35 / 47
第五夜
五度目の静謐
しおりを挟む
真夜中 25:00
玄関の時計が、一つ鳴った。
ここに来てから今日が一番長生きしていることに気づくと、俺は苦笑いを浮かべる。
手紙を読んで今までにわかったことは、この孤児院はシュゼット嬢の家…ランカスター家の援助によって成っていたということ。だからシュゼット嬢は頻繁に足を運び、子育てについての相談もしていたのだろう。そして何故、領主によって彼女の家が没落した後も孤児院は存続していたかという事も。
思えば十年ほど前。俺の在籍中に、一度は孤児院が人手にわたりかけた。遠い記憶だが、覚えている会話があった。
『ランカスター家の物は、全て俺たちのものなんだよ! わかったらさっさと荷物まとめて出て行きやがれ!』
そう言って暴力を振るった連中からシスターを庇ってからの記憶が途切れたが、あの後はどうなったのか覚えていない。
だがその後で暴漢どもは姿を消していた。なぜこうなったのかは教えてもらえなかったが、平和な日々が戻って安心した事は覚えている。
話を戻そう。手紙や手記の内容をさらにまとめていく。おそらくこれは、執事さんの書いたものだろう。
シュゼット嬢も彼女の旦那さんも亡くなり、ランカスター家の後継者は赤子を残して絶えてしまった。後継者不在となれば、その家は消滅する。だが親族はいるはずだ。となれば、一時親族に預けてランカスター家の後継者として残された赤子を育ててもらうこともできるはず。
だがこの場合は特殊な事例に過ぎた。両親を亡くしたその子は、聖職者まで抱き込んだ領主の言いがかりによって『悪魔の子』とされるだろう。親族にまで累が及ぶことを恐れた旦那さんは、苦肉の策として孤児院に預けざるを得なかった…。
心ならずも彼らを見捨てる形となった親族は、せめてもの罪滅ぼしを行なった。ほとぼりが冷めてランカスター家の後継者として再び戻れる日まで財産をそのまま留め置くべく手続きをとったのだ。そして孤児院にも援助を続けている。一時は詐欺か何かを仕掛けられて人手に渡りかけたが、いち早く不正を正して孤児院を守った。これがあの時の真相だったのか。
哀れな親族の娘が、これ以上の苦難を味わうことのないように。できうる最善を尽くして。
だが一つだけ解せぬことがある。
これだけ悪事を重ねて、何故領主たちは捕まる事もなければ怨んだ人間の手によって暗殺される事もなかったのか?
そして彼らの末路が『死亡』ではなく『行方不明』となっているのは何故か?
これ以上の事は分かりそうにない。そう思い、写真を戻そうと手帳を取り出した時だった。
情報を書きつけたページが開いた。何気なく文字を目で追うと、ふと思い出す。
『悪魔祓いの剣』…。そうだ、領主がシュゼット嬢に言いがかりをつけるきっかけとも言える剣の存在をはっきりさせなければ。
この場所に来て、俺は最も重要な秘密にたどり着いている。赤子の存在をここまでして隠し続けたのは、悪魔の子としてその子が迫害されることを恐れたため。思えば絵画に混じって武器が展示されていたのも、赤子を描いた絵画を抜き取って隠したためだろう。順番から言って、その空白部分に武器を置いていたのだ。それそのものが、ヒントだったのかもしれない。
大切な、大切な子供。シュゼット嬢の望みは、我が子の無事を確認することだったのだ。
そして執事さんの望みは、シュゼット嬢の魂をこの異常現象から解放すること。
なら『悪魔祓いの剣』は、何らかの役割を持っているのだろうか?
探さなくては、という気になった。なんの役割りを持っているのか、実在するのかという疑問は感じなかった。ただ重要な役割を持っている、そう直感してならなかった。
いつのまにか、地下から響く呻き声は途切れている。ということは、あの二人はもう…。
とにかく急ごう。彼らが息絶えているならば、今度は俺の番かもしれない。その前に、できることをしておかなければ…!
手近な棚や引き出しを探り、念のため絵画の裏を探ってみるが手応えはない。ならば、と手記を全て引っ張り出して積み上げてみた。からくりが多いこの屋敷のことだ、ここにも何か仕掛けがあるのかもしれない。
なるべく順番を崩さぬように書物を抜き出し、書架の奥を探ってみる。すると…抜き出した書架の奥に、小さな扉が見つかった。
四桁のダイヤル錠が付いている。これを正しく入れなくては開かないということか。
思いつく限りの番号を順に入れてみる必要がありそうだ。なら…。
五十年前の年数、シュゼット嬢が亡くなったと思われる日付、新聞の記事にあった日付…。どれも開かなかった。
この部屋にヒントを求めて見回すと、最初に見つけた絵画のところに戻ってみた。
『愛しのエリザベスと。XXXX年、四月二十五日生まれ』
タイトルにはそうある。…まさか?
試しにダイヤル錠に、エリザベス嬢の誕生日を入れてみた。確かな手応え…開いた!
____ザシュ!
「…あ…!」
しまった…まだ、罠があったとは…!
横合いから発射されたと思われる細い矢が、俺の左腕に突き刺さっている。抜く間ももどかしく急いで開いた扉を探ると、純銀製と思われる剣が出てきた。
「これが、悪魔祓いの剣…?」
『慈悲の短剣』に比べると若干長めで、シンプルな作りだ。 だが聖句や聖印も刻まれており、凛とした美しさがある。やっと、見つけた…!
喜びもつかの間、俺は体の異常に気がついた。おかしい、矢傷が妙に熱を持っている。身体に力が入らない。
そうか、矢毒…!
オリバーの死因を思い出すと、剣を抱えながら矢を抜こうとしてみる。だが鏃に返しがついているらしい。さらには力が入らず、抜けそうにない。最初は冷たく感じたじくじくとした痛みが、熱に取って代わり出していた。毒が、回り始めているようだ。
それなら、せめてこの部屋から出なくては。
シュゼット嬢の思い出や、美しい絵画を掲げた部屋を…俺の死で汚すわけにはいかない。
脱力する足に鞭打ち、少しずつ進行する毒に抗うと壁にもたれながら部屋を後にする。
ジワリとした痛みは、いつしか激痛に変わりつつあった。荒い息を吐きながら、必死に歩を進める。
脈拍が異常に早くなっている。心臓がキリキリ痛む。熱いのか寒いのかわからない。
「…っ…! もう、少し…!」
ようやくのことで隠し部屋から出ると、そこで剣を抱えたまま書棚にもたれかかる形で動けなくなった。
ちょうど、オリバーの幻と並ぶような位置だ。苦笑しながら荒く息をつく。たった一人だと思っていたが、ここなら。友人に看取ってもらえると思えば、悪くない。
ひっそりとした静謐をたたえた図書室は、案外居心地がいい。耐え難い熱を持った身体には、ひんやりとした空気は心地よい。それに…一人じゃない。
答えなど返ってこないとわかっていたが、俺はすぐそばのオリバーに語りかける。
「オリバーも…あの絵を、見たんだな…」
だからこそ、自らあの部屋を後にしたのだ。自分の無残な死に様を、あの神聖な思い出の場所に留めたくなくて。
彼の足元に転がる煙草を見て、俺は苦笑する。
「こんな時でも最期に…煙草を吸いたがるって…君らしいよ、全く…」
既に回った毒は全身を蝕みつつあった。ブレつつある視界に友の幻を納め、さらに言葉を綴る。
「覚えてるか…? 前に、孤児院に遊びに…きたときのこと…。アニーとステアに…背中に登られて、困ってたよな…」
昨日のことのように思い出す光景。穏やかな春のある日、シスターの誕生日会にオリバーが来てくれた時のこと。
常に見ない大男の出現に、子供達は歓声をあげていた。肩車してもらったやんちゃなテリィは、ご機嫌で手を振り回してそばにいたシスターの頭巾をすっ飛ばしてしまったな…。あの時は、みんな笑った…後でシスターには怒られたけれど。
…ああ、そうか。
答えはもう出ていたいたんじゃないか…。
うららかな春の、誕生会に…。
静かな闇に包まれた図書室の片隅で、弱々しい咳が響く。これでもう、俺も終わりかな…。
これで死ぬのも五回目。これで本当に、この世とは縁が切れるかもしれない。
矢毒による熱と痛みは、いつしか寒さと倦怠感に変わっている。剣を抱えた左腕の感覚は無くなりかけていた。
「…済まない、オリバー…。助けて…くれた…のに…」
あの時、飛んできた毒矢から助けてくれたのはオリバーだったという確信があった。
重い右手をオリバーに向けて伸ばす。その手は彼の肩に触れることはなく、ただ空を掴むだけに過ぎなかったけれども。
「解放して…あげたかった…なぁ…」
ようやく、全ての答えに辿り着いた。事件の真相にも、彼女の望みも。
シュゼット嬢の淡い微笑みが胸によぎる。
「せめて…あと…一度…」
ぱたりと伸ばした手が落ちる。その手を追うように、身体が傾ぐ。
抱えていた剣が立てる、澄んだ響き。
それが、最後の記憶となった。
玄関の時計が、一つ鳴った。
ここに来てから今日が一番長生きしていることに気づくと、俺は苦笑いを浮かべる。
手紙を読んで今までにわかったことは、この孤児院はシュゼット嬢の家…ランカスター家の援助によって成っていたということ。だからシュゼット嬢は頻繁に足を運び、子育てについての相談もしていたのだろう。そして何故、領主によって彼女の家が没落した後も孤児院は存続していたかという事も。
思えば十年ほど前。俺の在籍中に、一度は孤児院が人手にわたりかけた。遠い記憶だが、覚えている会話があった。
『ランカスター家の物は、全て俺たちのものなんだよ! わかったらさっさと荷物まとめて出て行きやがれ!』
そう言って暴力を振るった連中からシスターを庇ってからの記憶が途切れたが、あの後はどうなったのか覚えていない。
だがその後で暴漢どもは姿を消していた。なぜこうなったのかは教えてもらえなかったが、平和な日々が戻って安心した事は覚えている。
話を戻そう。手紙や手記の内容をさらにまとめていく。おそらくこれは、執事さんの書いたものだろう。
シュゼット嬢も彼女の旦那さんも亡くなり、ランカスター家の後継者は赤子を残して絶えてしまった。後継者不在となれば、その家は消滅する。だが親族はいるはずだ。となれば、一時親族に預けてランカスター家の後継者として残された赤子を育ててもらうこともできるはず。
だがこの場合は特殊な事例に過ぎた。両親を亡くしたその子は、聖職者まで抱き込んだ領主の言いがかりによって『悪魔の子』とされるだろう。親族にまで累が及ぶことを恐れた旦那さんは、苦肉の策として孤児院に預けざるを得なかった…。
心ならずも彼らを見捨てる形となった親族は、せめてもの罪滅ぼしを行なった。ほとぼりが冷めてランカスター家の後継者として再び戻れる日まで財産をそのまま留め置くべく手続きをとったのだ。そして孤児院にも援助を続けている。一時は詐欺か何かを仕掛けられて人手に渡りかけたが、いち早く不正を正して孤児院を守った。これがあの時の真相だったのか。
哀れな親族の娘が、これ以上の苦難を味わうことのないように。できうる最善を尽くして。
だが一つだけ解せぬことがある。
これだけ悪事を重ねて、何故領主たちは捕まる事もなければ怨んだ人間の手によって暗殺される事もなかったのか?
そして彼らの末路が『死亡』ではなく『行方不明』となっているのは何故か?
これ以上の事は分かりそうにない。そう思い、写真を戻そうと手帳を取り出した時だった。
情報を書きつけたページが開いた。何気なく文字を目で追うと、ふと思い出す。
『悪魔祓いの剣』…。そうだ、領主がシュゼット嬢に言いがかりをつけるきっかけとも言える剣の存在をはっきりさせなければ。
この場所に来て、俺は最も重要な秘密にたどり着いている。赤子の存在をここまでして隠し続けたのは、悪魔の子としてその子が迫害されることを恐れたため。思えば絵画に混じって武器が展示されていたのも、赤子を描いた絵画を抜き取って隠したためだろう。順番から言って、その空白部分に武器を置いていたのだ。それそのものが、ヒントだったのかもしれない。
大切な、大切な子供。シュゼット嬢の望みは、我が子の無事を確認することだったのだ。
そして執事さんの望みは、シュゼット嬢の魂をこの異常現象から解放すること。
なら『悪魔祓いの剣』は、何らかの役割を持っているのだろうか?
探さなくては、という気になった。なんの役割りを持っているのか、実在するのかという疑問は感じなかった。ただ重要な役割を持っている、そう直感してならなかった。
いつのまにか、地下から響く呻き声は途切れている。ということは、あの二人はもう…。
とにかく急ごう。彼らが息絶えているならば、今度は俺の番かもしれない。その前に、できることをしておかなければ…!
手近な棚や引き出しを探り、念のため絵画の裏を探ってみるが手応えはない。ならば、と手記を全て引っ張り出して積み上げてみた。からくりが多いこの屋敷のことだ、ここにも何か仕掛けがあるのかもしれない。
なるべく順番を崩さぬように書物を抜き出し、書架の奥を探ってみる。すると…抜き出した書架の奥に、小さな扉が見つかった。
四桁のダイヤル錠が付いている。これを正しく入れなくては開かないということか。
思いつく限りの番号を順に入れてみる必要がありそうだ。なら…。
五十年前の年数、シュゼット嬢が亡くなったと思われる日付、新聞の記事にあった日付…。どれも開かなかった。
この部屋にヒントを求めて見回すと、最初に見つけた絵画のところに戻ってみた。
『愛しのエリザベスと。XXXX年、四月二十五日生まれ』
タイトルにはそうある。…まさか?
試しにダイヤル錠に、エリザベス嬢の誕生日を入れてみた。確かな手応え…開いた!
____ザシュ!
「…あ…!」
しまった…まだ、罠があったとは…!
横合いから発射されたと思われる細い矢が、俺の左腕に突き刺さっている。抜く間ももどかしく急いで開いた扉を探ると、純銀製と思われる剣が出てきた。
「これが、悪魔祓いの剣…?」
『慈悲の短剣』に比べると若干長めで、シンプルな作りだ。 だが聖句や聖印も刻まれており、凛とした美しさがある。やっと、見つけた…!
喜びもつかの間、俺は体の異常に気がついた。おかしい、矢傷が妙に熱を持っている。身体に力が入らない。
そうか、矢毒…!
オリバーの死因を思い出すと、剣を抱えながら矢を抜こうとしてみる。だが鏃に返しがついているらしい。さらには力が入らず、抜けそうにない。最初は冷たく感じたじくじくとした痛みが、熱に取って代わり出していた。毒が、回り始めているようだ。
それなら、せめてこの部屋から出なくては。
シュゼット嬢の思い出や、美しい絵画を掲げた部屋を…俺の死で汚すわけにはいかない。
脱力する足に鞭打ち、少しずつ進行する毒に抗うと壁にもたれながら部屋を後にする。
ジワリとした痛みは、いつしか激痛に変わりつつあった。荒い息を吐きながら、必死に歩を進める。
脈拍が異常に早くなっている。心臓がキリキリ痛む。熱いのか寒いのかわからない。
「…っ…! もう、少し…!」
ようやくのことで隠し部屋から出ると、そこで剣を抱えたまま書棚にもたれかかる形で動けなくなった。
ちょうど、オリバーの幻と並ぶような位置だ。苦笑しながら荒く息をつく。たった一人だと思っていたが、ここなら。友人に看取ってもらえると思えば、悪くない。
ひっそりとした静謐をたたえた図書室は、案外居心地がいい。耐え難い熱を持った身体には、ひんやりとした空気は心地よい。それに…一人じゃない。
答えなど返ってこないとわかっていたが、俺はすぐそばのオリバーに語りかける。
「オリバーも…あの絵を、見たんだな…」
だからこそ、自らあの部屋を後にしたのだ。自分の無残な死に様を、あの神聖な思い出の場所に留めたくなくて。
彼の足元に転がる煙草を見て、俺は苦笑する。
「こんな時でも最期に…煙草を吸いたがるって…君らしいよ、全く…」
既に回った毒は全身を蝕みつつあった。ブレつつある視界に友の幻を納め、さらに言葉を綴る。
「覚えてるか…? 前に、孤児院に遊びに…きたときのこと…。アニーとステアに…背中に登られて、困ってたよな…」
昨日のことのように思い出す光景。穏やかな春のある日、シスターの誕生日会にオリバーが来てくれた時のこと。
常に見ない大男の出現に、子供達は歓声をあげていた。肩車してもらったやんちゃなテリィは、ご機嫌で手を振り回してそばにいたシスターの頭巾をすっ飛ばしてしまったな…。あの時は、みんな笑った…後でシスターには怒られたけれど。
…ああ、そうか。
答えはもう出ていたいたんじゃないか…。
うららかな春の、誕生会に…。
静かな闇に包まれた図書室の片隅で、弱々しい咳が響く。これでもう、俺も終わりかな…。
これで死ぬのも五回目。これで本当に、この世とは縁が切れるかもしれない。
矢毒による熱と痛みは、いつしか寒さと倦怠感に変わっている。剣を抱えた左腕の感覚は無くなりかけていた。
「…済まない、オリバー…。助けて…くれた…のに…」
あの時、飛んできた毒矢から助けてくれたのはオリバーだったという確信があった。
重い右手をオリバーに向けて伸ばす。その手は彼の肩に触れることはなく、ただ空を掴むだけに過ぎなかったけれども。
「解放して…あげたかった…なぁ…」
ようやく、全ての答えに辿り着いた。事件の真相にも、彼女の望みも。
シュゼット嬢の淡い微笑みが胸によぎる。
「せめて…あと…一度…」
ぱたりと伸ばした手が落ちる。その手を追うように、身体が傾ぐ。
抱えていた剣が立てる、澄んだ響き。
それが、最後の記憶となった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
神送りの夜
千石杏香
ホラー
由緒正しい神社のある港町。そこでは、海から来た神が祀られていた。神は、春分の夜に呼び寄せられ、冬至の夜に送り返された。しかしこの二つの夜、町民は決して外へ出なかった。もし外へ出たら、祟りがあるからだ。
父が亡くなったため、彼女はその町へ帰ってきた。幼い頃に、三年間だけ住んでいた町だった。記憶の中では、町には古くて大きな神社があった。しかし誰に訊いても、そんな神社などないという。
町で暮らしてゆくうち、彼女は不可解な事件に巻き込まれてゆく。
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
呪配
真霜ナオ
ホラー
ある晩。いつものように夕食のデリバリーを利用した比嘉慧斗は、初めての誤配を経験する。
デリバリー専用アプリは、続けてある通知を送り付けてきた。
『比嘉慧斗様、死をお届けに向かっています』
その日から不可解な出来事に見舞われ始める慧斗は、高野來という美しい青年と衝撃的な出会い方をする。
不思議な力を持った來と共に死の呪いを解く方法を探す慧斗だが、周囲では連続怪死事件も起こっていて……?
「第7回ホラー・ミステリー小説大賞」オカルト賞を受賞しました!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
182年の人生
山碕田鶴
ホラー
1913年。軍の諜報活動を支援する貿易商シキは暗殺されたはずだった。他人の肉体を乗っ取り魂を存続させる能力に目覚めたシキは、死神に追われながら永遠を生き始める。
人間としてこの世に生まれ来る死神カイと、アンドロイド・イオンを「魂の器」とすべく開発するシキ。
二人の幾度もの人生が交差する、シキ182年の記録。
(表紙絵/山碕田鶴)
※2024年11月〜 加筆修正の改稿工事中です。本日「59」まで済。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
ミコトサマ
都貴
ホラー
神座山並町でまことしやかに囁かれる、白い着物に長い黒髪の女の幽霊ミコトサマの噂。
その噂を検証する為、綾奈は高校の友人達と共に町外れの幽霊屋敷を訪れる。
そこで彼女達は、背筋が凍えるような恐ろしい体験をした。
恐怖はそれで終わらず、徐々に彼女達の日常を蝕みはじめ―…。
長編の純和風ホラー小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる