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Intermission 5 田舎大将、出陣!
田舎大将、驚愕!
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side-ドラン 1
オッス! おら、ドラン! 村一番の力自慢だ!
今年で二十歳、ボサボサの黒髪でゴツい体格が目印だ。あんまし背は高くねぇが、力はあるぞ! よろしくな!
いつもいつもやらされてる村の周りのゴブリン退治にいい加減飽き飽きして来たから、思い切って冒険者になってみようと思っただ。
どんな強ぇ奴がいるんだろうな? おら、ワクワクすっぞ!
ただなあ…隣にいる村長のドラ息子。これさえいなきゃなあ…。
エルダードに行くと報告したら、話を聞いてついて来ちまったんだ…連れて行けって村長命令には逆らえなくて困っちまった。村長が末っ子だからって甘やかしてるから、こんなになっちまったんだけどもよ?
こいつの名はリド。十七歳になったばっか。短い金髪にニヤニヤとした嫌な笑い方で、村長の息子ってだけで色々と悪さしてる嫌われモンだ。身体は細くて逃げ足だけなら天下一品。それで数々の悪さから逃げ切ってんだ。
「ここで、酒と女と悪さを極めてやるぜ!」
なんて息巻いてるんだが、おらの目的はどうなるんだろうなあ…?
まあ言っても仕方ねぇ。やっぱりなるなら、エルダードの冒険者だよな!
割と近けぇから、早速乗合馬車で行ってみたけどよ。やっぱデケェ街だ~! 人も建物も多いから、都会って感じがすっぞ!
あっちこっちにはごっつい鎧の兄ちゃんや、キレイなねーちゃんが歩いてるなぁ。さっすがは冒険者の街だ。静かなだけが取り柄のおらが村とは大違いだ!
そう思う間も無く、リドが女の子のところに行っちまった。いきなり女をモノにするつもりか?
リドの好みはわかりやすい。ゴージャスな金髪でセクシーな美人を早速捕まえたみてぇだ。
「よう、お姉さん。オレの女にならねぇ?」
…あーあ、村にいた時とおんなじ口説き文句をそのまま使ってらあ。田舎でも通じなかってってのに、そんなモン通じるわけねぇって。身の程をしらねぇだなあ…。
思った通り、セクシーな微笑み一つであしらわれてるぞ。
「残念ね、坊や。そういうの、間に合ってる」
ハスキーなその声も色っぽい。こりゃリドじゃなくてもクラクラしちまいそうだ。
だがなあ…ああ、やっぱりな。額をピンと弾かれて、軽くいなされちまった。でもめげねぇドラ息子。
「まあいいじゃん、付き合えよ」
いきなり 腕を掴んで力づくで物陰に連れて行こうとしてるだ!お姉さんは嫌そうに抵抗してるし、これは流石に止めるべ! 田舎にいた時から、こいつはこうだった。村娘にちょっかいかけては長老や男衆にシメられてるんだが、何年経っても変わらねぇ。こいつが村を離れてホッとしてるやつは多いんだろうな。…筆頭は村長かもしれねぇぞ。
リドと彼女の間に割り込んだ時だった。
「しつっけぇんだよ、サンピンが!」
次に彼女の口から出たのは、野太い罵声だった。流石にビビってリドが手を離し、呆然と尻餅ついてハニワみてぇな顔で彼女を見上げる。おらにも何が起きたかわからねぇだ。
彼女はリドを振り払った後、おらに向けて極上の笑みを向けた。
「助けてくれようとしたのね、あ・り・が・と! でもこの街じゃ、自分の身は自分で守らなきゃなの♪ じゃあね~」
続いておらにはキレイな投げキッスを残して去って行った。
と…都会は恐ろしいところだぁ…。あんなキレイな人が『彼女』じゃなくて『彼』だったとは…!
オッス! おら、ドラン! 村一番の力自慢だ!
今年で二十歳、ボサボサの黒髪でゴツい体格が目印だ。あんまし背は高くねぇが、力はあるぞ! よろしくな!
いつもいつもやらされてる村の周りのゴブリン退治にいい加減飽き飽きして来たから、思い切って冒険者になってみようと思っただ。
どんな強ぇ奴がいるんだろうな? おら、ワクワクすっぞ!
ただなあ…隣にいる村長のドラ息子。これさえいなきゃなあ…。
エルダードに行くと報告したら、話を聞いてついて来ちまったんだ…連れて行けって村長命令には逆らえなくて困っちまった。村長が末っ子だからって甘やかしてるから、こんなになっちまったんだけどもよ?
こいつの名はリド。十七歳になったばっか。短い金髪にニヤニヤとした嫌な笑い方で、村長の息子ってだけで色々と悪さしてる嫌われモンだ。身体は細くて逃げ足だけなら天下一品。それで数々の悪さから逃げ切ってんだ。
「ここで、酒と女と悪さを極めてやるぜ!」
なんて息巻いてるんだが、おらの目的はどうなるんだろうなあ…?
まあ言っても仕方ねぇ。やっぱりなるなら、エルダードの冒険者だよな!
割と近けぇから、早速乗合馬車で行ってみたけどよ。やっぱデケェ街だ~! 人も建物も多いから、都会って感じがすっぞ!
あっちこっちにはごっつい鎧の兄ちゃんや、キレイなねーちゃんが歩いてるなぁ。さっすがは冒険者の街だ。静かなだけが取り柄のおらが村とは大違いだ!
そう思う間も無く、リドが女の子のところに行っちまった。いきなり女をモノにするつもりか?
リドの好みはわかりやすい。ゴージャスな金髪でセクシーな美人を早速捕まえたみてぇだ。
「よう、お姉さん。オレの女にならねぇ?」
…あーあ、村にいた時とおんなじ口説き文句をそのまま使ってらあ。田舎でも通じなかってってのに、そんなモン通じるわけねぇって。身の程をしらねぇだなあ…。
思った通り、セクシーな微笑み一つであしらわれてるぞ。
「残念ね、坊や。そういうの、間に合ってる」
ハスキーなその声も色っぽい。こりゃリドじゃなくてもクラクラしちまいそうだ。
だがなあ…ああ、やっぱりな。額をピンと弾かれて、軽くいなされちまった。でもめげねぇドラ息子。
「まあいいじゃん、付き合えよ」
いきなり 腕を掴んで力づくで物陰に連れて行こうとしてるだ!お姉さんは嫌そうに抵抗してるし、これは流石に止めるべ! 田舎にいた時から、こいつはこうだった。村娘にちょっかいかけては長老や男衆にシメられてるんだが、何年経っても変わらねぇ。こいつが村を離れてホッとしてるやつは多いんだろうな。…筆頭は村長かもしれねぇぞ。
リドと彼女の間に割り込んだ時だった。
「しつっけぇんだよ、サンピンが!」
次に彼女の口から出たのは、野太い罵声だった。流石にビビってリドが手を離し、呆然と尻餅ついてハニワみてぇな顔で彼女を見上げる。おらにも何が起きたかわからねぇだ。
彼女はリドを振り払った後、おらに向けて極上の笑みを向けた。
「助けてくれようとしたのね、あ・り・が・と! でもこの街じゃ、自分の身は自分で守らなきゃなの♪ じゃあね~」
続いておらにはキレイな投げキッスを残して去って行った。
と…都会は恐ろしいところだぁ…。あんなキレイな人が『彼女』じゃなくて『彼』だったとは…!
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