるの?」
「そ、それは…」
ミネはたじろいだ。図星だったので返す言葉が見つからない。
「いい?まずはさっさと自分の属性を信用しなさい。そして、使い道を考える」
「…どういうこと?」
「何のために力を使うのか。使い方次第で力は善にも悪にもなる。あんたのその“闇”だって最初から悪いわけじゃない。」
「…私は……」
ミネは少し考えてから再び口を開いた。
「私は仲間を助けたい。私に協力してくれる皆を、守りたい」
「そう。それならまずは視野を広げる事ね。あらゆる情報を吸収して想像力をつける。新しい魔法を生み出すには想像するの。自分が今どんな魔法が必要なのか、その魔法を作るには何をすればいいのか。そして実践は夜にすることね。」
口調は冷たいものの、スティードは色々と教えてくれた。それはミネにとって自信をつけるためのものだ。
「私、頑張ってみる。ありがとう。えーっと…スティード、さん?」
「スティードでいい。その呼ばれ方は嫌いよ」
「わ、分かった。ありがとう。スティード」
「別に。」
スティードは椅子に座って店員に紅茶を注文している。
ティーグルはミネに耳打ちした。
「スティードはね、秘密警察なの。期待の新人って呼ばれてるわ」
「ひ、秘密警察!?」
「うん。あのね、秘密警察は、普通の警察とはちょっと違うの。簡単に言うと…スパイ。みたいな?」
「す、すごい…」
「でしょっ?スティードは強くて賢いから大活躍なの。国王陛下が注目なさるくらいだもん」
ティーグルは誇らしげに言った。
すると、ラピヌがにやにやしながらミネに囁いた。
「そーんな事言ってるけど、実はティーグルも相当強いのよ。悔しいけど、私よりも強いんだから。」
「最近はこのホテルに滞在しているの。忙しいから家には帰れてなくて。あ、それとねっ。彼女も来てくれるって」
ティーグルは微笑んだ。その友達と確認がとれたらしい。
ティーグルは喜怒哀楽がすぐ顔に出るお人好しだとラピヌが教えてくれた。
「もう着くって?」
ミネが聞くとティーグルは嬉しそうに頷いた。
「用事があって丁度マルス地区に来てたんだって。近くだからすぐ行くって言ってくれたよ」
ミネ達はフロントに近いカフェで待つことにした。
ここは有名人専用に近いホテルだから、一般の人に会う可能性は極めて低い。
ミネは隣にいるグノンに話しかけた。
「グノンやラピヌも知ってる人?」
「ううん。知らないわ。国王と面識があるなんて…すごいことよ」
「だよね」
そんな話をしていると、ティーグルがフロントを指さして言った。
「ねぇ、みんな。来たよ」
ミネがフロントに目をやると、大人っぽく綺麗な人がやってくるのが見えた。
「彼女?」
「うん。スティードっていうの。十二支の一人だよ」
スティードはティーグルの側までやってきた。
「いつも突然呼び出すのね。私も暇じゃないのよ」
「ごめんなさい…」
ティーグルは拗ねながらも謝っている。
「で?私に話があるのは……あんた?」
スティードはミネをじっと見つめた。
「は、はい」
ミネは簡単な自己紹介とこれまでの経緯をスティードに話した。
スティードは表情を変えることなく黙って聞いていた。
「要するに、私が国王に聞けばいいのね。」
「……うん。」
「そう。でもその前にあんたはすることがある」
「すること?」
「大して強くもないくせに冒険が出来ると思ってるの?」
「そ、それは…」
ミネはたじろいだ。図星だったので返す言葉が見つからない。
「いい?まずはさっさと自分の属性を信用しなさい。そして、使い道を考える」
「…どういうこと?」
「何のために力を使うのか。使い方次第で力は善にも悪にもなる。あんたのその“闇”だって最初から悪いわけじゃない。」
「…私は……」
ミネは少し考えてから再び口を開いた。
「私は仲間を助けたい。私に協力してくれる皆を、守りたい」
「そう。それならまずは視野を広げる事ね。あらゆる情報を吸収して想像力をつける。新しい魔法を生み出すには想像するの。自分が今どんな魔法が必要なのか、その魔法を作るには何をすればいいのか。そして実践は夜にすることね。」
口調は冷たいものの、スティードは色々と教えてくれた。それはミネにとって自信をつけるためのものだ。
「私、頑張ってみる。ありがとう。えーっと…スティード、さん?」
「スティードでいい。その呼ばれ方は嫌いよ」
「わ、分かった。ありがとう。スティード」
「別に。」
スティードは椅子に座って店員に紅茶を注文している。
ティーグルはミネに耳打ちした。
「スティードはね、秘密警察なの。期待の新人って呼ばれてるわ」
「ひ、秘密警察!?」
「うん。あのね、秘密警察は、普通の警察とはちょっと違うの。簡単に言うと…スパイ。みたいな?」
「す、すごい…」
「でしょっ?スティードは強くて賢いから大活躍なの。国王陛下が注目なさるくらいだもん」
ティーグルは誇らしげに言った。
すると、ラピヌがにやにやしながらミネに囁いた。
「そーんな事言ってるけど、実はティーグルも相当強いのよ。悔しいけど、私よりも強いんだから。」
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