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intermission 9 真昼の珍事!?

独特のデートコース?

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Side-アーシェ 2

 「しっかし、どこいく気なんだろ? こんな怪しい路地でデートなんて、珍しいセンスよね」
「っていうか、マニアック?」

 兄貴たちはそのまま細い路地を進んでいく。大通りと違ってこのあたりは、知る人ぞ知るようなアイテムを売る店がちらほら並んでいる。

『魔力つきアイテムあります』
『恋に効く秘薬をお求めなら、ここ!』
『普通のお土産では物足りない方、必見!』
『脱・マンネリの秘訣は、ここに相談!』
『ムフフな♡  お・み・せ♡』

「…ナニ売ってる店よ? 怪しすぎ」
「カタギとは思えない看板よね…」
 魔術具専門店を中心に、怪しい店が立ち並ぶ裏通りで。そんな文字が踊るケバい看板を眺め渡し、あたしはため息をついた。

「どんなデートコースよ兄貴…」
 コレがマジのデートって言うなら、まだアーちんのコースの方がマシかも…とは思ったけど。そう考えた後であたしは思い出した。あ、あっちは連れ込み宿に直行だった。
 …究極の選択ね。

 あれ? っていうか…?
 ここを案内してるのって…?
「微妙なセンスは、彼女の方?」
  なぜかちょっとホッとしながら、あたしはコギーを振り返った。…だからそのニヨニヨ顔やめて。

 どういうわけか、この路地を彼女の方が先導してるようにしか見えないや。どこに行こうとしてるのかはわかんないけど、おかしくない?
「魔術具マニア? それとも呪いのアイテムでも見に行きたいの?」

 そのあたしのボヤキで思い出したのか、コギーは何か思い出すように宙を見上げた。
「そういや最近、魔術具の売買が激しいらしいよ? 見にいってたりしてね」

 コギーが誰にともなく呟く。あいかわらずナゾの情報持ってるよなぁ…。
「それも、例の大叔母様から?」
 思わず口にした疑問に彼女は、いたずらっぽく頷いた。
「そ。跡を継いでもいいかなって思ったりするんだけど『百年早い!』なんて言うのよ? 頑固なんだから、全く…」
 何者なのよ大叔母様…?

 コギーの情報はともかく、兄貴たちは…と、あたりを見れば居なくなってる!?
「気づかれてたってわけか。やっぱりお兄さんも冒険者だわね~」
 く…口惜しい!
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