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mission 5 冒険者は 期間限定教師?

七時限目・教師への決意!

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Side-ラグ 1

  ふう、教師って結構大変なのですね。
  でも、すっごく充実しています!  だって、ずっと持ち続けていた夢なのですから!  今日は神話のお話からです。さあ、始めましょう!

「皆さま、おはようございます!」
「「「「「おはようございま~す!!」」」」」
  朝のご挨拶に、とっても元気な子供達の声が返ってくる。それはとても幸せな瞬間ですわ。
「うん、すっごくいいお返事ですね。それではまず今日は、神話のお話です。この世界をお造りになった神様がたのお話。そして幸運の神様と知識の女神様の結婚のお話で…」

 「ねえねえせんせー!」
  一番前の席に座る金髪の女の子が、勢いよく手を挙げます。
「あら、何か質問ですか?」
  席を立った彼女は、大きな声で質問を投げかけます…。
「ラグせんせーって、アーチせんせーのこと好きなのー?」
「へあッ…?!」

  あああ…変な声出ちゃいました…! いきなりで、あんまりな質問をされると…とっさに言葉が出ませんね…。いえ、それよりも!
「いいいいえ、そそそんなこと…」
「あー! 赤くなった! ラグせんせーカワイイ!」
「か…からかうんじゃありません!」

  いけませんいけません、わたくしは教師! ここは平常心で!
「はい! 昔むかし…はるか遠い遠い神界からおいでになった神様たちは、手を取り合ってこの世界をお造りになりました」

  遅くまでかかって描いた紙芝居を取り出しめくると、子どもたちが見入っているのがわかります。ふふ、やはりこの子達は物語が大好きなようですね!
  わたくしはこのまま続けました。

「大地母神様が大地と生命を生み出し、太陽神様と月の三つ子女神様がそれぞれ生命と時間を管理して戦神様は彼らを悪魔や魔物からお護り下さいました…」
  もはや、余計なおしゃべりは聞こえません。その事実にホッとしながら、さらにもう一枚めくります。

「幸運の神様と知識の女神様は、地上の生き物全てに道具と知恵をお与えになりました。こうして現世の人間や生き物が…」
「せんせー、しつもーん!」
「はい、パルタくん!」
  何事も、疑問を持つことは大切なことですわ。わたくしは元気よく手を挙げた男の子…パルタくんに質問を促します。
「それじゃ、その神様たちはどこから来たの?」
「せんせー! ドワーフ族やエルフ族、あと獣人族の人ってどこから来たの?」

  …ああ、わたくしが求めていたものはまさにこれですわ!
  純粋に学ぶこと、そしてその意欲を手助けすること! それこそが知識神さまの思し召しなのですね!

  わたくしは迷いなく、この道を進んでいきますわ!  
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