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mission 5 冒険者は 期間限定教師?

後片付けの時間

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Side-アーチ 5

  あー…明日にゃ、エルダードに帰還か。
  オレは暇つぶしで学校の裏山で草笛吹くのにも飽き、青空と草の匂いを思いっきり吸い込んだ。案外長かったよな…。

「アーチせんせー!」
「お?」
  振り返りゃチビっこい人影が草をかき分けながら駆け上がってくるところだった。
「…マヤ? どした?」
  オレのそばまで来て、彼女は肩で息をしながら花を差し出した。
「お礼。助けてくれたから」

 このおとなしいチビ…マヤは、ちょっとばかし体が弱い。その事でいじめられていたらしく、気も小せぇ。さらにゃ訴えてもあのクソ教師は被害者のマヤばかりを責めやがった。
「あのクソ教師はシメといたから、心配すんな! もう戻ってこれねェよ」
  
  具体的にゃ何やったかって? 簡単さ、奴の権力悪用の上での悪事女問題を大発表ってな。どうもクセェと思ってたんだよな、女関連がよ? おいコラ誰だ、同類扱いしてんのは?
  オレは違うぜ? 相手とは合意の上ってやつさ。嫌がる女に無理やりって、何が楽しいんだっての!

  まあ話は戻すが…そうなりゃ村社会に噂が広がるのは早かった。被害者は案外多かったし、別件でも奴のせいで苦しむ人間も少なくねェ。
  気がつきゃ、あいつは村から完全に姿を消していた。

  ま、いいんじゃねぇの?


「あ、お疲れ様です!」
  学校に戻る道すがら、クワを担いだ若い衆が頭を下げていく。後から知ったが、あの砦の隅に転がってた木切れ状のミイラ…カッサカサに干からびてた状態でも、なんと生きてたんだとよ!
  戦闘中にデュエルが気づいたが、相当コエー目にあったってんであっさり更生したらしい。

「「「労働するって素晴らしい」」」
「「「おうさ!」」」
  大合唱して畑に向かう、元盗賊団ども。それまで村に与えた損害は、労働で支払うということで手打ちになったようだ。村としても労働力はいくらあっても良いってよ。

  あの後…干からびた連中にちっとばかしビビりながらも弟子がかけた回復魔法に、いたく感激したらしい。
  空気でも入れるようにむくむくと木切れから人間に戻ると、あっちゅう間に弟子を女神のように崇拝しだした。木切れになってからどれだけ経ったかわからんが、相当な恐怖だったろうぜ…。

「皆さま、お弁当ですよ!」
「「「ラグランジュ様!!!」」」
  弁当持って現れた弟子に、元盗賊団は感激したように眼をきらめかせる…キメェ。

  当面の盗賊問題も、これで解決したんじゃねぇの?
  
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