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intermission 8 新興国の新名物
鮮やかな贈り物
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Side-アーシェ 1
フローネ…ちょっと前に依頼で知り合った、犬獣人族の友達から送ってきた細長い木箱。添えられている三つ首の犬の紋章は、新興国「トライハウンド共和国」のものだ。
この国の建国に関わって、国主をどうするか揉めた挙句に共和制をとったって経緯はよく覚えてる。ケルベロスはその象徴として選ばれたんだろうな…らしいっちゃらしいよ。
それをあたしたちは囲んで見下ろしていた。すでに片付けを済ませた兄貴や補習帰りのラグちゃんも揃っている。
「開けて見ちゃっても、いい?」
あたしの声に、焦れたようにアーちんが声をあげた。すでにその手には、木箱を開ける釘抜きが握られている。ほんっとせっかちなんだから…。
「いいからさっさと開けようぜ? 何が入ってんだ?」
「ん、それじゃお願い」
アーちんがワクワクした子供みたいな表情で、釘抜きを箱の隙間にねじ込む。
「うわぁ!」
開いた木箱からは、色とりどりの色彩が溢れ出た。細長く巻かれた布地が色鉛筆みたいに並んでいる。1ダースくらいありそう。あたしは一つ手にとって見た。
「これ…確か、魔術文様を織り込んだ布地だ!」
赤や黄色、青に緑…色彩は鮮やかでも、決して派手過ぎではない。これを巻いてあるから細長かったのか、なるほど!
「フローネさん、すっごく素敵な織り上がりです! 魔術文様って、こうして見ると綺麗ですわ…!」
その見事な出来に、ラグちゃんがため息をつく。うんうん、これこのままコートにしてもいい感じかもしれない。スカートでも、ワンピでもいけそう!
うっとりするあたしたちをよそに、添えられていた手紙を兄貴が開いた。
「色々と試して、やっと納得いくクオリティが実現したそうだ。試しに使ってみて欲しい、とある。確か文様ごとに、得られる効果があったよな?」
もう! 兄貴ってばあっさりしすぎ! あ、でもあたしたちと一緒になってきゃっきゃしてる兄貴も想像出来ないや。
「ええ。確か…この黄色い布が『衝撃吸収』で、こっちの緑が『防御力向上』。オレンジ色は『防寒』で、青いものが『魔法防御』あと、赤いものが…」
ラグちゃんが嬉しそうに解説してくれる。そっか、確かこの文様はラグちゃんが調べたんだっけ?流石にマメだなぁ…そんなめんどい事、あたしには無理だわ。
「確かここの文様…私の上着の袖や裾にあったな」
「ええ! 防御力向上と魔法防御ですね」
「お、それオレの上着にもあったな確か!」
兄貴やアーちんも盛り上がってる! でも…。
「ねえ、でも試すってどうすりゃいいの?」
フローネ…ちょっと前に依頼で知り合った、犬獣人族の友達から送ってきた細長い木箱。添えられている三つ首の犬の紋章は、新興国「トライハウンド共和国」のものだ。
この国の建国に関わって、国主をどうするか揉めた挙句に共和制をとったって経緯はよく覚えてる。ケルベロスはその象徴として選ばれたんだろうな…らしいっちゃらしいよ。
それをあたしたちは囲んで見下ろしていた。すでに片付けを済ませた兄貴や補習帰りのラグちゃんも揃っている。
「開けて見ちゃっても、いい?」
あたしの声に、焦れたようにアーちんが声をあげた。すでにその手には、木箱を開ける釘抜きが握られている。ほんっとせっかちなんだから…。
「いいからさっさと開けようぜ? 何が入ってんだ?」
「ん、それじゃお願い」
アーちんがワクワクした子供みたいな表情で、釘抜きを箱の隙間にねじ込む。
「うわぁ!」
開いた木箱からは、色とりどりの色彩が溢れ出た。細長く巻かれた布地が色鉛筆みたいに並んでいる。1ダースくらいありそう。あたしは一つ手にとって見た。
「これ…確か、魔術文様を織り込んだ布地だ!」
赤や黄色、青に緑…色彩は鮮やかでも、決して派手過ぎではない。これを巻いてあるから細長かったのか、なるほど!
「フローネさん、すっごく素敵な織り上がりです! 魔術文様って、こうして見ると綺麗ですわ…!」
その見事な出来に、ラグちゃんがため息をつく。うんうん、これこのままコートにしてもいい感じかもしれない。スカートでも、ワンピでもいけそう!
うっとりするあたしたちをよそに、添えられていた手紙を兄貴が開いた。
「色々と試して、やっと納得いくクオリティが実現したそうだ。試しに使ってみて欲しい、とある。確か文様ごとに、得られる効果があったよな?」
もう! 兄貴ってばあっさりしすぎ! あ、でもあたしたちと一緒になってきゃっきゃしてる兄貴も想像出来ないや。
「ええ。確か…この黄色い布が『衝撃吸収』で、こっちの緑が『防御力向上』。オレンジ色は『防寒』で、青いものが『魔法防御』あと、赤いものが…」
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「確かここの文様…私の上着の袖や裾にあったな」
「ええ! 防御力向上と魔法防御ですね」
「お、それオレの上着にもあったな確か!」
兄貴やアーちんも盛り上がってる! でも…。
「ねえ、でも試すってどうすりゃいいの?」
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