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short mission 4 宅配戦線、異常あり!
恐怖の説教コース!
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Side-アーチ 6
惜しまれつつも村を出て。
オレらはまた街道沿いの空の下で帰路についていた。
「んー! 念願叶ったわー!」
「ええ! わたくしも、一度やってみたかったんですよ!」
「なんかさ、足の下でプチプチ言ってる感触が面白かった!」
「なんとなく農家の方に申し訳なく思えましたけどね」
テンション高めにさえずってやがるがよぉ~…こっから先がまた大変なのよ?
「ドミニクを誤魔化しきれると思うか?」
厨房エルフがポツリとボヤく。そうなんだよなぁ…あの強欲女将を巧く出しぬき…いやその騙し…ごふげふ、まあ…ごまかせるか…? 今回オレたちが生き残るには、その一点にかかっていた。
デュエルの手の中には、領主自らしたためた契約書と伝票の入った封筒にがっつりと封蝋がおされてある。そして『重力軽減』の布に包まれた大きな包みが一つ。中身はもちろん、葡萄酒のサンプルだ。
オレたちのカードはこれだけだ。
この全てを使って今回の依頼のあらましを全て女将から隠さねば、オレたちに明日はこねぇ。ここはオレの出番だぜ!
白銀亭の戸口をくぐり、荷物を置いたところで女将がオレたちに声をかけた。
「葡萄酒の契約を取りに行っただけのわりには、随分と遅くなったじゃないか? 道草でもしてきたのかい?」
おおっと女将、いきなり疑惑モード全開じゃん! オレたちは素早く視線を交わし合った。
「ああ、ちょっとな。途中で魔物に遭遇しちまってな」
オレは打ち合わせ通りの設定で軽く説明する。
「まったく…大抵の場合、道中の魔物退治は依頼に含まれないんだよ? ほどほどにしとくんだね」
呆れたように、女将。今回は依頼じゃねぇ体じゃあるんだが、こりゃクセだな。もう一押しだ。
「まあオレらは降りかかる火の粉を払っただけだし? 出てくる魔物が悪ィんだよ」
「…まあ…あんたたちの前に出た時点で、終了は確定だけどね」
…よしよし。なんとか女将は誤魔化せそうだな。
何気なさを装ってそれぞれ自室に帰ろうとするオレたちを女将が呼び止めた。
「…ちょっとお待ちよ…」
ぎくり。全員の肩が慄く。
そろりと振り返ると、笑顔の女将がこっちを見ている…だが目が笑ってねぇ。
…ど…ドウシテカナー…?
「おかしなこともあるもんじゃないかい? この手紙の内容は…?」
「て…手紙…?」
女将がかざす封蝋付きの封筒と手紙。それは小さく『感謝状』と記してある。
音を立てて血の気が引いた。
「おい! 確か村長には事情を説明してたよな?」
「いえ…これは村長さんの手紙じゃないですわ」
「ああ。そういえば領主の方には事情は何も知らせてないな…」
「って事は…」
…なんてこった…痛恨のミスだ!
オレらの小声のやりとりを聞いたのかどうか?
葡萄酒の契約書が入った封蝋付きの封筒に、まさかの領主直筆の感謝状が入ってやがったとは…!
「あんたら…何が『これは依頼じゃない』だって? 中にいろいろ書いてあるじゃないか?」
あああああああああああ…。
オレらは揃って頭を抱えた。
「じっくりと説明してもらうよ? どういう事だいこれは?」
女将が手紙を手に恐ろしい笑みで歩み寄ってくる。弟子が小さく聖印を切る。
あー…終わった。
正座で説教半日コースは避けられねぇわ、こりゃ。
惜しまれつつも村を出て。
オレらはまた街道沿いの空の下で帰路についていた。
「んー! 念願叶ったわー!」
「ええ! わたくしも、一度やってみたかったんですよ!」
「なんかさ、足の下でプチプチ言ってる感触が面白かった!」
「なんとなく農家の方に申し訳なく思えましたけどね」
テンション高めにさえずってやがるがよぉ~…こっから先がまた大変なのよ?
「ドミニクを誤魔化しきれると思うか?」
厨房エルフがポツリとボヤく。そうなんだよなぁ…あの強欲女将を巧く出しぬき…いやその騙し…ごふげふ、まあ…ごまかせるか…? 今回オレたちが生き残るには、その一点にかかっていた。
デュエルの手の中には、領主自らしたためた契約書と伝票の入った封筒にがっつりと封蝋がおされてある。そして『重力軽減』の布に包まれた大きな包みが一つ。中身はもちろん、葡萄酒のサンプルだ。
オレたちのカードはこれだけだ。
この全てを使って今回の依頼のあらましを全て女将から隠さねば、オレたちに明日はこねぇ。ここはオレの出番だぜ!
白銀亭の戸口をくぐり、荷物を置いたところで女将がオレたちに声をかけた。
「葡萄酒の契約を取りに行っただけのわりには、随分と遅くなったじゃないか? 道草でもしてきたのかい?」
おおっと女将、いきなり疑惑モード全開じゃん! オレたちは素早く視線を交わし合った。
「ああ、ちょっとな。途中で魔物に遭遇しちまってな」
オレは打ち合わせ通りの設定で軽く説明する。
「まったく…大抵の場合、道中の魔物退治は依頼に含まれないんだよ? ほどほどにしとくんだね」
呆れたように、女将。今回は依頼じゃねぇ体じゃあるんだが、こりゃクセだな。もう一押しだ。
「まあオレらは降りかかる火の粉を払っただけだし? 出てくる魔物が悪ィんだよ」
「…まあ…あんたたちの前に出た時点で、終了は確定だけどね」
…よしよし。なんとか女将は誤魔化せそうだな。
何気なさを装ってそれぞれ自室に帰ろうとするオレたちを女将が呼び止めた。
「…ちょっとお待ちよ…」
ぎくり。全員の肩が慄く。
そろりと振り返ると、笑顔の女将がこっちを見ている…だが目が笑ってねぇ。
…ど…ドウシテカナー…?
「おかしなこともあるもんじゃないかい? この手紙の内容は…?」
「て…手紙…?」
女将がかざす封蝋付きの封筒と手紙。それは小さく『感謝状』と記してある。
音を立てて血の気が引いた。
「おい! 確か村長には事情を説明してたよな?」
「いえ…これは村長さんの手紙じゃないですわ」
「ああ。そういえば領主の方には事情は何も知らせてないな…」
「って事は…」
…なんてこった…痛恨のミスだ!
オレらの小声のやりとりを聞いたのかどうか?
葡萄酒の契約書が入った封蝋付きの封筒に、まさかの領主直筆の感謝状が入ってやがったとは…!
「あんたら…何が『これは依頼じゃない』だって? 中にいろいろ書いてあるじゃないか?」
あああああああああああ…。
オレらは揃って頭を抱えた。
「じっくりと説明してもらうよ? どういう事だいこれは?」
女将が手紙を手に恐ろしい笑みで歩み寄ってくる。弟子が小さく聖印を切る。
あー…終わった。
正座で説教半日コースは避けられねぇわ、こりゃ。
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