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Intermission 5 田舎大将、出陣!
放蕩息子、変身!
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Side-リド 1
どういうこった? 最初に声かけた美女はともかく、さっきの黒髪娘の怪力はありえねぇ。元々は冒険者の街っても、まさかこんな一般人まで尋常な感じじゃねぇってどういうことだ?
あ、いや! 今はそんなことどうでもいい。とりあえず尻の大穴をなんとかしねぇと! オレ、かっちょ悪りぃ!
ほぼむき出しの尻を隠すためにドラン連れて近くの服屋に行くが。やっぱ都会ってのはいいよな。売ってる服のセンスからして違うぜ! そうさ、今までナンパが成功しなかったのもオレがダサかったせいだ。そうさ、そうに違いない!
「いらっしゃいませー!」
「お薦めはあるか?」
開口一番のオレの問いに店員は、嬉々として奥からどぎつい色合いが詰まった山盛りのカゴを抱えて来た。
「これがまずイチオシなんですけどー、お客さん細いから、こっちの方が合うかな? あ、でもでもこっちのポップな感じの方がいいかな?」
そういう店員は、次々とオレにキテレツな…いや、これが都会のセンスなのか? ってなものを勧めてくる。
「えー、お客さんの感じだとこっちも良さげよ? ちょっとシックに決めてみようよ!」
もう一人出て来た店員の方がマシなセンスだな。どれどれ? こっちはこっちで…お、これいいな。
数分後、お似合いですよという賞賛の声を浴びつつ試着室から出て来たオレ。どうだ、最高のコーディネートだぜ!
トゲトゲ付きのジャケットに黒い皮のズボン、アクセサリーはシルバーで決まりだ!
「どうよ、このオレのセンス?」
だがオレの完璧なセンスに、ドランはちょっと引き気味に呟く。
「リド…確かにすげぇ似合うけど、ひと昔前のチンピラみてぇだな…」
「はは、言ってろ言ってろ! このオレのかっこよさに嫉妬してんのか?」
何はともあれ、これでナンパは成功するぜ!
意気揚々と通りを歩くオレと、ちょっと距離を置いて歩くドラン。ちっ、ノリ悪いな。こんなことなら、よくつるんでる粉屋の息子ザザと来るんだったぜ。…まあいいさ、帰ったらこの完璧なファッションを見せびらかしてやるさ!
さあ元気出して、悪事だナンパだ酒だ!
まずは買い物ついでに店員から聞き出した繁華街に行ってみることにしようか。
さあ見ろ女ども、このオレ様の完璧なセンスを!
繁華街を闊歩するオレを何故か女どもは遠巻きにしてヒソヒソと話し合っている。なんだそうか、オレ様のかっこよさに気後れしてるんだな? だが遠慮しなくていい、どんどん逆ナンしてくれてかまわねぇぜ?
ってかドラン! なんでテメェまで一緒くたに遠巻きにしてやがんだ、コラ!
ったく…。まあいいさ。田舎臭プンプンするようなドランと離れたおかげで、ナンパの成功率も上がるってもんだろ?
「ねえ、あの人!」
「ホントだ、声かけちゃう?」
「えー、でもちょっと近づきづらいよ…」
ほらな、このオレ様が完璧なファッションで街に出れば女どもは騒ぐんだよ! いいんだぜ? いくらでも声をかけてくれてよぉ。二人でも三人でもお相手しちゃうぜ!
だが、いくら待ってもオレに声をかけて来る女は皆無。照れてるのかい子猫ちゃん、可愛いじゃねぇか…。
ふと気づくと女の視線はオレをすり抜けている。おお? なんだなんだ、どういうこった?
振り返ると、金髪のチビと長い銀髪の野郎が通りを横切るところだった。どうも、女たちの視線はそっちに向いてるらしい…。
「そういえば君と巡回に行くのは初めてだったな」
「…ダンチョーが内勤ばかり勧めるせいでな」
「普段からご年配の奥様方のクレーム対応に困ってるからな」
「私が役に立つのか?」
「大いに」
そんなことを話しながら、周りの女の視線を気にした風もない。何だこいつ、ムカつく!
「金髪の子もも可愛いよね! 弟に欲しい♪」
「あたしは断然、銀髪のお兄さんかな」
「二人とも自警団だって。行ってみちゃう?」
「えー、迷惑だよー」
…冷たい風が吹き抜ける。また自警団か…。今日びの自警団はどうなってやがるんだか? ああ…帰りたくなって来ちまった…。
オレたちはさっさと繁華街を後にした。
どういうこった? 最初に声かけた美女はともかく、さっきの黒髪娘の怪力はありえねぇ。元々は冒険者の街っても、まさかこんな一般人まで尋常な感じじゃねぇってどういうことだ?
あ、いや! 今はそんなことどうでもいい。とりあえず尻の大穴をなんとかしねぇと! オレ、かっちょ悪りぃ!
ほぼむき出しの尻を隠すためにドラン連れて近くの服屋に行くが。やっぱ都会ってのはいいよな。売ってる服のセンスからして違うぜ! そうさ、今までナンパが成功しなかったのもオレがダサかったせいだ。そうさ、そうに違いない!
「いらっしゃいませー!」
「お薦めはあるか?」
開口一番のオレの問いに店員は、嬉々として奥からどぎつい色合いが詰まった山盛りのカゴを抱えて来た。
「これがまずイチオシなんですけどー、お客さん細いから、こっちの方が合うかな? あ、でもでもこっちのポップな感じの方がいいかな?」
そういう店員は、次々とオレにキテレツな…いや、これが都会のセンスなのか? ってなものを勧めてくる。
「えー、お客さんの感じだとこっちも良さげよ? ちょっとシックに決めてみようよ!」
もう一人出て来た店員の方がマシなセンスだな。どれどれ? こっちはこっちで…お、これいいな。
数分後、お似合いですよという賞賛の声を浴びつつ試着室から出て来たオレ。どうだ、最高のコーディネートだぜ!
トゲトゲ付きのジャケットに黒い皮のズボン、アクセサリーはシルバーで決まりだ!
「どうよ、このオレのセンス?」
だがオレの完璧なセンスに、ドランはちょっと引き気味に呟く。
「リド…確かにすげぇ似合うけど、ひと昔前のチンピラみてぇだな…」
「はは、言ってろ言ってろ! このオレのかっこよさに嫉妬してんのか?」
何はともあれ、これでナンパは成功するぜ!
意気揚々と通りを歩くオレと、ちょっと距離を置いて歩くドラン。ちっ、ノリ悪いな。こんなことなら、よくつるんでる粉屋の息子ザザと来るんだったぜ。…まあいいさ、帰ったらこの完璧なファッションを見せびらかしてやるさ!
さあ元気出して、悪事だナンパだ酒だ!
まずは買い物ついでに店員から聞き出した繁華街に行ってみることにしようか。
さあ見ろ女ども、このオレ様の完璧なセンスを!
繁華街を闊歩するオレを何故か女どもは遠巻きにしてヒソヒソと話し合っている。なんだそうか、オレ様のかっこよさに気後れしてるんだな? だが遠慮しなくていい、どんどん逆ナンしてくれてかまわねぇぜ?
ってかドラン! なんでテメェまで一緒くたに遠巻きにしてやがんだ、コラ!
ったく…。まあいいさ。田舎臭プンプンするようなドランと離れたおかげで、ナンパの成功率も上がるってもんだろ?
「ねえ、あの人!」
「ホントだ、声かけちゃう?」
「えー、でもちょっと近づきづらいよ…」
ほらな、このオレ様が完璧なファッションで街に出れば女どもは騒ぐんだよ! いいんだぜ? いくらでも声をかけてくれてよぉ。二人でも三人でもお相手しちゃうぜ!
だが、いくら待ってもオレに声をかけて来る女は皆無。照れてるのかい子猫ちゃん、可愛いじゃねぇか…。
ふと気づくと女の視線はオレをすり抜けている。おお? なんだなんだ、どういうこった?
振り返ると、金髪のチビと長い銀髪の野郎が通りを横切るところだった。どうも、女たちの視線はそっちに向いてるらしい…。
「そういえば君と巡回に行くのは初めてだったな」
「…ダンチョーが内勤ばかり勧めるせいでな」
「普段からご年配の奥様方のクレーム対応に困ってるからな」
「私が役に立つのか?」
「大いに」
そんなことを話しながら、周りの女の視線を気にした風もない。何だこいつ、ムカつく!
「金髪の子もも可愛いよね! 弟に欲しい♪」
「あたしは断然、銀髪のお兄さんかな」
「二人とも自警団だって。行ってみちゃう?」
「えー、迷惑だよー」
…冷たい風が吹き抜ける。また自警団か…。今日びの自警団はどうなってやがるんだか? ああ…帰りたくなって来ちまった…。
オレたちはさっさと繁華街を後にした。
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