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short mission 4 宅配戦線、異常あり!
因果応報
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Side-ラスファ5
「領民無くして、我ら貴族は成り立たぬ」
重々しい言葉を重ねる領主からは、先刻のアーシェたちに対する時の好々爺然とした印象は失われていた。招待客たちも注目しながら固唾を飲んで見守っている。誰も言葉をだす者はいなかった。
「あまつさえ、自分の欲望を優先して領民を傷つけるなど言語道断!」
しかしここにきて、甥はなおも嫌な笑みを領主に向ける。
「へえ…だったらどうする? 僕を後継から外すか? できるわけがないよな? 領地の後継は原則、血縁者による当主制だ。当主が居なけりゃ領地の没収は避けられない。領民を放り出してそんな事、優しい伯父上には出来っこないよな?」
領主はどこか諦めたような笑みを浮かべてかぶりを振った。そして、何かを決意したように甥をまっすぐ見据える。
「このままお前を領主に据える方が領民のためにはならんさ。それに…」
「それに?」
「後継者の候補は、すでに存在している」
領主のその言葉に、甥は訝しむように目を細めた。
「なに? 伯父上に隠し子でもいたというのか? それとも父上の?」
甥の声には焦りが滲む。現当主は重々しく口を開いた。
「後継者候補は、お前自身が作った筈だ。覚えがないとは言わせぬぞ。方々で領民の若い娘さんたちを襲っていたと聞いておる…嘆かわしい!」
そういう事か…。私はこの領主の甥を見て納得した。逆らえない立場を悪用して、そういう方面の悪事を働いていたとしたなら疑問の持ちようもない。
領主の言葉に、アーシェやラグが甥に敵意を向けた。女の敵と改めて認識したらしい。
「僕の子であるという証拠はあるのか!?」
ここにきてなおも言い募る甥に、領主は静かな口調で真実を告げる。
「産まれた子をこの目で見てきた。幼い頃のお前によく似た面差しの赤子だった…。お前が襲ってきた娘さんは数人いたが、実際に産まれた子はその一人だけだ。証言もある、お前の子に間違いない」
「一人…赤子は、僕の…子…」
甥は呆然とへたり込み、そればかりを繰り返す。自分の欲望のままに振舞ってきた結果、その因果がそのまま返ってきた。思いがけずできてしまった、自らの子に足元をすくわれる結果となって。
これで、はっきりした。
変装までして領主は領民の話を聞き、甥の悪事の証拠を水面下で集めていたのだろう。
もう領主に迷いなどなかった。
「領民無くして、我ら貴族は成り立たぬ」
重々しい言葉を重ねる領主からは、先刻のアーシェたちに対する時の好々爺然とした印象は失われていた。招待客たちも注目しながら固唾を飲んで見守っている。誰も言葉をだす者はいなかった。
「あまつさえ、自分の欲望を優先して領民を傷つけるなど言語道断!」
しかしここにきて、甥はなおも嫌な笑みを領主に向ける。
「へえ…だったらどうする? 僕を後継から外すか? できるわけがないよな? 領地の後継は原則、血縁者による当主制だ。当主が居なけりゃ領地の没収は避けられない。領民を放り出してそんな事、優しい伯父上には出来っこないよな?」
領主はどこか諦めたような笑みを浮かべてかぶりを振った。そして、何かを決意したように甥をまっすぐ見据える。
「このままお前を領主に据える方が領民のためにはならんさ。それに…」
「それに?」
「後継者の候補は、すでに存在している」
領主のその言葉に、甥は訝しむように目を細めた。
「なに? 伯父上に隠し子でもいたというのか? それとも父上の?」
甥の声には焦りが滲む。現当主は重々しく口を開いた。
「後継者候補は、お前自身が作った筈だ。覚えがないとは言わせぬぞ。方々で領民の若い娘さんたちを襲っていたと聞いておる…嘆かわしい!」
そういう事か…。私はこの領主の甥を見て納得した。逆らえない立場を悪用して、そういう方面の悪事を働いていたとしたなら疑問の持ちようもない。
領主の言葉に、アーシェやラグが甥に敵意を向けた。女の敵と改めて認識したらしい。
「僕の子であるという証拠はあるのか!?」
ここにきてなおも言い募る甥に、領主は静かな口調で真実を告げる。
「産まれた子をこの目で見てきた。幼い頃のお前によく似た面差しの赤子だった…。お前が襲ってきた娘さんは数人いたが、実際に産まれた子はその一人だけだ。証言もある、お前の子に間違いない」
「一人…赤子は、僕の…子…」
甥は呆然とへたり込み、そればかりを繰り返す。自分の欲望のままに振舞ってきた結果、その因果がそのまま返ってきた。思いがけずできてしまった、自らの子に足元をすくわれる結果となって。
これで、はっきりした。
変装までして領主は領民の話を聞き、甥の悪事の証拠を水面下で集めていたのだろう。
もう領主に迷いなどなかった。
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