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intermission 8 新興国の新名物

魔術文様の威力!

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Side-ラグ 1

 一体どういう事なのでしょうか?
 賢者の院に、送られてきた布を持参するに師匠と市場を歩いていたのですが…。

 自警団の方々が大勢いらっしゃって、あちこちが封鎖されてしまいました。早速師匠が子供みたいに目を輝かせます。
「なんか面白ェ事が始まりそうだぜ?」
「師匠ってば…」
  その言葉が終わらないうちに、師匠は自警団の皆さんが築いたバリケードをすり抜けます。わたくしも慌てて追いました。

 その先の光景は、土手沿いの道でデュエルさんと自警団員の皆さんが揃っているところでした。
「よお、デュエル! 荷運びのバイトか?」
「アーチ?!」

「なんでここに…?」
 驚いたデュエルさんに、見つけたばかりの恋愛小説を差し出して見せました。
「ちょうどそこで、蚤の市が立ってるんですよ。回ってみたら、いい古書も見つかりましたよ!」
 それも、ずっと探していた連作ものの最後の一冊です! 見つけた時は、嬉しくて飛び上がる気分でした!


 そして…今に至ります。
 ユークリッドさんに扮していたラスファさんが黒髪の女性と対峙していきなりの魔術戦となりました! 
 やっと植物の蔓で捕まえたのですが、今度は空いっぱいに魔術弾を発動してしまいました! 
 

 どうしましょう…どうしたら…!
 左右を見回すと、ふと手に持ったままのバスケットが目につきました。
 そうです…これなら!

「ええーい!!!」
 取り出したのは、紫の布。特に複雑な文様の入ったその効果が…。

『魔力吸収』!

 私が振るった布の効果は、想像以上でした!
 とっさにラスファさんが展開した地の結界も含めて、ごっそりと広範囲の魔力が消滅してしまいました!

 この魔術文様は、近くにある魔力を手当たり次第に吸収してしまいます。さらに振るうことでその先に存在する魔力のみを吸わせることも可能です!

 ですが…吸わせる量にも限界があります。文様を残したままで、吸った魔力の分だけ黒く染まっていくのでしょうね…今の一振りで、四分の一ほどが真っ黒になりました。

 …皆さん、あまりの威力にドン引きのようです…。周りから痛いほどの視線を向けられて、ちょっと困りました。
 でもこの布については、しっかりと実験できましたね…。
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