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mission 4 ワンコ王国、建国のススメ!
行方不明なジョナサンくん
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side-アーチ 3
少しばかり時間を遡るぜ。
行方不明者の捜索ね…。
とりあえず極秘ってわけじゃねぇし、聞き込みから始めるのがセオリーかね?
バスチアンにキャンプの位置を聞いといたんで、まずは向かってみることにした。距離もさほど離れちゃいねぇし、弟子たちを連れていても問題はねぇぜ。
「ほんと、どこ行ったんだろうね?」
ちっと埃っぽいが、のどかな道中を進みながらアーシェが呟く…ンなことオレが知りてェよ。
「悩み事があったのでしょうか、それとも何か事件にでも巻き込まれたんでしょうか?」
「…どっちもありそうだよねぇ」
そのうち、煮炊きの煙が立ち上っている箇所が見えてきた。ここだな、例のキャンプ地は?
真っ正面から近づくオレを見て、犬獣人族達から露骨な警戒が覗く。まあ確かにそうだわな、戦闘人員は一気に出払ってるわけだしよ。その空気を察してか、弟子とアーシェが足取り軽く前に出た。
「「こんにちは~!」」
元気な挨拶に、連中の警戒が一気に緩んだ。よしよし、今のうちだ!
「私たち、エルダードから来ました。冒険者として依頼を受けた者です」
弟子の挨拶に、先頭で物騒なフライパンを持って立っていたオバちゃんの肩から力が抜ける。
「ああ、なんだいあんた達が。話はジョナサンとバスチアンから聞いてるよ」
「お、そいつは話が早い。ちょっと聞きたいことがあってよ、いいかい?」
改めて迎えられたキャンプで、オレ達は丁重にもてなされた。最初はどうなるかと思ったが、案外どうにかなるもんだな。
天幕の中で、出された果実水を手にオレは切り出した。キャンプって言ってもかなり快適な環境が作られているのには感心する。日除けの布ひとつ取っても上質なもんだ。こりゃ、一大産業になるんじゃね?
「…んで、ちょっと聞くが。ジョナサンとやらが行方不明になってるってのは知ってるんだよな? 心当たりはあるか?」
オレの問いに、犬獣人たちは互いに顔を見合わせた。おお? なんかあるのか?
「その…ね。言いにくいことなんだけど…」
ほいほい? なんだって?
「普段はね、好青年なのよジョナサンって? だけどちょっと、女の子にだらしないっていうか…ね?」
…あー…そーゆーことか。
同じ兄弟でも、どっちかって言うとマジメな弟の方が人望あるってか? オレ的にはそのジョナサンとの方が、美味い酒飲めそうだがな。
ちなみにジョナサンは、人間に近い容姿で垂れた犬耳付きの伊達男だそうだ。兄弟っつっても、直立犬タイプのバスチアンとは似てねぇんだな。そこんとこが結構謎だわ獣人族ってよ。
熱心に話を聞く弟子。それとは別で、無言でこっち見上げて来やがるアーシェの視線が痛てェわ。
「…って事は、女のトコにしけ込んでるって見解が強えェわけ?」
「そういうことになるわね」
うわバッサリかよ。…だからアーシェ、こっち見んな。
「どなたか決まった、恋仲の人じゃないのですね?」
慎重に言葉を選びながら問う弟子に、あっさりとオバちゃんは答えた。
「そうだねぇ…二~三人に絞られるかね?」
「絞られて、二~三人ですか?」
愕然とした声の弟子。…だからアーシェ、ジト目に切り替えんな頼むから!
…しかし、噂好きな女の繋がりって怖えェ。 話聞いてるうちに、手ェ出した女の話題がざっくざく出て来やがった。
有力な候補だけをリストにまとめても、五人か…。回ってみるのはいいが、元の領主に追い出されたって街だ。こっそりと戻ってるかもしれねぇって事か。
しかし参った、行ってみたとこで真っ最中だった日にはどうすりゃいいんだか? 教育にすこぶる悪りィよなァ…。
まあこの心配は、結局のところ杞憂に終わった。
奴の行方は、すぐにわかることになったんだからよ!
少しばかり時間を遡るぜ。
行方不明者の捜索ね…。
とりあえず極秘ってわけじゃねぇし、聞き込みから始めるのがセオリーかね?
バスチアンにキャンプの位置を聞いといたんで、まずは向かってみることにした。距離もさほど離れちゃいねぇし、弟子たちを連れていても問題はねぇぜ。
「ほんと、どこ行ったんだろうね?」
ちっと埃っぽいが、のどかな道中を進みながらアーシェが呟く…ンなことオレが知りてェよ。
「悩み事があったのでしょうか、それとも何か事件にでも巻き込まれたんでしょうか?」
「…どっちもありそうだよねぇ」
そのうち、煮炊きの煙が立ち上っている箇所が見えてきた。ここだな、例のキャンプ地は?
真っ正面から近づくオレを見て、犬獣人族達から露骨な警戒が覗く。まあ確かにそうだわな、戦闘人員は一気に出払ってるわけだしよ。その空気を察してか、弟子とアーシェが足取り軽く前に出た。
「「こんにちは~!」」
元気な挨拶に、連中の警戒が一気に緩んだ。よしよし、今のうちだ!
「私たち、エルダードから来ました。冒険者として依頼を受けた者です」
弟子の挨拶に、先頭で物騒なフライパンを持って立っていたオバちゃんの肩から力が抜ける。
「ああ、なんだいあんた達が。話はジョナサンとバスチアンから聞いてるよ」
「お、そいつは話が早い。ちょっと聞きたいことがあってよ、いいかい?」
改めて迎えられたキャンプで、オレ達は丁重にもてなされた。最初はどうなるかと思ったが、案外どうにかなるもんだな。
天幕の中で、出された果実水を手にオレは切り出した。キャンプって言ってもかなり快適な環境が作られているのには感心する。日除けの布ひとつ取っても上質なもんだ。こりゃ、一大産業になるんじゃね?
「…んで、ちょっと聞くが。ジョナサンとやらが行方不明になってるってのは知ってるんだよな? 心当たりはあるか?」
オレの問いに、犬獣人たちは互いに顔を見合わせた。おお? なんかあるのか?
「その…ね。言いにくいことなんだけど…」
ほいほい? なんだって?
「普段はね、好青年なのよジョナサンって? だけどちょっと、女の子にだらしないっていうか…ね?」
…あー…そーゆーことか。
同じ兄弟でも、どっちかって言うとマジメな弟の方が人望あるってか? オレ的にはそのジョナサンとの方が、美味い酒飲めそうだがな。
ちなみにジョナサンは、人間に近い容姿で垂れた犬耳付きの伊達男だそうだ。兄弟っつっても、直立犬タイプのバスチアンとは似てねぇんだな。そこんとこが結構謎だわ獣人族ってよ。
熱心に話を聞く弟子。それとは別で、無言でこっち見上げて来やがるアーシェの視線が痛てェわ。
「…って事は、女のトコにしけ込んでるって見解が強えェわけ?」
「そういうことになるわね」
うわバッサリかよ。…だからアーシェ、こっち見んな。
「どなたか決まった、恋仲の人じゃないのですね?」
慎重に言葉を選びながら問う弟子に、あっさりとオバちゃんは答えた。
「そうだねぇ…二~三人に絞られるかね?」
「絞られて、二~三人ですか?」
愕然とした声の弟子。…だからアーシェ、ジト目に切り替えんな頼むから!
…しかし、噂好きな女の繋がりって怖えェ。 話聞いてるうちに、手ェ出した女の話題がざっくざく出て来やがった。
有力な候補だけをリストにまとめても、五人か…。回ってみるのはいいが、元の領主に追い出されたって街だ。こっそりと戻ってるかもしれねぇって事か。
しかし参った、行ってみたとこで真っ最中だった日にはどうすりゃいいんだか? 教育にすこぶる悪りィよなァ…。
まあこの心配は、結局のところ杞憂に終わった。
奴の行方は、すぐにわかることになったんだからよ!
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