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mission 5 冒険者は 期間限定教師?
実地研修五時限目・悪魔の脅威
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Side-デュエル 11
アーシェがペルノーと去った後、俺は改めてバルログに向けて槍を振るう。だが俺にはもう一つの疑問が残っていた。どうにも気になって仕方ないので、隣でバルログの攻撃をしのぐラスファに尋ねた。
「なあ、さっきアーチが魔力の出どころを『風呂の栓』と例えていたが…その場所はどこなんだ?」
俺の疑問に彼は半ば呆れたように部屋の奥を指してみせる。
「よく見ろ、あのあたりの床の窪みだ。水が湧き出るように見えていないか? 」
その言葉の通り床に開いた穴に見える場所から、湧き水のように何かが溢れ出している。
「これが…! 魔力のない俺でもわかるって、相当だな」
そのやりとりの間にも、子供達をかばうラグの結界に向けてバルログが尾を打ち据える。歯をくいしばって耐えるラグのフォローに回った時にふと気がついた。
…ん? ちょっと待て。
「おい…さっき俺、尻尾切り落としたんだ…よな?」
精霊魔法でラスファが押さえて俺が斬ってアーチが投げて…あれはどうした?
見回せば部屋の片隅に転がる『木切れ』たちのそばに、確かにちょっとしなびた尻尾が転がっている。
だが確かにバルログには尻尾が存在している。ということは…?
「「冗談だろ…?」」
新しく生え変わった……?!
俺たちの疑念に答えるようにバルログは、ピチピチの尻尾をより一層振るってみせる。
「活きのいい尻尾だな全く!」
「そりゃそうだ、生えたてだからな!」
「道理で色つやが違うはずだよ!」
「持ち帰って薬の材料にでもするか!?」
「今のうちなら数本確保できるぞ!」
「魔術師ギルドに横取りされるなよ!」
あまりのことに俺もラスファも完全にヤケクソの境地で掛け合いをしつつ、爪と尻尾の猛攻をどうにかいなす。
「これなら…どうだ!」
ラスファが床に固定するように尻尾を凍りつかせる。だが、バルログの声なき気合いで目を疑う光景が広がった。
凍りついて固定された尻尾を自ら引きちぎり、そこから複数の尾が飛び出したのだ!
「「はああああァ!?」」
これもここの濃密すぎる魔力の影響だというんだろうか? だとしても、聞いてないぞ!
荒れ狂う尻尾の束が、部屋中を蹂躙する!
ラグに守られる子供達が個々に悲鳴をあげ、苦しげに彼女が眉をしかめる。彼女の結界の陰に入る形で耐えている古文書解読チームは、大丈夫だろうか…アーチはともかくジョラの方。
そんな時壁の古文書に張り付いていたジョラが声をあげた。
「せんせー、わかった! あのね…」
アーシェがペルノーと去った後、俺は改めてバルログに向けて槍を振るう。だが俺にはもう一つの疑問が残っていた。どうにも気になって仕方ないので、隣でバルログの攻撃をしのぐラスファに尋ねた。
「なあ、さっきアーチが魔力の出どころを『風呂の栓』と例えていたが…その場所はどこなんだ?」
俺の疑問に彼は半ば呆れたように部屋の奥を指してみせる。
「よく見ろ、あのあたりの床の窪みだ。水が湧き出るように見えていないか? 」
その言葉の通り床に開いた穴に見える場所から、湧き水のように何かが溢れ出している。
「これが…! 魔力のない俺でもわかるって、相当だな」
そのやりとりの間にも、子供達をかばうラグの結界に向けてバルログが尾を打ち据える。歯をくいしばって耐えるラグのフォローに回った時にふと気がついた。
…ん? ちょっと待て。
「おい…さっき俺、尻尾切り落としたんだ…よな?」
精霊魔法でラスファが押さえて俺が斬ってアーチが投げて…あれはどうした?
見回せば部屋の片隅に転がる『木切れ』たちのそばに、確かにちょっとしなびた尻尾が転がっている。
だが確かにバルログには尻尾が存在している。ということは…?
「「冗談だろ…?」」
新しく生え変わった……?!
俺たちの疑念に答えるようにバルログは、ピチピチの尻尾をより一層振るってみせる。
「活きのいい尻尾だな全く!」
「そりゃそうだ、生えたてだからな!」
「道理で色つやが違うはずだよ!」
「持ち帰って薬の材料にでもするか!?」
「今のうちなら数本確保できるぞ!」
「魔術師ギルドに横取りされるなよ!」
あまりのことに俺もラスファも完全にヤケクソの境地で掛け合いをしつつ、爪と尻尾の猛攻をどうにかいなす。
「これなら…どうだ!」
ラスファが床に固定するように尻尾を凍りつかせる。だが、バルログの声なき気合いで目を疑う光景が広がった。
凍りついて固定された尻尾を自ら引きちぎり、そこから複数の尾が飛び出したのだ!
「「はああああァ!?」」
これもここの濃密すぎる魔力の影響だというんだろうか? だとしても、聞いてないぞ!
荒れ狂う尻尾の束が、部屋中を蹂躙する!
ラグに守られる子供達が個々に悲鳴をあげ、苦しげに彼女が眉をしかめる。彼女の結界の陰に入る形で耐えている古文書解読チームは、大丈夫だろうか…アーチはともかくジョラの方。
そんな時壁の古文書に張り付いていたジョラが声をあげた。
「せんせー、わかった! あのね…」
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