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intermission 2 ~わらしべアーシェ~

占い学科の実験ってナニ!?

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Side-アーシェ 1

 「ラッキーアイテム?」
 放課後、いつもの魔術師ギルドの教室で。あたしはキテレツな話を聞いた。
「そ。占いが得意なナナ先輩が、ちょっとだけ実験に付き合って欲しいんだって」

 この話を持ち込んだのは、相も変わらずの『情報屋』コギー。どこから仕入れてくるのかは謎だけど、しばらく冒険に行ってなくて退屈を持て余してたあたしにとっては魅力的な提案だった。
「面白そうだけど、占いで実験って何?」
「さあ? とりあえず興味を持ったんなら、行ってみる? 占い学科に」
「そうねえ…」

 気の無いフリはしてみたけど、やっぱり気になる占い実験! 気の無いフリしながらの「行くだけ行ってみようかな」って返しで、コギーは「よし、行こ行こ♪」ってあたしを引っ張って行った。さすがね、あたしがかなり惹かれてることが分かった上でのこの速攻! というよりもやっぱり,コギーも気になってたんだ。

 占い学科っていうのは、このギルドの中でもちょっとだけ異質な学科。未来の予測っていうふわっとした現象を研究してる。でも「未来に起こりうる悲劇を未然に防げる」って理由で、かなり真面目に研究されているんだよね。人によって水晶玉を使ったり、カードを使ったりって様々だけど根っこは同じ研究内容だから、何使ってもいいんだって。もう一人の親友、セーラも来年からここの学科志望なんだって言ってた。見学兼ねて誘ったんだけど、別件の用事があって、来れないって…残念。


 占い学科の教室は、すぐ隣の校舎。薄暗くカーテンを引いて、怪しさ大爆発! でもなんか惹かれるものもある、フシギな場所だった。
 壁や天井から薬草やニンニク、護符なんかがつるされている。うん、面白そう! 来てよかった♪
「ナナ先輩~? どこですか?」
 奥に向かってコギーが呼びかけると、ちょうど後ろにかかっていたカーテンが開いて誰か出てきた。
「そんな大きな声出さなくても、聞こえてるわよ…あら、コギーじゃないの。その子は新しい生け贄候補かしら?」
 気だるげな声とともに、神秘的な銀髪のお姉さんが水晶玉を抱えて現れた。うわぁキレイな人だ…って思わず見とれちゃったけど、ちょっと待った。
「…いけにえ?」
 なんか聞き捨てならないセリフをさらっと口にしなかった、このヒト?
「違いますよ、今度は! ほら、占いの実験! 協力してくれるって子ですよ!」
 ちょ、コギー?! ナニよ「今度は」って? 
「ねえ、何いけにえって?」
 とりあえず怖いけど、そこんとこだけハッキリさせてもらわなきゃ!
「あら、実験? お願いしちゃっていいのかしら? ああ、安心して。簡単な事だから」
「いや、あたしが欲しいのはそっちの安心じゃなくて…」

 
 その後。半分押し切られる形で、あたしは実験に参加することになっちゃった。まあ、内容はホント簡単なんだけどね。 ちょっとだけ魔法? をかけられた後にこの建物を出て、初めて手にしたものを持ち歩くだけ。それがラッキーアイテムになるんだって。なんなのそれ?

 とりあえず一人で外を出歩く。お散歩みたい、天気も良いしいい気分! ショッピングでも行きたい気分だけど、実験中だし無理だよね…。
 まあいいや、気ままに歩けばいいんだし。そう思いながら運河沿いの土手に差し掛かった時、いきなり足を滑らせた。
「ひゃあっ!?」
 我ながら色気のない悲鳴をあげながら土手の地面に慌ててしがみつく。おかげでなんとかそれ以上、滑り落ちずに済んだ。って、あれ…? 
 あたしの手には、コケた弾みでつかんだ猫じゃら草が一本。ナナ先輩の説明だと、初めに掴んだものがラッキーアイテムって話だったから…。
「えええ…ラッキーアイテムって、コレ?」
 捨てちゃおっかなとも思ったけど、やっぱり今は実験中だし、いちおうもっていくことにした。

 ちょっとがっかりだけどね…。
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