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short mission 4 宅配戦線、異常あり!
天罰のミイラ
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Side-デュエル 10
一夜明けて。
俺たちは昨夜の惨状が残る大広間に集まっていた。
「なんだったんだろうな、アレは?」
ぽつり。俺の呟きに仲間たちが同意する。自分の呼び出したゴブリンたちにフルボッコにされて自滅した領主の甥。
一応見に行きはしたが、全身隙間なく包帯まみれになってベッドから動けないようだった。
それまでにやらかしたことが事だけに、ラグも珍しく治癒魔法を使う事を渋ったようだ。相変わらずこういうことには厳しい。生命には別状ないと言うので、領主も同意しての事だという。
「これ木乃伊かな?」
図鑑か何かで見たのだろう、腹筋直撃のアーシェのひと言をやり過ごして今に至る。
「申し訳無いことをしました」
しばらくして現れた領主は、そう言うなり深々と頭を下げた。
「身内のいざこざに巻き込んだばかりか、解決に至るまでお世話になりました。本当にありがとうございます」
「あ…いえ…」
大広間の中でも比較的無事な一角に移動して香茶を振舞われながら、俺たちは領主の独白に近い謝罪を聞いていた。
「甥の悪行は分かっておりましたが、領地の土地開発や特産品である葡萄酒の改良などの様々な問題を抱えておりましてな…。実質的に放置していたも同然です。そのせいで、野放しになっていた甥をつけ上がらせる結果にもなってしまった。領民の生活を守るという名分の元に、甥のせいで苦しむ領民を増やしてしまった…」
領主は肩を落として虚ろな目でカップの香茶を見下ろす。おかわりの香茶を注ぐメイドさんが、たまりかねたように口を挟んだ。
「領主様は何も悪くありません!」
俺はとっさに余計なことを言いそうなアーチの足を踏んづけた。
「!!!」
テーブルの下での攻防戦に気づくことなく、領主はメイドさんにお礼を言うと淡く微笑む。
「後は次期領主の教育に、力を注いでいきますよ…。安心して下さい」
その言葉に、メイドさんは小さく頷く。…そういうことか…。
『被害者の納得いくように、最大限の配慮をする』
彼女は、件の赤子の母親だろう。だとしたら、我が子を最も近くで見守れるように…これがその答えか。
事情が事情だ。おそらく母親からしてみても、我が子への感情は複雑に違いない。しかし赤子には罪はない。母親はここで働きつつ、戸惑いながらも見守ることに決めたのだろう。
様々な配慮や彼女自身の答えを見出した。感心しきりで領主を見ると、彼は真摯な態度でで俺たちに再び謝罪を始めた。
一夜明けて。
俺たちは昨夜の惨状が残る大広間に集まっていた。
「なんだったんだろうな、アレは?」
ぽつり。俺の呟きに仲間たちが同意する。自分の呼び出したゴブリンたちにフルボッコにされて自滅した領主の甥。
一応見に行きはしたが、全身隙間なく包帯まみれになってベッドから動けないようだった。
それまでにやらかしたことが事だけに、ラグも珍しく治癒魔法を使う事を渋ったようだ。相変わらずこういうことには厳しい。生命には別状ないと言うので、領主も同意しての事だという。
「これ木乃伊かな?」
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「申し訳無いことをしました」
しばらくして現れた領主は、そう言うなり深々と頭を下げた。
「身内のいざこざに巻き込んだばかりか、解決に至るまでお世話になりました。本当にありがとうございます」
「あ…いえ…」
大広間の中でも比較的無事な一角に移動して香茶を振舞われながら、俺たちは領主の独白に近い謝罪を聞いていた。
「甥の悪行は分かっておりましたが、領地の土地開発や特産品である葡萄酒の改良などの様々な問題を抱えておりましてな…。実質的に放置していたも同然です。そのせいで、野放しになっていた甥をつけ上がらせる結果にもなってしまった。領民の生活を守るという名分の元に、甥のせいで苦しむ領民を増やしてしまった…」
領主は肩を落として虚ろな目でカップの香茶を見下ろす。おかわりの香茶を注ぐメイドさんが、たまりかねたように口を挟んだ。
「領主様は何も悪くありません!」
俺はとっさに余計なことを言いそうなアーチの足を踏んづけた。
「!!!」
テーブルの下での攻防戦に気づくことなく、領主はメイドさんにお礼を言うと淡く微笑む。
「後は次期領主の教育に、力を注いでいきますよ…。安心して下さい」
その言葉に、メイドさんは小さく頷く。…そういうことか…。
『被害者の納得いくように、最大限の配慮をする』
彼女は、件の赤子の母親だろう。だとしたら、我が子を最も近くで見守れるように…これがその答えか。
事情が事情だ。おそらく母親からしてみても、我が子への感情は複雑に違いない。しかし赤子には罪はない。母親はここで働きつつ、戸惑いながらも見守ることに決めたのだろう。
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