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intermission 9 真昼の珍事!?

巡回での遭遇

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Side-デュエル 2

 書類作成を終えて外の見回りに出るときも、何となくラインハルトの話が頭から離れない。
 美人局つつもたせと呪いのアイテム、か…。どっちにしろ、物騒な話だ。

 観光局の方面からも、早期解決を嘆願されているとも聞いた。こう言った事件に不慣れな観光客が巻き込まれると、後々に響く結果になりかねない。特にとしては悪評が広まることは歓迎できないだろう。

 相変わらず大きな通りは人でごった返している。大男二人連れという組み合わせは、その中でも際立って目立っていた。
  俺は隣を歩く正義感の塊に目線を投げた。エドガーと言う名の彼は、以前のアイドル騒動の後くらいから自警団に入った新入りだそうだ。

  俺と並んでも引けを取らないごつい体格に、少し長めの金髪を後ろで無造作に縛っている。鎧のような筋肉の上に普段は年中タンクトップ一枚という出で立ちは、正直言って目立つ。支給されている制服と腕章がなければ、通りすがりのゴリマッチョで通じるだろうな。

 何でも元々は冒険者志望だったが…どういう因果でか、騙されて入った『青薔薇亭』でダンスレッスンをさせられていたそうだ。

  事件の折にアーチとラスファに出会い、彼ら…主にラスファが自警団に斡旋したと聞いている。確かに悪いやつではないのだが…馬鹿正直で暑苦しく、策を巡らせる必要にも迫られる冒険者には向いていないだろうと思っての措置のようだ。

 今回の当番はじめの時も、いきなりラスファに力いっぱいのハグをかまして感謝の意を表していた。…本人は青くなって窒息しかけていたが。
「いやあ、彼には感謝しかありません。今ほど充実した毎日は無いですよ!」
 とは、エドガーの弁だ。天職見つかって良かったな…。

 そうこうしているうちに、俺が目星をつけた裏通りの入り口が見えてきた。
 多くの場合、美人局つつもたせのような犯罪は人のいない裏路地などで発生する事が多い。白昼堂々でやるには、人の目が多すぎる大通りは極力避けるだろう。

「お?」
  目標としていた裏路地から、見知った姿がひょいと出てきた。人混みの中でも目立つ、長い銀髪…ラスファだ。しかも…。

「見損なったぞ! 仕事をサボってデートとは!」
  隣のエドガーが憤慨する。どういうことか、彼にしては珍しく女連れだ! 
「彼のことだ、何か考えあってのことだろう」
  これがアーチなら、即座にエドガーに同意していたところだが…普段からの信頼って、大事だよな…。

 彼を追うようにして同じ路地から、今度はアーシェと彼女の友人が連れ立って現れた。
 「いた! ほんっとに…あたしも一応冒険者なんだからね!」
 そのままアーシェたちはラスファを尾行し始めた。
 どうなってるんだこりゃ…?
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