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第二章 アプリル地区 “卯”
6話 ラピヌの悪戯
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声をかけてきたのは可愛らしい女の子だった。
街の雰囲気に合わせたかのような、淡いピンク色のワンピースを身に纏っている。
「あなたは…?」
ミネの問いに、その女の子は顔を赤らめて答えた。
「自己紹介もせずに突然話しかけてしまって……。驚かせてしまいましたね。私はラピヌと申します。貴方は?」
「私はミネです。こっちは双子の…」
「グラセです。隣は兄のプランツェ」
「……どうも」
「あの…さっきのお話…」
ミネが話を切り出すと、ラピヌは笑顔をたたえて言った。
「泊まるところを探してるって街の方から聞いたの。もし良かったら私の家に泊まっていくといいわ」
「いいんですか…?」
「もちろん。是非来て欲しいわ。両親はあまり帰ってこないし、寂しくって」
「じゃあ…お願いします」
ミネはグラセと顔を見合わせてから頭を下げた。
ラピヌが案内してくれたのは、驚くほど大きなお屋敷だった。
「すごい……」
白と薄いピンクで統一された優しい色合いの建物で、その周りを取り囲むように花々が咲き乱れている。
そして玄関へと向かう石畳の通路の途中には泳げそうなほど巨大で贅沢な噴水が、太陽を反射して煌びやかな光を放っていた。
門の外からでもこの屋敷の素晴らしさは一目瞭然だ。
一言で例えるなら…絵本の世界というべきだろう。
ラピヌは愉しそうに言った。
「アプリル地区の中で1番大きな屋敷なの。さすがにお城には敵わないけれど」
「本当に…泊まってもいいの?」
ミネの言葉に、ラピヌはにっこりと微笑んだ。
「もちろん。…どうして何度も確認するの?」
「いや、だって…。私貧乏だし」
「そんなの関係ないわ。あなた方が気になるだけだから。……そうねぇ、でも………」
ラピヌはミネをじっと見つめた。
「……ラピヌ?」
「ちょっと入って」
そう言うと、ラピヌは門を開いて手招きした。
「それなら私と勝負しましょ。勝った方が何でも好きな要求が出来るってことで」
「勝負…?」
「えぇ。御三方の中から1人。1番強い方でお願いするわ」
「そんな急に…」
「もちろん勝負は魔法でね。」
「はぁ…」
ミネは助けを求めてプランツェとグラセを見つめると、2人とも「お前がやれよ。」と言わんばかりの顔をしている。
「人任せだ…」
ミネはため息をついた。
ラピヌは笑顔で言った。
「大丈夫。遠慮はいらないわ」
街の雰囲気に合わせたかのような、淡いピンク色のワンピースを身に纏っている。
「あなたは…?」
ミネの問いに、その女の子は顔を赤らめて答えた。
「自己紹介もせずに突然話しかけてしまって……。驚かせてしまいましたね。私はラピヌと申します。貴方は?」
「私はミネです。こっちは双子の…」
「グラセです。隣は兄のプランツェ」
「……どうも」
「あの…さっきのお話…」
ミネが話を切り出すと、ラピヌは笑顔をたたえて言った。
「泊まるところを探してるって街の方から聞いたの。もし良かったら私の家に泊まっていくといいわ」
「いいんですか…?」
「もちろん。是非来て欲しいわ。両親はあまり帰ってこないし、寂しくって」
「じゃあ…お願いします」
ミネはグラセと顔を見合わせてから頭を下げた。
ラピヌが案内してくれたのは、驚くほど大きなお屋敷だった。
「すごい……」
白と薄いピンクで統一された優しい色合いの建物で、その周りを取り囲むように花々が咲き乱れている。
そして玄関へと向かう石畳の通路の途中には泳げそうなほど巨大で贅沢な噴水が、太陽を反射して煌びやかな光を放っていた。
門の外からでもこの屋敷の素晴らしさは一目瞭然だ。
一言で例えるなら…絵本の世界というべきだろう。
ラピヌは愉しそうに言った。
「アプリル地区の中で1番大きな屋敷なの。さすがにお城には敵わないけれど」
「本当に…泊まってもいいの?」
ミネの言葉に、ラピヌはにっこりと微笑んだ。
「もちろん。…どうして何度も確認するの?」
「いや、だって…。私貧乏だし」
「そんなの関係ないわ。あなた方が気になるだけだから。……そうねぇ、でも………」
ラピヌはミネをじっと見つめた。
「……ラピヌ?」
「ちょっと入って」
そう言うと、ラピヌは門を開いて手招きした。
「それなら私と勝負しましょ。勝った方が何でも好きな要求が出来るってことで」
「勝負…?」
「えぇ。御三方の中から1人。1番強い方でお願いするわ」
「そんな急に…」
「もちろん勝負は魔法でね。」
「はぁ…」
ミネは助けを求めてプランツェとグラセを見つめると、2人とも「お前がやれよ。」と言わんばかりの顔をしている。
「人任せだ…」
ミネはため息をついた。
ラピヌは笑顔で言った。
「大丈夫。遠慮はいらないわ」
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