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mission 5 冒険者は 期間限定教師?

実地研修ニ時限目・封印法を探れ!

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Side-デュエル 8

  もう一度封印?
  俺はラグの言葉を脳裏で反芻した。彼女は結界を維持しながらも、さらに続ける。

「おそらくこの魔物は、この濃密な魔力を抑える役割があったんじゃないでしょうか? それがなんらかの弾みで封印が解けたために、現在の状況になったとしたら…」
「風呂の栓が抜けたせいで、この魔力が溢れてるってことか?」

「その例えの通りです、さすがは師匠です!」
  説明を捕捉したアーチに満面の笑みを見せながら、ラグは頷く。いや、分かりやすいがその例えもどうよ…?
「確かにこの魔力、放置はできないな。このままだとその辺のザコ魔物まで強大化しかねない。村もただでは済まないだろうな」
「でも兄貴、封印って言ってもどうやって?」

  アーシェの疑問に、俺は答えた。
「とりあえず、奴はこれ以上待ってくれそうにないな…。方法は、戦いながら探るしかない!」
「封印する前に倒すんじゃねぇぞ? 栓は要るんだからな!」
  アーチの言葉に苦笑で返すと、全員が臨戦態勢に戻った。

  いつのまにか奴の両手には、長い鉤爪が生えている。振り下ろされる斬撃を槍で受け流すと、俺はラグに叫ぶ。
「ラグは結界の維持に全力を注いでくれ! 生徒は教師が守るもんだ!」
「はい! 」
「せ…せんせー…」

  幸いにして思った以上に熱くはない。武器にかけられた付与魔法がいい仕事をしているようだ。
「属性が火なら…『氷精よ、邪悪なるものに停滞を』!」

  ラスファの精霊魔法は、劇的な効果をもたらした。凄まじい絶叫が砦の中を揺るがし、白い霜の蔦がバルログに絡みつく。睨みつけるように逆五芒星のみの顔をラスファに向けるが、動けないらしい。

「長くは保たないが、今のうちに封印方法を探れ!」
  彼はバルログを抑えているために動けないようだ。今は彼の言う通り、封印法を見つけるほかない!

  俺はふと思いついて、最初に見つけたの群れのところに行ってみた。あまり心地いい作業ではないが、連中が封印を解いたとしたら、何か鍵を持っているのかもしれない…!
  
  背筋に怖気が走るが…こんな物、女子供に見せられるものではない。
  一つ一つ探っていくうちに、俺はあることに気づいた。
「こ…コイツら…!?」

  だが長く頓着する余裕もない。の一人が抱え込むようにしている緑の玉石が嵌った黄金の護符を引き剥がすと、俺は仲間を振り返った。

「ラスファ!」
  辺りに満ちた魔力の影響を受けて力を取り戻したバルログの、鞭にようにしなる尾だけが自由を取り戻していた。
  炎を纏った尾が、無防備なラスファに迫る!
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